「私は王室の黒羊」という訴え!? ダイアナ妃お気に入りの“羊のセーター”がオークションに出品 

  • 文:宮田華子
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@Sothebys – Twitterのキャプチャ画像

1981年6月、チャールズ皇太子(当時)との結婚直前であったダイアナ妃(当時19歳)が着用した「黒羊のセーター」が、「Sotherby’s」(ニューヨーク)でオークションに出されることとなった。入札は8月31日~9月14日に行われる。

1980~90年代、ダイアナ妃はファッションアイコン的存在であったが、彼女が着用した衣服の中でも、特に有名であり、強い印象を残したアイテムがこのセーターだ。ある年代以上の人であれば、きっと記憶にあるだろう。

ダイアナ妃とチャールズ皇太子が「世紀の挙式」を行ったのは1981年7月29日。そのわずか一カ月前、皇太子のポロの試合の観戦に行ったダイアナ妃が着用していたことで、このセーターは一躍有名になった。

赤地にたくさんの白羊が編みこまれ、その中にたった一匹黒羊がいる。英語では「黒羊(Black Sheep)」は単に「黒い羊」を指すだけでなく「厄介者」という意味もある。「私は家族の中で“黒羊”だった」-というような言い回しでよく使われる言葉だ。イギリスらしいユーモアを盛り込みつつ、「厄介者」であるはずの黒羊が良い差し色になっている点も楽しい。

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このセーターは、1979年にジョアンナ・オズボーンとサリー・ミュアの2人が立ち上げたニットブランド「Warn & Wondaful」のものだ。

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ジョアンナ・オズボーンとサリー・ミュア(2020年に撮影)。@warmandwonderful – instagramのキャプチャ画像。

「黒羊」の柄は創業当初からあったという。最初は緑色のセーターからスタートしたが、後に様々な色で展開していった。

 

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当時のアーカイブ写真より。@warmandwonderful – Instagramのキャプチャ画像。
 

ロンドン中心部にある観光地「コベント・ガーデン」のストール(露店)で販売を始めた2人だったが、自分たちの小さなブランドのセーターをダイアナ妃(当時はダイアナ・スペンサー)が持っていると知ったのは、セーター姿の彼女の写真が掲載された新聞を見たときだったと語っている。

ダイアナ妃の影響力はすさまじく、このセーターはその後世界中で販売されることとなった。

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@warmandwonderful – Instagramのキャプチャ画像。

公式の場で2度着用 ダイアナ妃が込めた意味とは?

ダイアナ妃はこの「黒羊セーター」を、公式の場で2度着用している。1度目は上記した1981年6月だが、2度目は1983年、1度目同様、ポロの試合の観戦時に着用した。

 


結婚して2年後のダイアナ妃。すっかり洗練された印象。隣に座って談笑しているのは、サラ・ファーガソン(後にアンドルー王子と結婚・離婚)。

1度目の着用は単にダイアナ妃が「気に入っている素敵なセーターだったから」という理由だったかもしれない。しかし「2度目の着用」については、「着用することに込めた意味があるのでは?」と誰もが考えたのではないだろうか?

「私は王室の黒羊」と社会に対して訴えたかったかどうかは定かではないものの、慣れない王室での生活、すべてが管理・制限される環境は、彼女にとってつらいものであったことは予想に難くない。

Sotherby’sのファッション&アクセサリーのグローバル責任者であるシンシア・ホールトンも「当時彼女はたくさんの(衣服にまつわる)選択肢があったはずです」
「(にもかかわらず、1度目から)2年後に再度着用しようとした決断は、彼女に大きな意味があったでしょう」とコメントしている。

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今回販売されるのは1981年着用版

実はダイアナ妃が所有していた「黒羊セーター」は2着ある。1着目は1981年に着用したものだが、その後ほどなくして袖口にほつれができてしまった。

彼女はこの「お気に入りのセーター」をお直ししたいと考え、1981年7月、秘書が「Warn & Wondaful」のオズボーンとミュアに連絡をした。2人が状態を確認した結果、新しいものと交換した方がよいと判断。2着目のセーターがダイアナ妃のもとに届けられた。このときの書簡も今回公開された。

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@CNBC-TV18 – YouTubeのキャプチャ画像。現物を「Warn & Wondaful」に送る際に添えられた、秘書からのレター。まだ挙式前に書かれたレターであるため、ダイアナ妃のことは「レディ・ダイアナ・スペンサー」と書かれている。

つまり1983年に着用したのは2枚目のセーターだ。

その後1枚目のセーターの行方は分からないままだったが、今年3月、オズボーンが自宅の屋根裏で偶然発見。箱の中に丁寧に保管されていたため、当時の状態のままだった。そして今回のオークションに繋がった。

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40年経った現在も愛される“黒羊”  落札価格はいかに…

Town & Countryを始めとしたメディア報道によると、「Warn & Wondaful」はこの「黒羊セーター」の製造を1994年で一旦終えたものの、2020年にブランド「Rowing Blazers」とのコラボで復刻した。

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メンズ・レディース共に、1着250ポンド(約4万5000円)となかなかのお値段…。@warmandwonderful – Instagramのキャプチャ画像。(撮影はLou Bever @louisbever – instagram)

 

 


マイ・ケミカル・ロマンスのボーカル、ジェラルド・ウェイは昨年ライブで着用した。

 

人気ドラマシリーズ「ザ・クラウン」のシーズン4では、ダイアナ妃役のエマ・コリンがこのセーターを着用したシーンがあった。このことからも、このセーターがいかにダイアナ・ファッションの「象徴」的存在であったのかが分かる。

現物は7月にロンドンのSotherby’sで展示された。ニューヨークではオークション中の9月8日~13日に展示される。Sotherby’s側は落札価格を「4万~7万ポンド(5万~9万ドル)」とみている。

9月14日に判明する落札価格も気になるが、その後このセーターが公開展示されるのか? 個人所有になるのか?も含め注目したい。

 【次ページ:セーター動画】しっかり「着こんだ感」がよく分かる愛用セーター

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ほつれた袖口、ヨレたタグもしっかり映っている。19歳のダイアナ妃は本当にこのセーターが好きだったのだろう。

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【画像・動画】ダイアナ妃が着用した「黒羊のセーター」がオークションに

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@Sothebys – Twitterのキャプチャ画像

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このセーターは、1979年にジョアンナ・オズボーンとサリー・ミュアの2人が立ち上げたニットブランド「Warn & Wondaful」のものだ。

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ジョアンナ・オズボーンとサリー・ミュア(2020年に撮影)。@warmandwonderful – instagramのキャプチャ画像。

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当時のアーカイブ写真より。@warmandwonderful – Instagramのキャプチャ画像。
 

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@warmandwonderful – Instagramのキャプチャ画像。

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結婚して2年後のダイアナ妃。すっかり洗練された印象。隣に座って談笑しているのは、サラ・ファーガソン(後にアンドルー王子と結婚・離婚)。

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@CNBC-TV18 – YouTubeのキャプチャ画像。現物を「Warn & Wondaful」に送る際に添えられた、秘書からのレター。まだ挙式前に書かれたレターであるため、ダイアナ妃のことは「レディ・ダイアナ・スペンサー」と書かれている。

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メンズ・レディース共に、1着250ポンド(約4万5000円)となかなかのお値段…。@warmandwonderful – Instagramのキャプチャ画像。(撮影はLou Bever @louisbever – instagram)

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マイ・ケミカル・ロマンスのボーカル、ジェラルド・ウェイは昨年ライブで着用した。

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ほつれた袖口、ヨレたタグもしっかり映っている。19歳のダイアナ妃は本当にこのセーターが好きだったのだろう。