「ショーもパーティも来ないのに、展示会は必ず来るね」と言われた男のイチオシ展示会 suzuki takayuki

  • 写真・文:一史
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suzuki takayuki 2024年春夏展示会より。

美しさやカルチャーの観点では、ファッション界の華やかに心惹かれるときもあります。
でも華やかさはエッセンスのひとつに過ぎず。
仕事で服を見に行くときは、服を知りたいのです。
ファッションショーはブランドが目指す着地点を把握するのに役立っても、早足で通り過ぎるモデルの服はなんだかよくわからず。
スポットライトを浴びた8~10等身の美女やイケメンを下から見上げるより、服に触れたくて。
なのでただ服が並ぶ展示会によく行きます。

あるときファッションショーの会場でお馴染み女性PRさんに、「あ、珍しく来た。ショーもパーティもまず来ないのに。展示会には必ず来るけど」と言われてしまいました。
長年敬愛するブランドのHYKEでさえ、年2回の展示会を前身のgreen時代から欠かしたことがありませんが、ショーはスルーしちゃったことも。

展示会ではボツになる可能性のあるサンプルも含め全ラインナップを一望できます。
会場ではデザイナーをはじめ、制作さんや営業さんたちの専門的な話が聞けます。
価格を含む商品価値もチェックできます。
商品が店に並ぶ半年以上前に開催される展示会は、トレンド傾向を掴むのにも最適な場です。

今回のブログ(Pen Onlineコラムニスト)では、いつもワクワクさせてくれる展示会をピックアップしてご紹介しましょう。
信頼のブランド、信頼の展示会。
シリーズ化してお届けしていく予定です。
仕事関係者でないと入れない点は申し訳なく思いますが、ブランドのテイストを知る指標にしていただけたら。
第1回目の今回は、20年近く軸をぶらさず手仕事感覚の服づくりを続けるsuzuki takayuki。

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suzuki takayuki 2024SS Collection

 

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北海道に家を持つスズキさんが撮った現地の風景。今季デザインの元になったイメージ。

布の造形作家、布のアーティストと呼びたいスズキ タカユキさん。
とにかく手を動かす人です。
布を裂いてミシン踏んでハサミ入れて。

演劇やコンテンポラリーダンスの衣裳なども制作しつつ、自身のブランドsuzuki takayukiを運営。
生活者のためのワードローブ。
着るとシャープでクールなのが、他のほっこり系と大きく異なる点。
ディテールまで徹底的に繊細に処理されてます。

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中央の布バッグはsuzuki takayukiのロングセラー定番品。会場の部屋はドライフラワーがぎっしり。

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メンズのシャツ類。麻が多いのが同ブランドの大きな特徴のひとつ。 ブランドカラーのベージュや黒に加え、今季はグレイッシュなパステルトーンで印象がフレッシュに。

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ウィメンズはより繊細。素材や色以上に、着たときのシルエットも入念に調整された服。

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19世紀末のヨーロッパの型紙を入手して研究したり、布を自身で染めて絞ったりするスズキさん。
わたしが知る限り、服づくりの姿勢で並ぶ人が思い浮かびません。
誰もが口にする懐の広い彼の人柄も、展示会に多くの人(舞台俳優、ダンサー、学生まで)がやってくる理由のひとつでしょう。
皆が一様に笑顔で、個人買いする服を選んでます。
「これかわいいなー、でもあれも、迷う〜〜〜!」と女性たちが声を上げる展示会。
一方で男性たちは、物静かにじっくりと服を探る人が多いような。

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ふだんはショールームの部屋は東京・南青山の歴史あるマンションの一室。生成りの布で壁を覆った異空間。

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ドライフラワーは過去の展示会で飾った生花(植物)をドライ処理したもの。茎についたままの綿花なども飾るsuzuki takayukiは、天然素材の源泉、それを着ることの意味まで探り続けるブランドです。

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室内をぐるりと覆う大胆なドレープの布。生成りの色がsuzuki takayukiのアイコン。こうしたディスプレイやアートワークはどれもスズキさんの手によるもの。植物は専門家の花屋さんが運んでくれるそう。

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久々に撮らせていただいたスズキさんの近影。コロナ禍以降で2年以上ぶりにお会いしてつい長話を。

一般的に展示会は、ショップバイヤーの発注と商談の場。
バイヤーはプロですから、服を単体で見て「自分の店に置くならどうなるか」を想定できます。
展示会場が淡白なオフィスでも問題ないはずです。
それでも会場の空気は、服に流れ込んでくるもの。
suzuki takayukiの凝った演出は、ブランドが表現したい全体像を伝えています。

わたし個人はふだん展示会にいるとき、完全に仕事モード。
バイヤーに近い目線で服を見ますので、個人買い気分は頭から消え去ってます。
それでも好きなブランド、好きな服、好きなスタッフたちの展示会に行くと感情が職業意識を上回るときも。
suzuki takayukiは心をリラックスさせてくれる展示会。
もし皆さんが訪れる機会があれば、チャンスを逃さずぜひご体験ください!

All photos&text©KAZUSHI

Pen Online記事一覧
www.pen-online.jp/columnist/kazushi-takahashi/

KAZUSHI instagram
www.instagram.com/kazushikazu

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【画像】「ショーもパーティも来ないのに、展示会は必ず来るね」と言われた男のイチオシ展示会 suzuki takayuki

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suzuki takayuki 2024年春夏展示会より。

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北海道に家を持つスズキさんが自身で撮った現地の風景。今季デザインの元になったイメージ。

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中央の布バッグはsuzuki takayukiのロングセラー定番品。会場の部屋はドライフラワーがぎっしり。

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メンズのシャツ類。麻が多いのが同ブランドの大きな特徴のひとつ。 ブランドカラーのベージュや黒に加え、今季はグレイッシュなパステルトーンで印象がフレッシュに。

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ウィメンズはより繊細。素材や色以上に、着たときのシルエットも入念に調整された服。

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ふだんはショールームの部屋は東京・南青山の歴史あるマンションの一室。生成りの布で壁を覆った異空間。

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ドライフラワーは過去の展示会で飾った生花(植物)をドライ処理したもの。茎についたままの綿花なども飾るsuzuki takayukiは、天然素材の源泉、それを着ることの意味まで探り続けるブランドです。

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室内をぐるりと覆う大胆なドレープの布。生成りの色がsuzuki takayukiのアイコン。こうしたディスプレイやアートワークはどれもスズキさんの手によるもの。植物は専門家の花屋さんが運んでくれるそう。

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久々に撮らせていただいたスズキさんの近影。コロナ禍以降で2年以上ぶりにお会いしてつい長話を。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。