誰もがゲームで稼げる時代がすぐそこに。「クリエイターエコノミー」がさらに拡大する

  • 編集&文:佐野慎悟
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気になる未来の姿に迫った、Pen最新号『2033年のテクノロジー』。その中から、さらに加速する、クリエイターエコノミーの記事を、抜粋して紹介する。

Pen最新号は『2033年のテクノロジー』。AIの進化でどう変わる!? モビリティ、建築、アート、ファッション、食&農業、プロダクト、ゲーム、金融と8つのジャンルで2033年の、そしてさらなる未来のテクノロジーを占った。気になる未来の姿に迫る。

『2033年のテクノロジー』
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加速度的な進化を続けるゲームの世界は、未来を変えるディープテックの揺りかごだ。ゲームやエンタメの最新事情に詳しいnoteプロデューサーの徳力基彦が、今後ゲームが巻き起こすであろう3つの事象を予見する。

徳力基彦

Motohiko Tokuriki
noteプロデューサー/ブロガー

1972年、山口県生まれ。noteプロデューサーとして、ビジネスパーソンや企業における、noteやSNS活用のサポートを行う。ゲーム、エンタメ、ハイテク、SNSなど、世の中の動向を俯瞰で捉えながら、幅広いメディアを通じて鋭いインサイトを発信し続けている。

 

人気クリエイターに、ゲームが配当金を支給

 

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フォートナイト
エピックゲームズ
「アンリアル・エディター・フォー・フォートナイト」で作成されたコンテンツ。それぞれが独立したゲームとして楽しめる。タイムアタック、謎解き、陣取りなど、ルール設定も自由自在に編集可能。

 

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アバターを好みの姿にデザインすることも、現代のゲームでは非常に重要な要素。

現在、世界のゲームプレイヤー人口は37億人に達すると言われ、かつて子どもたちの遊び道具と考えられていたゲームは、いまや世の中を力強く牽引する、グローバルなリーディングインダストリーへと変貌を遂げている。いま現在ゲームの世界で繰り広げられている事象の数々に目を向ければ、未来を予測するヒントはいたるところに隠されているはずだ。

徳力さんがまず指摘したのは、SNSや動画共有サイトから火がついたクリエイターエコノミーが、ゲームの世界でさらに大きな流れを生み出そうとしている点だ。

「誰もがコンテンツや商品をつくり、好きな時に、自分に合った場所で、発表をしたり、販売をしたり、自由に情報発信をできる現代は、すべての人がクリエイターとなりうる時代といえます。それによって形成される経済圏が、クリエイターエコノミーです」

少し前までは、そういう活動で収益を上げられるのは、莫大な数のフォロワーを抱えた著名人やインフルエンサーたちに限られていたが、ゲームのクリエイターエコノミーでは、必ずしもそうとは限らないと徳力さんは強調する。

「その一例と言えるのが、世界に4億人のユーザーがいるオンラインゲームの『フォートナイト』を提供するエピックゲームズが、3月に発表した『アンリアル・エディター・フォー・フォートナイト(以下、UEFN)』と、『クリエイターエコノミー2・0』です」

UEFNは、「フォートナイト」のプラットフォーム上にオリジナルのメタバースを開発し、コンテンツとして公開できるPCアプリケーション。そして「クリエイターエコノミー2・0」は、「フォートナイト」のアイテムショップ、および関連する現金での購入から得られた純収入の40%がプールされ、毎月条件を満たしたコンテンツの作成者全員に対して、その人気度合いに応じた配当金として分配されるシステムだ。

「これまでは大きな企業や団体が経済を動かしてきましたが、これからは、個人の能力やセンスに価値が見出され、そこに企業やオーディエンスが集まっていく時代です。10年後にはこのクリエイターエコノミーがさらに社会に浸透して、我々のようなごく普通の一般人の間でも、ゲームのプラットフォームを利用して、毎月副収入を得ることが珍しくない世の中になっているはずです」

面白いゲームをつくれる人、お洒落な人、歌がうまい人、話が面白い人、声がいい人、絵が描ける人……。そこに人が集まれば、なにかしらの収益が付いてくる未来。クリエイターエコノミーの可能性は、いま無限大に広がっている。10代でも、80代でも変わりはない。“クリエイター〟になるか否かは、自分次第だ。

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プレイヤーの個性が、物語を生んだ12日間

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ラスト
フェイスパンチスタジオ

サバイバルFPS「ラスト」で開催されたイベント「VCRラスト」では、人気クリエイターたちが特技を活かして交流とサバイバルを楽しみ、12日間にわたって実況プレイを配信。漫画家のしろまんたが描いた各プレイヤーの似顔絵が話題となり、後日現実世界でも販売された。SANNINSHOWの配信画面/© Facepunch

個人が世界を動かす、クリエイター時代の象徴

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デス・ストランディング

コジマプロダクション

ゲームクリエイターとして「メタルギアシリーズ」を世界的にヒットさせた小島秀夫監督が、独立後に自身のプロダクションで製作したタイトル。インディペンデントなプロジェクトにもかかわらず大規模な資金調達に成功した大作で、世界中でヒットを記録し高い評価を得た。

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© 2019 Sony Interactive Entertainment Inc. Created and developed by KOJIMA PRODUCTIONS.

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