デザインの未来を切り拓く、新たな扉が開かれる。『JAGDA新人賞展2023』が開催中!

  • 文・写真:はろるど

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3020 『JAGDA新人賞展2023』会場入口横パネルより

1978年に発足した公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(略称JAGDA)。グラフィックデザインの発展と普及、また社会的地位の向上を目的とするJAGDAは、現在、トップクリエイターをはじめとする約3000名ものメンバーを抱え、アジア最大規模のデザイン団体として活発な活動をおこなっている。年鑑『Graphic Design in Japan』の発行、展覧会やセミナーの開催からデザイン教育、また公共デザインや地域振興への取り組み、さらに国際交流など、デザインによるコミュニケーション環境の向上のために日々尽力している団体だ。

この年鑑『Graphic Design in Japan』の出品者の中より、今後の活躍が期待される39歳以下の有望なグラフィックデザイナーに授与されるのが『JAGDA新人賞』だ。1983年の創立以来、デザイナーの登竜門としてデザインや広告関係者の注目を集め、原研哉や佐藤卓、また佐藤可士和に色部義昭といった、いまや第一線で活躍する122名のデザイナーを輩出している。そして第41回目となる今回は、新人賞対象者140名の中から厳正な選考の結果、石塚俊、藤田佳子、矢後直規の3名が選ばれた。

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『サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場』 2022年 AD+D:藤田佳子

 

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グランスタ『ふくらむちゃん』 2016~2021年 AD+D:藤田佳子

現在、東京・銀座のクリエイションギャラリーG8にて行われている『JAGDA新人賞展2023 石塚俊・藤田佳子・矢後直規』では、受賞した3名のポスターやプロダクトなどを中心に、受賞作品や近作を見ることができる。このうちサントリーの『水と生きる』の新聞広告で東京アートディレクターズクラブの『ADC賞』(2020〜2021年度)を受賞した藤田佳子は、金沢のホテル『香林居』や『サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場』のブランディングなどを展示している。このほかにも東京駅のグランスタ『ふくらむちゃん』など、「一度は見たことがあるかも?」と思うような親しみのあるデザインも少なくない。

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『JAGDA新人賞展2023』 石塚俊 作品展示風景

 

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『太田莉菜の不在』 2022年 絵:矢後直規

2019年より自身のスタジオ/プロジェクトスペース「ピープル」を運営する石塚俊は、現代美術や舞台、音楽、ファッションの分野において、宣伝美術や書籍装丁、それにディスプレイデザインなどを制作。またSIXに所属する矢後直規は、ラフォーレ原宿の広告やCharaといった人気アーティストのCDジャケット、さらにJALグループのLCC「ZIPAIR」のコンセプト開発からグラフィックデザインなどを担うなど、ともに幅広く活動している。いま、最もタイムリーで精力的に制作を行う気鋭のデザイナーたちの仕事から、未来へのデザインの可能性を感じとりたい。

『JAGDA新人賞展2023 石塚俊・藤田佳子・矢後直規』
開催期間:2023年4月18日(火)~5月27日(土)
開催場所:クリエイションギャラリーG8 
東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F
TEL:03-6835-2260
開館時間:11時~19時 ※5月11日(木)は18時半まで
休館日:日曜、4月29日(土)~5月7日(日)
入場無料
http://rcc.recruit.co.jp/g8