「マヤ文明の妖精をとらえた…」メキシコ大統領による、大マジメな“怪奇”画像付きツイートが話題に

  • 文:宮田華子

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@lopezobrador_ - Twitterのキャプチャ画像

暗闇の中で撮影されたと思われる1枚の写真。そこには木の上にたたずむ “人影らしきもの”が写っており、白く光る2つの目はカメラの方を見つめている。

今年2月25日にツイートされたこの画像は、一見「ありがち」な怪奇写真の類に見える。現在までに1,013.2万件表示され、4.5万の「いいね」を獲得している。バズりとしてはそこそこ程度の数字だが、にもかかわらずこのツイートは各国メディアで報道されている。

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イギリス大手メディア「Sky」もこのツイートについて報道した。

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これには理由がある。実はこのツイートは、現職のメキシコ大統領によるものだからだ。

2018年12月からメキシコ大統領を務めているアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール氏(69歳)。2枚の写真を添付したこのツイートで、下記のようにコメントしている。

「マヤ鉄道(建設)管轄地の2枚の写真をシェアします。1枚は3日前にエンジニアが撮影した、明らかに“アルーシュ”の写真、もう1枚はディエゴ・プリエトが撮影したエク・バラム遺跡にあるヒスパニック以前に作られた素晴らしい彫刻の写真です。すべてが神秘的です」(※筆者訳)

“アルーシュ”とはマヤ文明の伝説に登場する小さな妖精だ。森や野原に住み、エルフ(小人)に似た小さくていたずら好きの妖精と言われている。

Sky Newsによると、アルーシュは信仰の対象でもあり、いたずらを鎮めるためにお供えものを置くこともあるそうだ。マヤ鉄道とは、ロペス・オブラドール政権で建設が進められている観光鉄道である。ユカタン半島にあるカンクンやトゥルム等の観光地を結ぶ計画であり、2023年末の運行を目指している。

 


メキシコの5州を走る予定のマヤ鉄道。

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ユカタン半島は300~900年、古代マヤ文明が最盛期を迎えた地域である。Guardianの報道によるとロペス・オブラドール大統領は以前から先住民の文化や信仰に敬意を表しており、マヤ鉄道はそんな大統領の肝煎りプロジェクトだ。しかしこの鉄道建設は環境保護と貧困地域住民の格差是正の観点から、賛否両論あることでも知られている。

 


経済と環境、2つの面からマヤ鉄道建設について解説したロイヤー通信の記事。インパクトのある写真が多数掲載されている。

ロペス・オブラドール大統領がツイートした画像について、本当に「妖精をとらえた写真」と信じているのか、鉄道建設を後押ししたいという想いからマヤ文明の「神秘性」を強調したかったのかは定かではない。しかし各国でこのツイートが報道された後も大統領はツイートを削除していない。

真相はアルーシュのみが知っているのだろう。

次ページ:マヤ鉄道建設を動画で確認。

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4年前にマヤ鉄道が配信した計画概要を解説する動画。自動生成による字幕(英語または日本語)を設定すると大体意味は理解できる。確かに観光客には便利な鉄道になるだろう。

 

 

マヤ鉄道建設による環境破壊の危険性を取材した動画(英語字幕付き)。

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【画像】「これはマヤ文明の妖精です」メキシコ大統領による、大マジメな画像付きツイートが話題

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@lopezobrador_ - Twitterのキャプチャ画像

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イギリス大手メディア「Sky」もこのツイートについて報道した。

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メキシコの5州を走る予定のマヤ鉄道。

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経済と環境、2つの面からマヤ鉄道建設について解説したロイヤー通信の記事。インパクトのある写真が多数掲載されている。

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次ページ:マヤ鉄道建設を動画で確認。

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4年前にマヤ鉄道が配信した計画概要を解説する動画。自動生成による字幕(英語または日本語)を設定すると大体意味は理解できる。確かに観光客には便利な鉄道になるだろう。

 

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マヤ鉄道建設による環境破壊の危険性を取材した動画(英語字幕付き)。