1日の大半は習慣で行動している? お金が貯まらない人の悪い習慣5選

  • 文:川畑明美

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人間の日常生活における行動の43%は、習慣的に行われていることをご存じだろうか? 心理学者ウェンディウッド氏の研究で明らかになった。1日の大半の行動が習慣に支配されているのならば「良い習慣」で毎日を積み重ねるか、「悪い習慣」を毎日を積み重ねるのかで人生に大きな違いがでてくる。

特にお金が貯まらない人は、お金が貯まらない行動をしている。その行動が習慣化しているからお金が貯まらないのだ。悪い習慣を正さないでいると、お金に困った人生を歩むことになってしまう。特に次に紹介する5つの習慣がある方は要注意だ。

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お金が貯まらない習慣その1 
収支を把握していない

その月の収入がいくらあって、何にいくら使ったのかを把握していないのは、お金が貯まらない人の典型的な特徴だ。収支(収入と支出)を把握する習慣をつけなければならない。収入は、毎月の給与や賞与の支給額から税金や社会保険料を引いた、手取り収入を基準にする。

お金の流れである収支を把握していないのは、穴の開いたバケツに水を入れているようなものだ。バケツの穴はいくつあるのか? 穴の大きさはどのくらいなのか? それがわかっていないから、バケツになみなみと水を溜めようと思っても永久に水が溜まることがないのだ。

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お金が貯まらない習慣その2 
公的保障を把握していない

次に自分が受けられる「公的保障」について調べないのも悪習慣だ。公的保障とは、国が運営する社会保障制度のこと。あなたが納める保険料と税金によって賄われている。具体的には、医療保険と労働保険、介護保険と年金保険になる。

働き方によって加入している社会保険は違うが、会社員だったら病気で病院に行っても健康保険で原則医療費の自己負担は3割で済む。また高額療養費制度によって、自己負担限度額を超えた分は、後で払戻される。傷病手当もあるので病気などで休業して報酬がもらえないときも標準報酬日額の3分の2が支給される。出産一時金や出産手当金も医療保険から支給される。医療保険の制度をよく理解していれば民間の医療保険が必要かどうかもわかるのだ。

また、業務上か通勤による病気やケガだったら労災保険から療養給付が受けられる。労働保険には、労災保険と雇用保険の2種類がある。雇用保険は退職後、次の就職先を探している間に求職者給付がもらえたり教育訓練の給付がある。介護保険では、要介護状態になった時に自己負担金は決められた限度額以内ならば1割で済む。そして年金保険は、老後の生活には欠かせない収入源だ。いくら年金がもらえて、いくら不足するのかを知らないでいると、あなたに必要な老後資金がいくら必要なのかもわからない。お金が貯められない人は、公的保障を把握しておらず民間の保険に入り過ぎている可能性が高い。

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お金が貯まらない習慣その3 
コンビニでおにぎりを買う

小腹がすいたからコンビニでおにぎりを買う。実は、筆者はそれができない。原価を考えるとおにぎりは購入できないのだ。ブランド米でも1kgは1000円しないで購入できる。お米1kgでおにぎりは約21個くらい作れるのだ。1kgが1000円だったとしても約47円。1Kg 800円だったら約38円だ。コンビニのおにぎりも100円では購入できないのだから、かなりの割高なのだ。

まさに「ちりも積もれば山となる」習慣だが、一度に支払う金額は少額でも1週間、1ヶ月、1年と続けていけば大きな金額になってしまう。まず1週間分のレシートやお金の記録の各項目の額を50倍(4週間×12ヶ月)にしてみよう。それが年間に支払う、おおよその金額だ。項目ごとに見ていくと、お金の使い方を考え直すきっかけになる。

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お金が貯まらない習慣その4 
ストレス発散はお金を使うこと

お金を使うことこそが「ストレス発散」と思っていないだろうか。それではストレスが溜まるごとに、お金が減っていくことになってしまう。お金をかけないストレス発散方法を探してみよう。ストレスが溜まったら休息をとることが最も効果的だ。

また、頑張った自分へのご褒美も同様だ。悪いことではないが、頻繁にご褒美支出をしていては、ムダ使いになりかねない。小さなご褒美をたくさん作るよりも満足する1つを作ってみよう。ご褒美は1点豪華主義の方が結果的に安く済む。お金を使うよりも「自分のための時間」をつくるようにするのも効果的だ。

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お金が貯まらない習慣その5 
仕事の帰りに寄り道

これはとても危険な習慣だ。コンビニなどはポイントカードで顧客データを集積・解析してどうにか手に取ってもらえるように徹底研究している。疲れてコンビニに入ったら、かなりの確率で何か買ってしまうのだ。寄り道しないことで無駄遣いを避けられる。お店で購入する時は「買いたいモノリスト」を作ってから買い物に行くとムダな買い物をすることがない。レジ横にある商品は、ついで買いを誘うモノだと思った方がいい。スーパーに行くのならば、事前にwebチラシを見て献立を考えてから、購入する食品を決めて出かけよう。

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良い習慣に変えるのは時間がかかる

お金の悪い習慣をご紹介してきたが、多かれ少なかれ誰でもある支出だろう。悪い習慣を良い習慣に上書きして欲しい。新しい良い習慣が定着するには3週間くらいの期間が必要だ。それは、脳の中の「海馬」(記憶に非常に深く関わっている所)の仕組みによるからだ。人間の「記憶」は、いったん海馬に入って、夜寝ている間に整理されて長期記憶になっていく。そして海馬の中に新しい情報が保存される期間は、大体3週間、長くて4週間なのだ。この約3週間の間に、何度も何度も同じ情報が海馬の中に入っていくことによって「長期記憶化」になりやすく「習慣」となって定着する。

良い習慣にかわるまでは、意識的に気を付けよう。節約体質になるには、時間がかかるのだ。節約もダイエットと同じで、1週間で10キロも体重が落ちることはない。支出も少しずつでないと、減らしていけないのだ。最後にお金の悪い習慣を改める方法を伝授しよう。

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習慣を改善するための3つのステップ


お金が貯まらない悪い習慣を良い習慣に変えたいと思ってもなかなかできない人は、次の3つのように考え方を切り換えてみよう

1) まずは3週間続けてみる

前述したが、習慣が定着するのには3週間の時間が必要だ。ただし習慣を続けるならば、目に見える変化がないとやる気も下がってしまう。すぐに効果を期待するあまり、何日か経過しても変わっていないと諦めてしまうのだ。脳の仕組みを理解して、まずは3週間続けることを意識しよう。

2) 小さい目標からステップアップする

たとえば自炊しようと思っても頑張っても3日しか続かなかった……。なんてこともあると思う。完全に自炊するのではなく最初は、ご飯を炊いて1食分ずつ小分けにして冷凍するだけでも十分だ。ご飯があれば、お味噌汁はインスタントでもいい。最初は、おかずはお惣菜を購入してもいいだろう。冷凍食品の安売りの時に買いためておくのも効果的だ。

3) 目標を書き出してモチベーションをキープする

良い習慣に変えようと最初は気合が入っていても時間が経つとモチベーションが下がってしまうこともある。「大変な思いをして、習慣を変える必要はあるのか?」なんて疑問を持ちはじめ、自分を励ますことができずに諦めてしまうのだ。習慣を変えるのは決して楽ではない。習慣を変えるということは、今までの生活の一部を変えるということ。自分に染みついているものを変えるのは思った以上に大変なのだ。


ただし大変だからこそ、やりがいがあり大きな変化が起こる。新しい習慣を身に付けるとどのように変わるのかを書き出しておくといい。たとえば「自炊して食費を3万円におさめる」と目標を書き出すのだ。もちろんすぐにできるワケではない。その目標に近づくための小さいステップも書いておこう。


最初は3週間ご飯を炊いて、小分けして冷凍する。それができたら、次のステップに進もう。そして、新しい習慣ができたらスケジュール帳にできた日を記録していくといい。できた日が続くとモチベーションが保たれるからだ。モチベーションが落ちた時は心理学者ウィリアム・ジェイムスの名言を唱えてみよう。『心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる』。

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【執筆者】
川畑明美●ファイナンシャルプランナー 「私立中学に行きたいと」子どもに言われてから、お金に向き合い赤字家計からたった6年で2000万円を貯蓄した経験をもとに家計管理と資産運用を教えている。HP:https://www.akemikawabata.com/