【東京クルマ日記〜いっそこのままクルマれたい〜】 第164回“ハイクラスなEVで東北旅行へ、「未体験」だったEVの高級性能とは?”

  • 写真&文:青木雄介
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EQSはメルセデス初の電気自動車専用プラットフォームを使用する。 

メルセデス・ベンツがEV(電気自動車)の旗艦モデル、EQSを発売した。乗ってみるとなるほど、「EVの高級性能とはなにか」をリアルに体感させてくれるクルマだった。さらに航続距離は700㎞と世界最高値。その距離を実感するために1泊2日で東北へ旅行に出かけてみた。

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欧州仕様では350ものセンサーを備えコンピューターで瞬時に判断し、行動するインテリジェンスを備える。

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室内の巨大な「MBUXハイパースクリーン」に感嘆しつつ、走り出せば重厚感たっぷりな走り。シートも足まわりも想像していたより硬めで、堅牢で剛健なドイツ車らしさを感じる。うん。メルセデスでこの感覚は久しぶり。これが大正解なんだ。

大型バッテリーによりEQSは2.5トンを超える大巨漢。でもこの重さが大型セダンとは相性がよいのね。どっしり構えて異次元の加速。よく静音された車内はSクラスより密室感があって首都高を流すだけでその心地よさにとろけそうになるね(笑)

アクセルを踏み込めば直6エンジンっぽい回転音が聴こえてきて、丸くて包み込むようなトルクが発生。枕のようにふかふかのヘッドレストが付いたシートに身体がぐっと圧しつけられる。メルセデスの場合、感覚の基準はあくまでもエンジン車がベース。

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幅141cmのMBUX ハイパースクリーンを中心にラグジュアリーEVの主張を感じるインテリア。

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驚くべきは高速域に入るとSクラスより乗り味が上に感じられたこと。それも速度を上げれば上げるほど、その上質さが引き立つ感じ。この理由が最初よくわからなかったのね。まるでサッカー日本代表の中盤の要、守田英正選手がいるみたいですよ(笑)。目立たなくとも肝心なところで効いている、チームの格を1段上げる影の立役者。そんな守田選手のような働きをしているのが、じつはエアロダイナミズムなんだ。

その静かさといったらスリップストリームの無風地帯を走り続けているようで、東北自動車道の名物でもある「からっ風」が吹いても、ものともしないのね。風切り音もよく抑えられていて、静かな高速移動には正義しか感じないのね(笑)

EQSはエンジンがないことでボンネットを下げ、クラス最高のCd値(空気抵抗係数)0.20(欧州仕様)を記録しているから体感値はかつてない「未体験の領域」と感じられた。抵抗値が低ければ低いほど、エネルギー効率は高くなるわけで「静かな高速移動」という高級性能がシンプルにエコに結びついてる。

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後部座席もSの名前にふさわしい、ゆとりのスペースを確保している。

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今回の旅程は往復800㎞超。急速充電を2回、合計2時間ほどしたんだけど実際は1回でよかった。運転中、高速や峠ではメルセデスのEVの流儀にしたがってパドルシフトで回生ブレーキの強弱を変えながら走行してたんだけど、これもエコのためというよりエンジンブレーキの感覚で使用できるから自然なのね。

特に峠の下りなんかは効果てきめんで6%も電池量が回復するケースもあった。6%といえば単純に航続距離が42㎞も延びてる!マナーを実践すればエコに結びつくし、充電に割く時間を減らしてくれる。

EVのテーマである電池容量と高効率とは結局、タイムマネジメントの幅を広げることに他ならない。タイトな1泊2日の特急旅行では、高性能ぶりが身に染みてありがたかったんだ。

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EQS450+は外部給電も可能。移動バッテリーとしても機能する。

メルセデス・ベンツ EQS450+

サイズ(全長×全幅×全高):5225×1925×1520㎜
バッテリー容量:107.8 kWh(リチウムイオン)
最高出力:333PS
最大トルク:568Nm
駆動方式:後輪駆動
最大航続可能距離:700 ㎞(WLTCモード)
車両価格:¥15,780,000
メルセデスコール
TEL:0120-190-610
www.mercedes-benz.co.jp

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※この記事はPen 2022年1月号より再編集した記事です。