気になる未来の姿に迫った、Pen最新号『2033年のテクノロジー』。その中から、自動運転の記事を、抜粋して紹介する。
Pen最新号は『2033年のテクノロジー』。AIの進化でどう変わる!? モビリティ、建築、アート、ファッション、食&農業、プロダクト、ゲーム、金融と8つのジャンルで2033年の、そしてさらなる未来のテクノロジーを占った。気になる未来の姿に迫る。
『2033年のテクノロジー』
Pen 2023年9月号 ¥880(税込)
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2021年、ホンダが世界で初めて「レベル3」の自動運転を実現した。自動運転のレベル3とは特定の領域で運転を車両に任せられるものだが、その歩みは決して早くない。10年後、完全自動運転は実現するのか?
ソニー・ホンダモビリティが家電製品の見本市、CES2023で「アフィーラ」のプロトタイプを発表した際に「25年に実車を発表、26年にデリバリー開始」というスケジュールがアナウンスされた。このプロトタイプは車内エンターテインメントが特徴で、自動運転とセットのクルマだと考えられる。同社社長の川西泉に尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「急いで自動運転のレベルを上げるというより、安心、安全を担保した上でエンタメ空間を提供したいと考えています。乗る側の理解を醸成していくことが大事で、まずはレベル2+ぐらいの世界観を体験していただくことを考えています」
つまり、量産一号車は、加減速やハンドル操作を補助するレベル2+〜3の自動運転になるのだろう。

Sony Honda AFEELA
ソニー・ホンダモビリティ・アフィーラ
2023年1月、米国ラスベガスで開催されたCES 2023でソニー・ホンダモビリティが披露したAFEELA(アフィーラ)のプロトタイプ。ブランド名は、「Autonomy(自動運転)」「Augmentation(拡張性)」「Affinity(共生)」を意味する「A」と「FEEL」を組み合わせた造語。あえてセダンというスタイルを採用した理由は、夢物語ではなくリアリティをもたせたかったからだという。

一方、日本政府は25年度までに約50カ所での無人自動運転移動サービスの事業化を目標とする。この目標に寄与すべく、自動運転車用ソフトウェア開発が世界レベルで進められている。
今年6月、レベル4自動運転のEV量産を行うと発表したティアフォー社長の加藤真平は「自動運転の実現にはテクノロジー、ビジネスモデル、社会的受容性の3つの軸があり、テクノロジーに関して弊社は世界トップ水準」と語る。高速道路や工場の構内など、限定された場所で自動運転をするレベル4の実現は見えた。では33年に、完全自動運転は実現するのか? 加藤さんは、人々が受け入れた時に完全自動運転は実現すると言う。 「徐々に受容されていき、スマホのように、ある日突然、こっちが便利となるでしょう」。その未来は遠くない。

TIER Ⅳ
ティアフォー
日本に拠点を置き世界でも展開するティアフォーは、世界初の自動運転用オープンソースソフトウェア「Autoware」の開発を主導する企業。「自動運転の民主化」というコンセプトを掲げ、だれもが自由にこのソフトを使えるのが特徴。PCにおけるインテルのように、「Autoware」が自動運転のデファクトスタンダードになるイメージだ。2023年6月、完成車メーカーから提供されるEVを自動運転に対応させるソリューション「ファンファーレ」を発表。24年までに9車種を出荷する予定で、現在写真の4台を開発している。 上:最大25人が乗れる「ミニバス」 下右: 最大6人が乗れる「シャトルバス」 下中:モノを運ぶことに特化した無人の「サイドウォーク・ボット4」 下左:4人乗りの「ミニカー」
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