
各種ソーシャルメディアで、親子のカエル姿の着ぐるみコンビ「ドウインガエル」が人気者になっている。街角でコミカルな寸劇やファンとの交流を繰り広げる様子は、日本でいう「ゆるキャラ」にもそっくりだ。ある動画は、アジアとおぼしき街角でファンが撮影したものだ。数秒ほどの短いクリップでありながら、この親子ガエルの魅力をたっぷりと伝えている。
動画では通行人の若い女性が、カエルたちを発見して駆け寄る。女性は勢いよく右腕を曲げ、敬礼のポーズを向ける。この親子のカエルは、びしっと決まった敬礼を向けると向こうからも敬礼を返してくれる、コミカルな動作で人気だ。
ファンの期待に応えたかった親ガエルは、もこもことした体で精一杯の敬礼ポーズを披露。つないでいた子ガエルの手を離し、持っていたたくさんのカエル型のバルーンもいったんは地面に置き、ファンサービスを何よりも優先している。
ところがファンは……
ところがこの女性は、敬礼を返してくれたカエルに感動するかと思いきや、茶目っ気たっぷりの行動に出る。地面に置かれた蛙のバルーンを掴み取ると、猛ダッシュで走り去ってしまった。ファンにバルーンを奪われてしまった親ガエルは、呆然とするばかりだ。
哀愁漂う親ガエルを、新たな悲劇が襲う。画面外から若い男性が駆け寄り、こんどは子ガエルを抱えて走り去ってしまったのだ。風船と子ガエルが別々の方向へ持ち去られ、ファンサービスに応じたはずだった親ガエルはあたふたとするばかりだ。
もちろんほんとうに連れ去ったわけではなく、コミカルなカエルの反応を楽しむいたずらのひとつだ。
カエルに迫る悲劇の数々
ドウインガエルのユーモラスな反応を収めた動画は、各地で様々なバージョンが制作され、ネット上に続々とアップされている。ある動画では、駐車違反の現場をしっかりと監視員に見つかってしまった。「お願い、見逃して」とばかりに両手を合わせて懇願のポーズを取ったカエルだが、無慈悲にも違反きっぷを切られてしまったようだ。
監視員はカエルのポーズに応じてつかの間のふれあいを楽しむが、こればかりは仕事でね、と言わんばかりに書類を書く手だけは止めない。別の動画では、レストランの店頭でカエル料理の看板を発見。絶望に打ちひしがれる様子が収められている。
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人気キャラに燃やすジェラシー
シンガポールのショッピングモールでは、他のキャラクターとの掛け合いが話題を呼んだ。中国発の激安ミルクティー・チェーンであり、日本にも出店しているMixue(ミーシュー)は、雪だるまのキャラクター「スノー・キング」をマスコットにしている。同チェーンは90年代に小さな屋台から誕生し、2019年頃からキャラクターがネットでブームになった。
人気のスノー・キングに、ドウインガエルはジェラシーを燃やしたのだろうか。モール内の大通りでスノー・キングに遭遇したドウインガエルは、これでもかと追い回している。さらには転んだ隙を突いて、プロレス顔負けの攻撃を仕掛けた。集まった買い物客たちはスマホのカメラを向けており、思わぬ共演を楽しんだようだ。
1軒の屋台から始まった
スノー・キングと同じく、ドウインガエルも屋台にルーツを持つ。海外ネットメディアのバベルフィッシュによると、もともとは中国の露天商たちがカエル形の風船を売るため、カエルの着ぐるみ姿で屋台に立ったのが始まりだ。その姿は生意気でありながらも、どこか憎めない。見開いた目に、もの言いたげな口元、そして出っ張り気味のお腹など、絶妙なルックスだ。
ソーシャルメディアでのブレイクを経て、次第に独特のキャラクター性が形成された。典型的な特徴としては、ときおり子供のカエルを連れており、敬礼をするとビシッと返してくれ、何かと物悲しい事件に巻き込まれがちだ。
国際版アプリのTikTokに対して中国国内版の「抖音(ドウイン)」が存在するが、ここで流行したことからドウインガエルの名で親しまれるようになった。現在では中国国内のみならず、シンガポールなどアジア各地に出没し、ネット上に笑いを振りまいている。
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ファンに油断しないで…の動画。
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見逃してもらえないでしょうか……。
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もしかして具材は。
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