フツウがあたらしい。アウディのプレミアムコンパクトSUV「Q4スポーツバック40 e-tron」に乗った

アウディジャパンが「アウディQ4 e-tron」という「プレミアムコンパクトクラス」のSUVを日本発売開始。SUVとクーペSUV、2つのボディタイプが同時に登場した。

デザイン的にも、Q4 e-tronはあたらしい。クルマにとってもっとも重要なプロポーションが、ガソリン車とまったくちがう。

電気自動車は、エンジンがないので、乗員が乗るキャビンを中心にデザインできる。そう語ったのは、アウディのデザインを統括するマルク・リヒテ氏。

リヒテ氏の言葉どおり、Q4 e-tronはAピラーがうんと前に出ていて、ボディに対してキャビンの占める比率が大きく見える。

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じっさい、室内は広々としている。運転席まわりは視界がよく、ダッシュボードとコンソールも圧迫感をかんじさせない。

驚くのは後席の広さ。足もともスペース充分で、広さでいえば、大型セダンにいるような気分すら味わえる。

私が乗ったのは「Q4スポーツバック40 e-tron S line」。一時期のEVが新しさを演出しようと、奇をてらったようなデザインに傾いたのとちがい、Q4 e-tronのデザインはこなれている。とりわけスポーツバックはスタイリッシュだ。

150kWの最高出力と310Nmの最大トルクをもった電気モーターを1基リアに搭載して後輪を駆動する。516キロの巡航距離をもつ総容量82キロワット時の駆動用バッテリーを含めて、パワートレインは、今回のすべてのモデル共通。

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２つのモデルともパワートレインは共用。1モーターの後輪駆動となっている。モデルバリエーションは装備の違いとなる。

本国には、モーターを前後に搭載した4輪駆動の「45」や「50」も。半導体不足などの問題が解決されれば、つまり生産が順調に進むようになれば、日本にも入ってくる可能性はありそう。

ドライビングの印象は、スムーズで、無理がなく、快適。強烈な発進トルクなどで、電気自動車の特異性を印象づけようなどということはなく、トルクがたっぷりあるモーターのよさを味わわせてくれる。

発進時に最大トルクを発生するモーターのおかげで、出足はよく、まったく違和感なく速度があがっていく。

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発進のときだけは、意識してアクセルペダルの踏みこみを加減する必要があるかもしれない。強めに踏みこみすぎると、乗員の頭が後ろにのけぞりそうになる。それぐらいトルクがたっぷりあるのだ。

乗り心地も、S-line専用の、扁平率50の20インチタイヤのせいか、荒れた市街地の路面ではややゴツゴツ感を意識することがあった。しかし、高速などスムーズな路面で、速度があがっていくと、落ち着く。

Q4 e-tronは、アウディ初の「B（ブレーキ）モード」をそなえていえる。このポジションを選べば、アクセルペダルを離すと、つよく制動がかかる。

Bモードでは、加速はいまひとつ反応が悪くなるが、アクセルペダルのオンとオフだけで市街地を走行できてしまう。いわゆるワンペダルドライブを味わえるというものだ。

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運転席まわりは、10.25インチの計器盤モニターと、11.6インチのインフォテイメントシステム用モニターが、角度を変えて組み合わされている。

建築物を意識させるような立体的な造型。ステアリングホイールが四角なのもおもしろい。このあたりは、デザインで他社と一線を画してきたアウディの面目躍如たるところだろうか。

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Q4 e-tronをして、「近年特に関心が高いコンパクトSUVセグメントにベストマッチするモデル」とアウディジャパンではしている。

全長4.59m、全幅 1.87mのボディは、アウディでいうと、Q3と Q5 のあいだに位置するもの。コンパクトなボディサイズながら、先述した私の印象は正しくて、インテリア全長は Q5をしのぐそうだ。

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スポーツバックはさらにスポーティな雰囲気も加わって、好ましい。ただし、荷室容量は、SUVが520リッターであるのに対してスポーツバックのほうが広くて535リッターが確保されている。

開口部のないシングルフレームグリル（いつまでグリルが残されるのか）をもち、電動開閉式の冷却エアインレット、フロントスポイラーに対し垂直に配置されたディフレクター、それに、立体的なホイールディフレクターなどが特徴的だ。

運転席でもあたらしさを感じさせるのは、スターターシステム。着席してブレーキペダルを踏むと、システムが始動する。

停車時はブレーキボタンを押す。そしてブレーキペダルから足を離すとイグニッションがオフになる。このあたりの一連の手続きは、電気自動車ならではだ。

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価格は、「Q4スポーツバック40 e-tron」が「advanced」の688万円から。いっぽう「Q4 40 e-tron」は599万円からとなる。これはベースモデルで、「advanced」は662万円。

スポーティな「S line」は、「Q4スポーツバック40 e-tron」で716万円、「Q4 40 e-tron」では689万円。

Audi Q4 Sportback 40 e-tron
全長×全幅×全高　4590x1865x1630mm
電気モーター1基　後輪駆動
最高出力　150kW
最大トルク　310Nm
バッテリー容量 77kWh
航続可能距離 594km（WLTC）
価格　688万円〜

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【写真】フツウがあたらしい。アウディのプレミアムコンパクトSUV「Q4スポーツバック40 e-tron」に乗った

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スポーティな「S line」は、「Q4スポーツバック40 e-tron」で716万円、「Q4 40 e-tron」では689万円。