「幻のキノコ」霊芝を採用した、まったく新しい蒸留酒「ウェルネスジン」とは?

  • 写真:Max Houtzager 文:佐野慎悟

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さまざまな形や色のリユースボトルを利用したリユニオンのウェルネス ジン。真っ白なラベルには、「MAKE IT COLORFUL(人生を楽しさで彩る)」という思いが込められている。

ここ数年、世界各地にインディペンデントなクラフト・ディスティラリーやクラフト・ブリュワリーが林立し、それぞれのつくり手が生み出す個性豊かな酒が消費者を楽しませている。なかでも、世界的な市場規模や表現の自由度から、さらなる発展が期待されているクラフト・ジンのジャンルに、「地球と人に優しいウェルネスブランド」というまったく新しいコンセプトを掲げる、注目の新星が現れた。

「REUNION(リユニオン)」という名を冠したこの新ブランドから、4月22日のアースデイにローンチされるファーストコレクションが、ウェルネスに特化したニュースピリッツ「WELLNESS GIN(ウェルネス ジン)」だ。環境再生型農業で栽培された原材料を使い、醸造から蒸留まで手仕事によってつくられた100%プラントベースのウェルネス ジンは、地球と人の心と身体のウェルネスに貢献する、「ニュースピリッツ」として誕生した。

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キーボタニカルに採用されたのは、「幻のキノコ」として知られる霊芝(REISHI)だ。北海道を中心とした国産のものを厳選した。

ウェルネス ジンのキーボタニカルとなるのは、古くから免疫向上や抗がん作用などの薬効が伝承され、「幻のキノコ」として和漢薬や民間薬で珍重されてきた霊芝。トリテルペノイドやβ-D グルカンといった有効成分の他、カルシウム、リン、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、鉄、銅、亜鉛、マンガンなどのミネラル類が多く含まれており、さまざまな身体の機能に多面的かつ同時にアプローチする。

霊芝特有のほのかな苦味は、ウェルネス ジンの滋味深い味わいを特徴づけるボディとなり、その上にスパイシーな切れ味が重なることで、スピリッツとして完成された飲み口が表現されている。ソーダアップすればその苦味やコクが炭酸の爽やかさの中でほどよいアクセントとなり、食中酒としても飽きのこない味わいを楽しめる。

さらにウェルネス ジンと合わせて提案されたのが、国際薬膳師の資格をもつ薬膳のエキスパートが、陰陽五行をベースにGO OUT(食前)、CHILL OUT(食中)、NIGHTCAP(食後)という3つのシーンに合わせて調合したオリジナルスパイス「YAKUZEN SPICE(ヤクゼンスパイス)」。ジュニパーベリー、カルダモン、サンザシ、甘草などのスパイスやハーブがもつ香りと効能により、ジンの楽しみ方は豊かな広がりを見せる。

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薬膳のエキスパートが調合したヤクゼンスパイス「GO OUT」の原材料。ジュニパーベリー、カルダモン、桑の実の有効成分が胃の調子を整え、気をめぐらせる。

「WELLNESS FOR EARTH(地球の健康への取り組み)」を掲げるリユニオンでは、環境再生型農業、リユースボトルの利用、カーボンニュートラルという3つのアイデアを軸に、原材料の生産段階から酒造りを行っている。環境再生型農業とは、不耕起栽培や緑肥、有機肥料や堆肥の活用など、現在日本で行われている有機農業と多くの共通点をもつ農法ではあるが、その目的となるのが、土壌の修復や生態系の保全、酒の源となる水質の改善などを含む自然環境の再生だ。さらに農薬や化学肥料を使わないことで、植物や微生物が活発に働くことができようになり、土壌に空気中の二酸化炭素を吸収、貯留することができる。また、リユニオンではボタニカルとして使用している植物に対しても、今後すべてに環境再生型農業で栽培した植物を採用できるように取り組んでいく。

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リユニオンのジンに使われるサツマイモ「黄金千貫」は、雄大な開聞岳を望む鹿児島県薩摩半島の畑にて、環境再生型農業で生産される。

 

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水はけのいい火山灰土壌は、サツマイモの栽培に最適な環境。リユニオンでは、製造元の佐多宗二商店とともに環境再生型農業を実践する農家とパートナーシップを組み、サステイナブルなサプライチェーンの形成を目指す。

リユースボトルを採用するリユニオンのジンは、同じブランドの同じネームの酒であっても、その見た目はさまざまだ。リユースボトルはリサイクルではないワンウェイボトルと比較すると、80%もの温室効果ガス排出の削減が可能になるといわれている。さらに、カーボンニュートラルを目指すリユニオンでは、原料の調達、生産の現場から物流まで、サプライチェーンのあらゆる面において環境対応した資材やエネルギーを採用し、二酸化炭素の排出量を極限まで低減させる施策を行っている。どうしても削減しきれなかった二酸化炭素については、日本で行われる環境再生型農業によって、土壌に吸収された二酸化炭素をもととした、カーボンクレジットを購入。カーボンオフセットの仕組みを通じて、地球の「ウェルネス」に貢献している。

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佐多宗二商店では、小さなかめを利用した伝統的な貯蔵法を採用している。温度管理が難しく、熟練の職人が五感を駆使しながら世話をする。

リユニオンは、114年の歴史をもつ老舗酒蔵である、鹿児島県南九州市の佐多宗二商店ととともに酒造りを行っている。晴耕雨読、不二才といった焼酎や、ジン、スピリッツなどを幅広く手がけ、蒸留のパイオニアと呼ばれる佐多宗二商店では、ボタニカルの特性に合わせてイタリア、ドイツ、日本製の蒸留機9種をそれぞれ使い分け、香りや味を五感で感じ取りながら蒸留を行う。リユニオンの酒造りは、どれだけ技術が発展しても、農業から醸造、蒸留、熟成まで、そのすべての工程が、人の手を介して行われている。

4月の一般発売に先駆け、ブランドの誕生を記念した数量限定のスペシャルボックス「WHITE BOX」の先行予約が、オフィシャルティーザーサイトで2月からスタート。さらに、東京、横浜、京都など全国10カ所のバーやホテルでは、ウェルネス ジンの魅力を体験できる「REUNION LAB」も開催中。地球と人の「ウェルネス」を追求するリユニオンのウェルネス ジンが、まったく新しい体験をもたらしてくれるだろう。