現在、SETI(地球外知的生命体探査)テストが進行中だ。このプロジェクトは、地球外生命体からの接触に備え、天文学者が宇宙人と交信するための事前練習である。
5月24日、ヨーロッパの火星探査機が、火星から地球に暗号化されたメッセージを発信。その16分後、このメッセージは地球の3ヶ所の大きな電波望遠鏡で受信された。現在、研究者が暗号を解読中だ。
このプロジェクトは、カリフォルニア州マウンテンビューのSETI研究所と、ウェストバージニア州のグリーンバンク天文台のDaniela de Paulis氏が率いる数週間のプロジェクト「A Sign in Space宇宙のサイン」である。
SPACE.comなどによると、「地球外文明からのメッセージを受け取ることは、全人類にとって深い変容をもたらす体験となるでしょう」とDaniela de Paulis氏は声明で述べている。このプロジェクトで具体的にリハーサルすることで、地球外生命体とコミュニケーションをとる未来に向けて準備する機会を提供。あらゆる文化や分野を超えたグローバルなディスカッションを期待している。
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メッセージは、解読されるまで誰にもわからない
信号を受け取った3つの電波望遠鏡は、グリーンバンク天文台、カリフォルニア州北部にあるSETI研究所のアレン・テレスコープ・アレイ、イタリア国立天体物理学研究所が管理するイタリア北部のメディチーナ電波天文台だ。今後、各施設の研究者が信号を処理し、解読結果を公開する。この実験は、どのように協力して地球外シグナルの受信、処理、分析、意味の理解を行うかを世界が知る機会である。同時に、この難題を解決するための最初の一歩になると考えている。
The New York Timesは、「あなたもジョディ・フォスターになれるかもしれません」と表現し、1997年の映画『コンタクト』を引き合いに出した。映画の中で米女優ジョディ・フォスターは、SETIを研究する天文学者エリナー・アロウェイ役を演じ、宇宙からのエイリアンの電波を感知。やがてアロウェイ博士は、死んだ父親の姿をして現れた宇宙人と交信。超空間を旅することとなる。今回の火星からの暗号化されたメッセージは、「惑星間のパフォーマンスアートであり、天文学者がいつか実現させたいと願っているイベントのリハーサルです」と盛り上げた。
「宇宙のサイン」のプロジェクトチームは、さまざまなバックグラウンドを持つ人が信号を研究し、その解読に挑戦することを望む。誰でも暗号信号をオンライン上からダウンロードでき、一般の人にも信号の解読に挑戦を促した。
SNS上には「夢がある!」「おもしろい!」「データは4GB以上あるのでダウンロードに注意」など、興味関心を寄せる声が上がっている。
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'Alien' signal beamed to Earth from Mars in SETI test https://t.co/mdeDnpdxzB pic.twitter.com/JYjhi26aNo
— SPACE.com (@SPACEdotcom) May 24, 2023
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https://twitter.com/spacedotcom/status/1661462197682294784?s=61&t=ELb8si9QXhuW0wX4IaHaNg
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