亡くなったペットを液体にする、新しい葬法「アクアメーション」とは?

  • 文:佐藤まきこ
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「アクアメーション」と呼ばれる葬法をご存知だろうか。遺体を特殊な液体に浸し分解するもので、ペットの葬儀方法としてアメリカ全州やカナダで合法化されている。火葬に比べて二酸化炭素の排出が少ないことから、主に環境に配慮したいと考える人々などの間で、大切なペットが亡くなったときの葬送のひとつのかたちとして注目を集めている。

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写真はイメージ(iStock - OlenaKlymenok)

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20時間で骨だけに分解するアクアメーション

「アクアメーション」は、遺体や遺骨を川、海に葬る「水葬」とは異なり、アルカリ性の液体に浸すことで遺体を分解し骨だけが残る遺体処理の仕方で、アルカリ加水分解法とも呼ばれる。アメリカのシアトルでアクアメーションを行っているResting Waters社のウェブサイトによると、従来、自然界で数カ月から数年かけて有機物が自然分解していくプロセスを、この方法ではわずか20時間で行うという。

残った液体には糖、アミノ酸などが含まれているが、化学療法で使われた薬などの化学物質やウイルスなどが無毒化され、安全性が高い排水として処理できるそうだ。遺骨は、骨壺に入れて持ち帰ることができる。

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二酸化炭素排出量とエネルギー量を大幅減

アクアメーションの魅力は、自然分解に近いナチュラルなプロセスで遺体を処理できることだ。火葬では大量の二酸化炭素が排出されることから温暖化につながることが懸念されているが、アクアメーションなら排出される二酸化炭素の量を大幅に減らし、使用するエネルギーも少なく済む。

環境を考慮して二酸化炭素の排出を抑えたいという人々に人気の「アクアメーション」。ペットの葬法としてはアメリカ全州とカナダで認められている。また、人間の場合でもカリフォルニア州、フロリダ州、ハワイ州など、28の州で合法化されている。

Resting Waters社ではペットのアクアメーションにのみ対応している。料金はペットの大きさにより異なり、140ドル(約20,000円)から。151ポンド(68kg)以上の大型のペットなら550ドル(約78,000円)だ。

日本ではまだ広く知られていないが、環境にも配慮された新しい葬法として、将来的に広まっていくかもしれない。

https://nypost.com/2023/06/15/you-can-now-liquify-your-dead-pet-instead-of-burying-it-in-backyard/
https://restingwaters.com/

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