ビルの間に日が沈む!大都会がつくり出した天文現象“マンハッタン・ヘンジ”が、見物客で大盛況

  • 文:山川真智子
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夏至の日のストーンヘンジ。

夕日がニューヨークのマンハッタンの道路沿いに並ぶビルとビルの間に、ぴったりと重なって沈んでいく。この不思議な現象は、 “マンハッタン・ヘンジ”と呼ばれ、1年に4回しか見られない。5月29日と30日の夕方には、スマホやカメラを抱えた大勢の人々がマンハッタンに繰り出し、大都会ならではの天体ショーに魅了された。

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摩天楼はストーンヘンジ?大都会と太陽の絶妙コラボ

 “マンハッタン・ヘンジ”は、摩天楼と碁盤の目状の通りを持つマンハッタンならではの現象だ。日没のころに、マンハッタンの東西方向に走る通りのどこかに立つと、太陽がその通りの中央線に沿って、ハドソン川のあるニュージャージー州側に沈んでいく光景が見られる。ビルに挟まった太陽は、赤やピンクの光を通りに放ち、荘厳な雰囲気を醸し出すとニューヨークの情報サイト、ゴッサミストは解説している。

“マンハッタン・ヘンジ”という呼び名は、先史時代に造られたイギリスにある垂直の大きな岩の輪、“ストーンヘンジ”にちなんだものだという。夏至の日には太陽が石の一部とぴったりと重なるように昇る様子に、マンハッタンの太陽がよく似ていることからつけられた。

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スマホとともに見物客繰り出す!新たな観光資源に

マンハッタンならではの天体ショーの今年の始まりは、5月29日の午後8時13分で、この日は太陽の半分が道路の端に沈んだ。翌日30日の午後8時12分には、太陽全体が道の真ん中に沈む様子が見られた。短時間で終わってしまうため、多くの人々が見学に最適な場所目指して押し寄せたという。

CNNによれば、場所取りするならマンハッタンのなるべく東側のほうが良いということだ。特に適しているのは、14丁目、23丁目、34丁目、42丁目、57丁目で、マンハッタンではなく、クイーンズ区でも良く見える場所があるという。

ソーシャルメディア上には、「撮れた!」という画像や映像が続々と投稿されており、地元民だけでなく、観光客にもエキサイティングなイベントとなったようだ。

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チャンスは7月に再到来!次回も大賑わいの予感…

 “マンハッタン・ヘンジ”は2000年代から知られるようになった現象で、イベントとして年々注目を集めるようになった。残りの2回は7月中旬にも見られるため、今回見逃した人にもチャンスはあるということだ。

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5月29日の日没の様子。
 

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ビルの間に浮かぶ幻想的な太陽を捉えた画像。

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高層ビルの間に現れた太陽。

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42丁目で撮影する人々。

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とにかくカメラに収めようとする人々の様子。

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道路に立ち止まり、眺めたり撮影したりする人々も。交通渋滞も起こった模様。

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実は次の“マンハッタン・ヘンジ”までに、太陽の位置は高いものの、似たような状況が観測されるという、天文物理学者のツイート。