ボルボといえばステーションワゴンという鉄板のイメージがある。240エステートにはじまる四角くて堅牢なボルボのステーションワゴン、エステートシリーズは“ヤングタイマー”と呼ばれる比較的、新しい世代のクラシックカーとしても根強い人気を誇る。
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フジロック(フェスティバル)なんかの野外フェスに、20代とおもわれるカップルが赤い940エステートで乗りつけていたりすると、とても素敵。個人的にも年をとるほど「旧いエステートシリーズは若い世代にこそ乗って欲しい」という持論になりつつあり、「じゃぁ40代以降のナイスミドルが乗るべきは?」と訊かれたら最新の「Vシリーズにするべき」と即答したいのね(笑)。
2016年にデビューしたXC90を皮切りに、ボルボのデザインと乗り味はがらりと変わった。自分たちの存在意義は何かを再考し、スウェーデンでしか作れない高級車をつくる決心をしたのだ。挑戦から生まれたXC90は世界中で成功を収め、V90やV60の誕生に結び付いて、ボルボらしさがはっきりわかるようになった。
そのボルボらしさとは道や季節、フィールドを選ばないオールコンディションでの上質さと快適さだとおもう。たとえば、このV90は違いがわかる大人が乗る上級ステーションワゴンですよ。大型犬を連れて旅行もしたいし、季節を問わずキャンプやアウトドアスポーツにも行ける。長距離移動の高速や街乗りはより快適。SUVとは「違い」を見せたいって向きにぴったり。
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PHEVで進化する旗艦ワゴン
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ファイナルアンサーを感じる、内燃機関の進化
V90はさすが旗艦車種という走りだけど、カジュアルにアウトドアと都市をつなぐならハイブリッドのV60アルティメットB4もお薦め。ワンペダルドライブはないし、プラグインハイブリッドほど次世代を感じさせる走りでもない。とはいえミラーサイクルエンジンとマイルドハイブリッドシステムの組み合わせは、いわばボルボからの内燃機関に対する「わすれなぐさ」だといえる。
新開発された7速DCTと組み合わせ、軽快にフィールドを駆ける猟犬のような走りは、内燃機関の進化を極めたボルボ・ステーションワゴンのフィナーレを飾るにふさわしい。電動化のレベルが上がるにしたがって、重量をより高級感につなげるために硬めに仕上げられた足回りと違って、V60ハイブリッドの足回りは横方向の揺れを許容し、ばね下重量を感じさせずに、しなやかにコーナリングする。
走行距離を伸ばすためのバッテリーを積んだ電動化と、あくまでも内燃機関をアシストするハイブリッドの違いは、足回りに表れているのね。このV60は自社製ダンパーで充分に快適な足回りだったけど、さらに減衰力を22段階で調整できるオーリンズ製ショックアブソーバーを搭載したポールスターエンジニアードという上位モデルがある。
先に紹介したV90と同じプラグインハイブリッドシステムを採用し、大幅な出力アップとともにバネサスの律動をステアリングから感じられる、趣味人の極みといえる一台。このモデルに至っては、完ぺきに“アガリの一台”として長く記憶されるはずだ。
Volvo V90 Recharge Ultimate T8 AWD プラグインハイブリッド(デニムブルー)
サイズ(全長×全幅×全高):4945×1880×1475㎜
エンジン:直列4気筒ターボ+デュアルモーター
排気量:1968cc
エンジン最高出力:317PS/6000rpm
エンジン最大トルク:400Nm/3000-5400rpm
フロントモーター最高出力:71PS/3000-4500rpm
フロントモーター最大トルク:165Nm/0-3000rpm
リヤモーター最高出力:145PS/3280-1万5900rpm
リヤモーター最大トルク:309Nm/0-3280rpm
駆動方式:AWD(フロントエンジン4輪駆動)
車両価格:¥10,090,000
問い合わせ先/ボルボ・カー・ジャパン
www.volvocars.com/jp
Volvo V60 Ultimate B4(ブライトダスク)
サイズ(全長×全幅×全高):4780×1850×1435㎜
エンジン:直列4気筒ターボ+ハイブリッド
排気量:1968cc
エンジン最高出力:197PS/4750-5250rpm
エンジン最大トルク:300Nm/1500-4500rpm
モーター最高出力:13.6PS /3000rpm
モーター最大トルク:40Nm/2250rpm
駆動方式:FF(フロントエンジン前輪駆動)
車両価格:¥6,590,000
問い合わせ先/ボルボ・カー・ジャパン
www.volvocars.com/jp
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