気になる未来の姿に迫った、Pen最新号『2033年のテクノロジー』。その中から、さらに加速する、クリエイターエコノミーの記事を、抜粋して紹介する。
Pen最新号は『2033年のテクノロジー』。AIの進化でどう変わる!? モビリティ、建築、アート、ファッション、食&農業、プロダクト、ゲーム、金融と8つのジャンルで2033年の、そしてさらなる未来のテクノロジーを占った。気になる未来の姿に迫る。
『2033年のテクノロジー』
Pen 2023年9月号 ¥880(税込)
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加速度的な進化を続けるゲームの世界は、未来を変えるディープテックの揺りかごだ。ゲームやエンタメの最新事情に詳しいnoteプロデューサーの徳力基彦が、今後ゲームが巻き起こすであろう3つの事象を予見する。
徳力基彦
Motohiko Tokuriki
noteプロデューサー/ブロガー
1972年、山口県生まれ。noteプロデューサーとして、ビジネスパーソンや企業における、noteやSNS活用のサポートを行う。ゲーム、エンタメ、ハイテク、SNSなど、世の中の動向を俯瞰で捉えながら、幅広いメディアを通じて鋭いインサイトを発信し続けている。
人気クリエイターに、ゲームが配当金を支給
現在、世界のゲームプレイヤー人口は37億人に達すると言われ、かつて子どもたちの遊び道具と考えられていたゲームは、いまや世の中を力強く牽引する、グローバルなリーディングインダストリーへと変貌を遂げている。いま現在ゲームの世界で繰り広げられている事象の数々に目を向ければ、未来を予測するヒントはいたるところに隠されているはずだ。
徳力さんがまず指摘したのは、SNSや動画共有サイトから火がついたクリエイターエコノミーが、ゲームの世界でさらに大きな流れを生み出そうとしている点だ。
「誰もがコンテンツや商品をつくり、好きな時に、自分に合った場所で、発表をしたり、販売をしたり、自由に情報発信をできる現代は、すべての人がクリエイターとなりうる時代といえます。それによって形成される経済圏が、クリエイターエコノミーです」
少し前までは、そういう活動で収益を上げられるのは、莫大な数のフォロワーを抱えた著名人やインフルエンサーたちに限られていたが、ゲームのクリエイターエコノミーでは、必ずしもそうとは限らないと徳力さんは強調する。
「その一例と言えるのが、世界に4億人のユーザーがいるオンラインゲームの『フォートナイト』を提供するエピックゲームズが、3月に発表した『アンリアル・エディター・フォー・フォートナイト(以下、UEFN)』と、『クリエイターエコノミー2・0』です」
UEFNは、「フォートナイト」のプラットフォーム上にオリジナルのメタバースを開発し、コンテンツとして公開できるPCアプリケーション。そして「クリエイターエコノミー2・0」は、「フォートナイト」のアイテムショップ、および関連する現金での購入から得られた純収入の40%がプールされ、毎月条件を満たしたコンテンツの作成者全員に対して、その人気度合いに応じた配当金として分配されるシステムだ。
「これまでは大きな企業や団体が経済を動かしてきましたが、これからは、個人の能力やセンスに価値が見出され、そこに企業やオーディエンスが集まっていく時代です。10年後にはこのクリエイターエコノミーがさらに社会に浸透して、我々のようなごく普通の一般人の間でも、ゲームのプラットフォームを利用して、毎月副収入を得ることが珍しくない世の中になっているはずです」
面白いゲームをつくれる人、お洒落な人、歌がうまい人、話が面白い人、声がいい人、絵が描ける人……。そこに人が集まれば、なにかしらの収益が付いてくる未来。クリエイターエコノミーの可能性は、いま無限大に広がっている。10代でも、80代でも変わりはない。“クリエイター〟になるか否かは、自分次第だ。
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プレイヤーの個性が、物語を生んだ12日間
個人が世界を動かす、クリエイター時代の象徴
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