自走する配達ロボットへの妨害行為が頻発…蹴り倒され、商品を略奪される“決定的瞬間”

  • 文:山川真智子
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サーブ社のロボット。serverobotics-Instagram

コロナ禍でデリバリーの人気は急上昇し、今後もその需要は伸びるとされるが、一方で人手不足も深刻だ。そこで、人を介さず商品を届けることが可能な、自律走行のロボット配達車に大きな期待がかかっている。しかし心無い人々が配達中のロボットをひっくり返したり、中の商品を盗んだりする様子を撮影した動画がアメリカでは出回っており、省人化に暗雲が立ち込めている。

低コストで環境に優しい!いいこと尽くめで需要拡大に期待

ウェブ誌クオーツは、自律型配達ロボットのメリットとして、人を使うよりも低コストであること、化石燃料を使うトラックよりも二酸化炭素排出量が少なく、交通渋滞を削減できることをあげている。

コロナのパンデミックは配達ロボットの需要を加速させるチャンスとなり、サーブ社やスターシップ社など、小売業やレストランと提携するロボット配達会社が続々と現れた。スターシップ社の2021年の配達件数は、パンデミック開始時と比べ世界で4倍になったとされており、今後もロボットの活用が期待される。

業務妨害を超えて、略奪のターゲットに

しかし残念なことに、配達ロボットへの妨害行為が、ビジネスに影響しつつあるという。配達中のロボットに蹴りを入れて倒したり、馬乗りになったり、さらには商品を略奪したりといった、粗暴な行為の決定的瞬間を撮影したビデオがソーシャルメディアで拡散している。

ハリウッドにあるカフェの支配人は「ダメになった商品のつくり直しをしなければならないが、幸いなことにその分は配達会社から弁償してもらっている」とロサンゼルスのテレビ局KTLAに話している。ただ、ダメージを受けたロボットのほうがずっと高価で、配達会社の痛手のほうが大きいだろうとしている。

会社側も、破壊行為を防止するための対策は取っている。ロボットは、通り道を塞がれた場合は迂回する、またはどいてほしいと相手に丁寧に頼むように設定されている。状況がエスカレートしたり、相手が干渉してきたりした場合は、サイレンを鳴らし会社側に報告も行う。ロボット自体にカメラも設置されているという。

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ビジネスに限界も…治安の悪さが阻むロボットの可能性

ウエスト・ハリウッドで多くのロボットによる配達サービスを運営するサーブ社は、時々ロボットが標的になっているものの、99.9%の配達は完了できているとKTLAに述べ、ロボット活用に自信を見せている。

しかしクオーツは、実際のところ限界があると指摘。たとえば、サーブ社のロボットはレベル4の自律性を備えているが、配達が郊外のような特定地域や、大学や病院のキャンパスのような管理された環境内に限定されることが多いと述べている。現状、比較的治安のいい地域でのみ機能するサービスということだろうか。

配達ロボットを使うには、ある程度規模が大きくなければコスト面でのメリットはないという指摘もある。ビジネスの拡大を望むなら、被害防止のための対策強化は必須だ。

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@viralnewsnetwork Hollywood Food delivery robots are being targeted, but AI and Robots might just fight back now. Robot vid cr: @Film The Robots LA #robotics #a #ai #fightback #artificialintellgence #fooddelivery #deliverdriver #usa #police #foryou ♬ Sad and lonely - MoppySound

ロボットが妨害、破壊行為を受ける決定的瞬間。中身を盗む人も。

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ロボットに人が馬乗りになる決定的瞬間。

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ウーバーイーツ仕様のサーブ社のロボット。

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スターシップ社のロボット。おちゃめなダンスもできる。