CHAIとSTUTSがiPadを使って即興リミックスを披露! Apple表参道の「Today at Apple」に気鋭クリエイターが出演

  • 文:林信行

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6月28日にApple表参道で行われたイベント「Today at Apple」。CHAIのメンバーとSTUTSが登場した。

誰でもコンプレックスに感じているところはあるけれど、そうやって感じている部分も含めて本当はみんながかわいい ——そんな想いを込めて生み出したことば「NEOかわいい」で世界の共感を得ているのが、ニュー・エキサイト・オンナバンド(NEO)を標榜するCHAIだ。

2018年にアメリカの老舗インディーズ・レーベル、SUB POPと契約。活動10周年を迎えた昨年は北米に加え南米・メキシコツアーも行ったが、その勢いはまだまだ止まらない。

6月1日には、東京で開催された「CHANEL2022/23年メティエダール コレクション」のアフターパーティーでミニライブを披露して会場を盛り上げた。実はこの時、CHAIのメンバーの気持ちもかなり高揚していたようだ。 

「ファッションショーを生で見るのは初めて。CHAIを始めた当初からファッションショーのステージで演奏するのが一つの夢でした。それが叶ったのがとても嬉しい。しかも、CHANELという女性が憧れるブランドで」。

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「Today at Apple」は、世界各地のApple Storeで日々行われているイベント。写真やビデオ、音楽、プログラミング、アート&デザインなど幅広いテーマの講座を受けられる。

6月28日、Apple 表参道で行われたイベント「Today at Apple」で、CHAIのボーカルとギターを担当するカナさんは当日の興奮をこう振り返った。

この日のイベントテーマは「CHAIとSTUTSが魅せるクリエイティブな出会い」。シャネルのメディエダールコレクションからインスピレーションを受けたCHAIのメンバーと音楽プロデューサー・トラックメーカーのSTUTSさんが、約1時間にわたりトークとパフォーマスを繰り広げた。

二組ともApple 表参道のような会場でファンを前にしてトークをするのは初めてだということで、イベント開始前から長い行列ができていた。

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二組とってコラボレーションとは?

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左からCHAIのメンバーのカナさん(ボーカル/ギター)、ユウキさん(ベース)、ユナさん(ドラム/コーラス)。4作目アルバム『CHAI』9月22日に全世界同時リリース予定。

イベントのテーマである「出会い」や「コラボレーション」の醍醐味ついて、二組はそれぞれどう考えているのか? CHAIと言えば、これまでにもゴリラズやデュラン・デュランなど海外の大物アーティストをはじめ、さまざまなコラボをしてきたが…。

「他のクリエイターとコラボすると、自分たちだけでは辿り着かない新しい発見があるし、自分の考えにはないものや気づきが一気に生まれてくるから、めちゃくちゃ楽しい」と、カナさんは言う。

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トラックメイカー、音楽プロデューサー、MPCプレイヤーのSTUTSさん。6月23日には“90 Degrees” LIVE at 日本武道館を成功させた。

一方、これまでプロデューサーとして国内外のアーティストと仕事をしてきたSTUTSさんも、「相手の方から出てくるアイディアと自分のつくったものが交わった結果、時に想像もしてなかったことが起こる。それが楽しいです。海外の方ともコラボレーションをしていますが、言語を越えたところで繋がれる感覚が好きです」と共感していた。

実は、CHAIとSTUTSも既にコラボをしている。

2022年2月にCHAIの楽曲「Nobody Knows We Are Fun」をよりムーディーに仕立てたという”STUTS Remix”が公開。「前からファンだった」というCHAIからラブコールを送ったという。

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Apple製品で即興のリミックスを披露

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iPad ProやiPhone、Logic ProなどのAppleの製品や音楽制作ソフトを使って、その場でリミックス作業を披露した

イベント後半ではそんな両者が、実際に観客が見ている目の前で楽曲をリミックスしてくれることに。「Nobody Knows We Are Fun」の素材をベースに、新たな要素を入れながら楽曲をアレンジしていく。

ここでSTUTSさんがリミックスに使ったのは、iPad Proと5月に発表されたばかりのiPad版アプリ「Logic Pro」。「実は昨日インストールしたばかり」と言うが、「すごく使いやすい」と驚いていた。

まずはCHAIのドラム/コーラス担当にユナさんが、用意されていたいくつかの打楽器からカウベルを選び、ビートに合わせて演奏。続いてカナさんがギターのフレーズを演奏した。

それらをSTUTSさんが自分のiPhoneで録音。使ったのは特殊なアプリではなく、iPhoneに標準でついている録音アプリの「ボイスメモ」だ。

「海外の音楽プロデューサーでも、ボイスメモを使用する人は意外と多いです」と言う。

録音した音声は、STUTSさんのiPhoneからiPad ProにAirDrop(Apple機器同士のファイル転送機能)で転送され、さらに来場者の手拍子や「Hey」というかけ声も加えられることになったが、iPad Proの画面を見ながら音程やサンプリング音の挿入位置を微調整。わずか30分の間にリミックスを完成し、披露してみせた。

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リミックスの傍ら、イラストを描くユウキさん。

これだけでも滅多に見れないコラボだが、STUTSさんとCHAIのカナさん、ユナさんがリミックスを作成している間、ベース担当のユウキさんは自身のiPad Proで、愛用の描画アプリ「Procreate」とApple Pencilを使って、今回のコラボをイメージしたアルバムカバー風のイラストを描いていた。描き初めから完成までの様子が、その場でタイムラプスアニメーションで披露された。

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最後にリミックスされた曲とイラストを披露し、会場は大いに盛り上がった。

1時間のイベントの後半30分間で披露された、注目の2組による濃密なコラボ。

「とても楽しかったけれど、会場の皆さんを置いてけぼりにしていなかったかが心配です」とSTUTSさんが言うと、会場からは十分イベントを楽しんだと示す喝采があがった。

CHAIのメンバーも「リミックスをしているところを間近で見ることはなかなかない」と感動した様子だった。