ミッション・インポッシブルにも登場!ノルウェーの断崖絶壁が、この夏観光客で大賑わい

  • 文:山川真智子
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プレーケストーレンは、ノルウェーにある高さ600mの崖だ。2018年公開の映画『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』の撮影場所になったことで知られる名所だが、今年は特に観光客が多かったという。ネット上には思わず息をのむような断崖絶壁の写真や映像が出回っており、当分人気が絶えることはなさそうだ。

涼しい地域が狙い目!行き先トレンドは南から北へ

2023年の欧州の夏は、旅行業界にとって悪いニュースが多かったとフォーブス誌は述べる。南部の多くのリゾート地を熱波が襲ったが、そこに山火事が発生したことで新たな危険が加わった。一部では、夏休みの真っ盛りに海外渡航自粛アドバイスを出した国もあったという。

渡航に不安のある南部のリゾートに代わって選ばれたのが、比較的涼しい地域への旅行だ。北のノルウェーやデンマークでは、国内ツーリズムの増加も手伝い、観光業は好調だという。

特にノルウェーでは、クルーズ船の寄港回数、モーターホームの数などが過去最高を記録。パンデミックでの落ち込みを経験した旅行業界は、この盛り上がりを歓迎している。

スリル満点!アクセスも良好で、ソーシャルメディアで映える!

ノルウェーでこの夏大人気となっている名所の一つが、プレーケストーレンだ。1万年以上前に形成された自然のランドマークで、高さ600mの崖の頂上からはフィヨルドの絶景を見ることができる。2018年公開の映画『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』の撮影場所としても有名で、撮影時には1週間余り一般公開されず、物資はすべてヘリコプターで運んだということだ。

かなりの難所のようなイメージだが、頂上は約25平方メートルの平らな台形状になっており、観光客も足を踏み入れることができる。全長8kmのハイキングで到達でき、所要時間は往復で約4~5時間ほどだ。突き出した崖の地面には亀裂が入っており、スリルは満点。ソーシャルメディア上では、訪れた人たちの様々な写真や映像を見ることができる。

オーバーツーリズムの議論に着火!「歩き回る権利」見直しか?

観光客の増加で、思わぬ問題も起こっているという。フォーブス誌によれば、プレーケストーレンへのトレイルは、かつてないほど多くのハイカーを引き寄せており、駐車場やトイレなどの施設を圧迫している。

ノルウェーでは、野外レクリエーションは国の文化的継承物の重要な一部とされ、自然の中を「歩き回る権利」が法律で保証されている。地元メディアでは、プレーケストーレンに関しこの権利を支持するのか、自然環境を保護するために観光を制限するかで議論になっているといい、ここでもオーバーツーリズムが問題化している。

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柵もない頂上で、スリルを満喫する観光客たち。

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映画公開時のトム・クルーズのツイート。

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映画撮影風景。

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この夏の投稿のひとつ。