「SNS貧乏」になる人たちの共通点とは?

  • 文:川畑明美

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SNSの使いすぎによる中毒性の話題もチラホラ見かけるようになったきた。SNSの使い方は将来お金持ちになるのか貧乏になるのかをも左右するのだ。istock

SNSでは、豪華なランチ会や旅行先などで散財している投稿に「いいね」が多くつくことがある。人気のスポットやスイーツなどを見栄えの良い写真で投稿すると「いいね」がつくことから「映える」などの言葉も流行した。筆者はその昔いわゆるお嬢様学校に通っていたのだが、クラスメイトからチヤホチヤされていたのは派手な服装や高価なバッグを持って、夜な夜なディスコに入り浸っているような人たちだった(「ディスコ」という言葉に時代を感じるが…)。


地方の会社の社長令嬢など裕福な家庭の方が多かったので、筆者はかなり浮いていた。そして感じるのは、インスタグラムやフェイスブックなどいまのSNSでも同じということ。豪華なランチ会とか、パーティの様子とか、旅行先などでお金を散財している投稿にはコメントが多い。特にSNSで過剰な「パリピ」を発信したいがためにお金を浪費してしまう方が増えているようだ。

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行動経済学の視点ではパリピはお金持ちになれない


お金を散財している投稿にコメントが多いということは、将来の価値よりも「現在の価値を重視する人」がチヤホヤされる傾向があるということだ。行動経済学では、現在の価値を重視する人のことを「時間割引率が高い人」と表現する。アリとキリギリスの童話ならば、キリギリスは、時間割引率が高い人となる。今を楽しむタイプの人のことだ。


もう少し解説しよう。たとえば「今日もらえる1万円」と「1カ月後にもらえる1万10円」のどちらか好きな方を選んでお金をもらえる場合、あなたはどちらを選ぶだろうか? 多くの人は、今日もらえる1万円を選ぶのではないだろうか。たった10円の差しかないのならば、はやく現金を手にする方が良いと考えるからだ。これは人間には、将来もらえるお金の価値を、現在の価値にすると表面上の金額よりも「小さく感じる=割引いて感じる」傾向があることを示している。人間が、将来の価値を割引く率のことを「時間割引率」というのだ。


お金を使うことは楽しいことだから、お金を使うことに否定はしない。しかし「本当に使いたいことにお金を使っているか? 」ということを考えて欲しい。チヤホヤされるためにお金を使うこと、つまりSNS上で承認欲求を満たすことに躍起になっていては、お金持ちになれない。

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「将来なりたい自分」のためにお金を管理しているのか?

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SNSで今が楽しいことばかりをアピールしていると、「将来に使うお金」を確保できなくなってしまう。それは、あなたの命をすり減らすことにもなりかねない。istock

お金持ちになるためにはお金の管理、つまり家計管理が必要だ。家計管理とは、つきつめると「今使うお金」と「将来使うお金」の仕分け作業だ。「今使うお金」は、日々の生活するために消費するお金のことだ。毎月の支出といえる。そして「将来使うお金」は別の言い方をすると貯蓄ということだ。


家計管理ができていない人は、毎月の支出で使い切ってしまい「将来使うお金」である貯蓄への仕分けができていない。童話のアリとキリギリスのキリギリスのように今が楽しければいいという状態だ。SNSで「こんなに楽しんでいるよ!」と発信しているのは自分の存在を誇示するための独りよがりの発信になりがちだ。


情報というのは、人のため世のためにあるもので、自我を発散するところではない。ましてや、見せかけの自分を良く見せるために、労働で得た大切なお金を浪費してしまうのは、もったいないことだ。将来も含めてあなたが本当に使いたいことに、お金を使って欲しい。

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「パリピ」アピールであなたの命がすり減る

労働とはある意味「時間の切り売り」だ。あなたの時間を使って、サービスをしたりモノを作ったりしているのだ。私達人間は、この世に生まれ落ちた瞬間から一歩一歩、天国へいくまでの瞬間に向かって歩み続けている。その歩みは、止めることもできないし、逆戻りすることも不可能だ。どんなにお金を積んでも、他人の寿命(時間)を買うことはできない。その大事な時間を使って得たお金を大切に使って欲しい。


将来使うお金とは、毎月の収入では買えないものの値段だ。月給では購入できないので、毎月少しずつ貯めていくことになる。家族で海外旅行に行く資金も、子どもの大学費用も年金だけでは賄えない老後の生活費も何年もかけて少しずつ貯めていくしかない。あなたの命である時間を使って得た労働の対価であるお金をSNSの「映え」に使っていてはキリギリスのように冬に息絶えてしまう。

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世間体を気にしないことで得られる、お金の心配がない生活

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お金持ちになれる人は、収入の過多ではなく「世間体を気にしない人」だ。ステータスを重視するのではなく「足るを知る」ことが大切だ。istock

お金持ちというと六本木ヒルズなど高級住宅街に住んでいると思うかもしれないが、意外にも庶民的な街に住んでいるのだ。米国の富裕層研究者であるトマス・J・スタンリー博士の著書『となりの億万長者』は、あなたが住んでいる隣の部屋に億万長者が住んでいる、という意味のタイトルだ。


つまりお金持ちになれるのは職業とは関係はなくて、お金の使い方が違うということなのだ。年収の過多ではない。トマス・J・スタンリー博士も著書の中で世間体を取り繕うよりも、お金の心配をしないですむことの方がずっと大切だといっている。世間体を気にするというのは、他人からの羨望を受けたいと思っているということだ。


ステータスの高いライフスタイルを誇示しているといっても良いだろう。億万長者になりたいのならば、ステータスの高いライフスタイルにお金をかけないということ。具体的にはタワマンの高層階に住むのではなく低層階で満足するということだ。

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誰でも情報発信ができる世の中だから


また筆者の経験上、あまり安易にSNSに私生活を露出するのは、いかがなものかと思う。以前、筆者が勤めていた出版社にミリタリーオタク向けの雑誌があった。その雑誌では、年に1回、読者参加型のイベントを開催していたのだが、ご来場いただいた読者の中には、その雑誌の編集後記の一字一句を覚えていて、執拗に質問攻めにしてくる方もいたそうだ。内向的な編集者は特に困っていた。編集後記とは、編集者が取材時のエピソードや日記調の文章をつづるページのことだ。


つまり、情報を発信するということは、自分のプライベートをさらけ出すことでもあるのだ。筆者は仕事上で30年以上情報発信をしてきて、電話やFAXでお怒りの声を直接いただいたこともあるので、情報発信することの恐怖は身に染みている。一般の人でも情報発信ができるようになった現在、SNS上で承認欲求を満たすことに躍起になっている方を見ると本当に心配になってしまう。

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【執筆者】
川畑明美●ファイナンシャルプランナー 「私立中学に行きたいと」子どもに言われてから、お金に向き合い赤字家計からたった6年で2000万円を貯蓄した経験をもとに家計管理と資産運用を教えている。HP:https://www.akemikawabata.com/

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