AIを駆使して絵本作成 クリエイター業界激怒で作者には「殺す」という脅迫も…

  • 文:松丸さとみ

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アメリカのIT企業で働くデザイン・マネージャーが、AI(人工知能)を駆使して14ページの絵本を作り、アマゾンで販売している。自ら絵を描くことも、ストーリーを考えることもなく絵本を作ったことに対して、イラストレーターなど、主にクリエイター業界の人から批判が集まっている。

本を作ったのは、デザイン・マネージャーのアマール・レシさんだ。レシさんは12月10日、『Alice and Sparkle』というタイトルがついた絵本を手に、満足そうな笑みを浮かべた写真と共に、AIで絵本を作ったとツイートした。

このツイートでレシさんは、絵本を作った詳しい過程をスレッドにして説明している。まず、対話AIであるChatGPTで、ストーリーやどんなイラストにするかのベースを考えたという。この過程は、「アイデアをピンポンのように打ったら返してくれる、ブレインストーミングのパートナーがいるような感じだった」と話す。

その後、画像生成AIであるMidJourneyを使って、ヒロインとロボットのイラストを制作した。BuzzFeed Newsによると、この時にレシさんは、「少女」「青い目」「好奇心が強い」などのキーワードを入力したという。ただ、当初AIが生成した絵を使っていたら、「ホラー作品になったはず」というくらい、最初に吐き出された絵は奇妙だったようだ。望むようなテイストになるまで、2時間かけて試行錯誤した。

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中には奇妙な絵も。「目と手、どうなってるの?!」(レシさんのツイートより)

しかしそれだけ時間をかけても、最終的に本に収録した絵は完璧とは言えないようだ。プロのイラストレーターと思われる人が、リプライで「フィードバック」を寄せている。そこには、イラストのおかしな点が指摘されており、確かによく見ると、女の子の爪がかぎ爪のような形になっていたり、腕が不自然な形だったりと、おかしなところが散見される。

「フィードバック」として寄せられた意見

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「クールだね!」から「盗作だ」まで賛否両論

レシさんは当初、友達の子どものために絵本を作ろうと思いついたのだという。そこで、アマゾンで電子書籍と紙の書籍を作れるサービスを利用することにした。本の現物をインスタグラムに投稿したところ、「買いたい」というリクエストがあったため購入できるようにしたという。その後ツイッターに投稿したところ、売り上げはさらに伸びた。これまですでに70冊以上売れており、タイム誌によると200ドルほどの印税が入ったという。

ツイッターには、「クールだね!」というリプライがあるほか、「純粋に疑問なんだけど、クリエイティブ面で、誇りや喜びは得られるの? それとも単に、最小の努力で売り物が作れるってだけ?」というリプライが投げかけられた。この質問に対してレシさんは「テクノロジーを組み合わせたらどうなるか見てみたかった」「(動機は)お金ではない」などと答えている。

ただ、こうした好意的な反応や、好奇心からの反応だけではない。むしろ批判的な声の方が大きいようだ。レシさんのもとには、「殺す」という脅迫まで届いているという。批判の中でもっとも目立つのが、AIから吐き出された絵の元データは、生きた人間であるアーティストが時間や情熱をかけて作ったものであり、それを使った本作品は「アーティストを搾取している」「盗作だ」などという主張だ。またアマゾンのレビューの中には、「Midjourneyの利用規約にはお金を儲けてはいけないとあるから、著作権侵害で訴えられるのも時間の問題じゃないかな」と書いている人もいる。

タイム誌は、レシさんのツイートへの1300件ほどのリプライのうちほとんどが、アーティストの絵がAIで使われるのであれば、アーティストに支払うか、名前をクレジットすべきであると指摘する、クリエイターによるものだと分析している。タイム誌によると、近年は生身の人間を使うのではなくAIによる技術に切り替えた企業も少なくない。そのため、レシさんの今回の行為がクリエイティブ業界に従事している人たちを不安にさせた理由だと、同誌は説明している。

レシさんはツイートの中で、今回AIを使って絵本を作ったのは、アーティストに悪意を持ってのことではない、と弁明している。また自分が今回行ったことは、AIの適切な活用法や倫理面などについて「とても重要な議論の口火を切ったと思う。ただ両者もっと落ち着いて議論すべきだったけど」と述べている。

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中には奇妙な絵も。「目と手、どうなってるの?!」(レシさんのツイートより)

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「フィードバック」として寄せられた意見

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目からコンタクトレンズ23枚を摘出...医師「職歴20年で初めて」

文:青葉やまと

米カリフォルニア州ニューポートビーチで勤める眼科医が、自身のInstagramに驚きの画像を投稿した。患者から23枚のコンタクトレンズを摘出したという。

画像は血走った女性の目を大写しにしたもので、目の付近には大量の使い捨てコンタクトレンズが並んでいる。レンズ同士が癒着し合い、大きな塊となって女性の目から取り出された模様だ。レンズは事前の検査で使用した染色液の影響で、薄緑色に染まっている。

摘出を行ったカテリーナ・クルテヴァ医師は摘出後の様子を、次のように説明している。

「すべてのコンタクトレンズを慎重に分離し、その数は合計23に達しました。レンズの分離にあたり、非常に精密に作られた手術器具のピンセットを複数使う必要がありました。まぶたの下に1ヶ月間放置されていたことで、ほとんどくっついていたのです」

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2年ぶりに現れた患者

米インサイダーは、大量のコンタクトが発見された経緯を次のように報じている。

ある月曜日の終わり、クルテヴァ医師が勤めるクリニックに70代の女性が駆け込んできた。目に異物が入っている気がするのだという。クリニックでは高齢者に年1回の検診を勧めているが、この女性は予約をすっぽかして2年間も来院していなかった。

クルテヴァ医師は検査をしたが、初めは異常はみられなかった。ところが器具を使って両まぶたを開きっぱなしにしたところ、何枚かのコンタクトの端が見えた。目尻の奥側の、異物を溜め込みやすい場所だ。

数枚のコンタクトを摘出した医師だったが、まだ奥にあるのではないかと直感した。助手に動画を撮影してもらいながら奥を確認したところ、暗い紫色の巨大な塊が眼球に張り付いており、「それはほとんど第2の瞳孔のようだった」という。

その後も大きな塊の摘出が続き、合計23枚が取り出された。医師はインサイダーに対し、「20年近いキャリアのなかで、これほどのものは見たことがありません」と語っている。

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毎朝新しいコンタクトを入れ続け……

これほどの数のコンタクトがまぶたの下に溜まっていたとあっては、痛さもひときわ大きかったことだろう。

この患者はほぼ1ヶ月間、寝る前にコンタクトを外すことを忘れていたようだ。英スカイニュースは、「この女性は前日に取り出すのを忘れたまま、毎朝新しいものを入れ続けていた模様だ」と報じている。

1ヶ月にわたり続々と新しいコンタクトを入れ続けた結果、目のなかに23枚ものコンタクトを蓄積する結果になったという。幸いにも患者女性は目薬の点眼を受け、問題なく医院を後にした。

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コンタクトの注意喚起に一役

医師は注意喚起のために今回の画像を投稿したようだ。以前に動画版をリールとして投稿しており、「100万再生を突破し、コンタクトレンズの衛生的な使い方について広く注意喚起することができて嬉しい」と語っている。動画は現在、300万再生を突破した。(眼球とコンタクトのクローズアップが映っているので、閲覧の際は注意されたい。)

投稿した画像には、コンタクトの取り扱い上の注意点が添えられている。今回のケースに関した項目としては、使い捨てレンズは寝る前に必ず処分すること、そして、決してコンタクトをつけたまま眠らないことが重要だという。

ほか、初めての購入の際にはきちんと取り扱い方法のレクチャーを受けることや、レンズの装着や取り外しの前には必ず手を洗うことなどが必要だとしている。

そして万一、使用中に目が充血した場合は、眼科医を受診し感染症ではないか診断を受けるよう呼びかけている。

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【画像・動画】目からコンタクトレンズ23枚を摘出...医師「職歴20年で初めて」

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