滑走路のいらない「空飛ぶクルマ」ALIA、初飛行に成功 “世界で最も長距離を渡る鳥”がヒントに  

  • 文:青葉やまと
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SFなどで繰り返し描かれてきた「空飛ぶクルマ」が、実用的な移動手段として米ニューヨークに根付くかもしれない。

同地域で富裕層および医療機関向けの輸送サービスを提供するブレード・アーバン・エア・モビリティ社は2月、ニューヨーク都市圏においてeVTOL「ALIA-250」の飛行テストに成功した。

テスト飛行でALIAは、市街中心部から40キロほど北に位置するウエストチェスター・カウンティ空港を発ち、ヘリにエスコートされながら無事に飛行を終えた。

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渡り鳥のキョクアジサシにヒント

ALIAの外観は、ヘリの胴体と飛行機の主翼を融合したような形状をしている。機体を製造したのは米バーモント州の航空宇宙会社ベータ・テクノロジーズだ。

通常のヘリのような大型のメインローター(回転翼)はなく、代わりに飛行機のような主翼と尾翼を持つ。主翼の上には複数の小型のローターが設けられており、電気で駆動する。

接地部分は一部の既存ヘリと同様、スキッド(ソリ)と車輪の両方を備えている。旅客用と貨物用の両方の用途に対応し、最大で6人が同時に搭乗可能だ。

航空ニュースサイトのエアロスペース・テクノロジーは、ALIAの機体が渡り鳥のキョクアジサシの体にヒントを得てデザインされたと報じている。

キョクアジサシは北極圏から南極までを移動する鳥であり、世界で最も長く移動する鳥と言われる。この鳥のつくりを参考にすることで尾翼の形状などを改善し、より効率的な飛行が可能になったという。

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ヘリの騒音課題を解消

eVTOLは電動垂直離着陸機を略したもので、「空飛ぶクルマ」の愛称でも知られる。

ヘリコプターと飛行機の特徴を併せ持ち、滑走路を使わず少ないスペースで離着陸できることから、都市部でのピンポイント輸送に威力を発揮する。

また、従来のヘリによる輸送では、地域住民への騒音が課題だった。ALIAは電気モーターの採用で騒音を大幅にカットするほか、ガソリンを使用しないことから温暖化ガスの排出抑制効果にも優れる。

米ニューヨーク・ポスト紙によるとニューヨークの住民からは、「セントラルパークで野外公演されるシェークスピアの舞台さえ満足に台詞が聞こえない」など、住民から当局に度重なる苦情が寄せられていたという。

ALIAはこの点で劇的に進歩しており、同紙は「ほぼ完全に無音」だと報じている。ブレード社によると、騒音レベルは従来の10分の1程度に抑えられている。

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CEO「ニューヨークの交通を変革」

ブレード社は現在、従来のヘリや水上飛行機を、従来よりも環境に優しく騒音が少ないeVTOLで置き換える試みを進めている。

ドローン情報サイトのドローンDJは、今回の試験飛行の成功について、技術面および運用面における「大きなマイルストーン」を達成したと報じている。

ブレード社のロブ・ヴィーゼンタールCEOは「これ(テスト飛行)は、ブレード社、ニューヨーク、そして都市型エアモビリティ業界にとって、歴史的な瞬間です」と述べ、FAA(米連邦航空局)に承認されれば「当社およびニューヨーク市の交通システムにとってゲームチェンジャー」になるとの見通しを示している。

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