クリスマスシーズンを迎え、イギリスのスーパーにはチョコレートやキャンディを大型容器に詰め合わせたアソーテッド・タブが並び始めた。こういったお菓子はクリスマスから年末にかけて家庭で大量に消費されるため、各社が競って販売している。
「スニッカーズ」「ミルキーウェイ」などで知られる製菓大手のマース・リグレー社も、主力商品をミニチュア化したアソーテッド・タブ「セレブレーションズ」で年末商戦を戦うが、自社の調査で、詰め合わせアイテムの1つ「バウンティ」は突出して人気がないことが判明した。そのため今年は「バウンティ」を抜いた「セレブレーションズ」の試験販売がスタート。誕生から71年を迎えた定番チョコレートは、リストラの危機にさらされている。
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ケンカの原因にも… 必ず最後に残るダントツの不人気
「バウンティ」はココナッツ味のフィリングをチョコレートで包んだお菓子で、イギリスでは1951年に登場。「テイスト・オブ・パラダイス（楽園の味）」のキャッチコピーで販売され、「スニッカーズ」、「ミルキーウェイ」などとともに、「セレブレーションズ」に組み込まれてきた。
バータイプで売られているバウンティ
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セレブレーションズのアソーテッド・タブ
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ところが、18歳から65歳の2000人を対象に行った調査によれば、なんと40％近くが「バウンティ」を嫌っていることが分かったという。18％が「バウンティ」しかタブの中に残っていないとイラつくと回答。さらに58％が、それが家族内でのケンカの元になると思うとした。一方55歳以上の38％は「バウンティ」が好きと答えており、年配者には人気があることが示された。
結果を踏まえ、今年は「バウンティ」抜きのタブが試験販売されることとなった。BBCによれば、クリスマスまでの6週間に、大手スーパー「テスコ」の40店舗の特設コーナーで限定販売されるという。
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バウンティ抜きのアソーテッド・タブ
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孤独感満載 自虐CMは人気に
実は昨年は、「バウンティ」嫌いの消費者向けに、クリスマスシーズン終了後に不要となった「バウンティ」を返品・交換できる機会が設けられ、「ロンリー・バウンティ」と題されたキャンペーンが行われていた。誰にも愛されない「バウンティ」の涙を誘うCMが制作され、動画サイトやソーシャルメディアに投稿され話題となった。
CMに登場するのは、クリスマスシーズンを“ぼっち”で過ごす「バウンティ」。打ちひしがれる彼のドアのベルを鳴らして現れたのは、これまた誰にも愛されないイギリス料理の付け合わせ、「芽キャベツ」だった。悲しみのなかにもしっかりオチが付いたストーリーとなっている。
自虐的とも言えるキャンペーンではあったが、BBCによれば、会社側は顧客の嗜好に関する議論の喚起がブランドの販促に有益だと判断。ソーシャルメディア上での活発な意見交換に大きなPR効果があると評価していたという。
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今年が勝負の年？ 再起を賭けたCMは渾身の力作
「バウンティ」抜きの選択を消費者に与える第2弾キャンペーン、「ブリング・バック・バウンティ（バウンティを呼び戻せ）」のCMもすでに公開されている。
年末を迎えた「バウンティ」は、ついにアソーテッド・タブから外され意気消沈。居場所を失った彼を迎え入れたのは、やさしい老婦人だった。彼女の家で見たテレビで、自分をまだ求めてくれる人がいると知り、バウンティは仲間のもとに帰って行く。愛と希望に満ちた大作仕立てになっているが、毎年感動的なクリスマスCMを作るデパート、「ジョン・ルイス」のパロディという噂もある。
ビデオの終わりには、「良さは無くなってから気づくもの。＃ブリング・バック・バウンティの議論にご参加を」というメッセージが流れる。業界誌ザ・ドラムによれば、「バウンティ」を完全に外す判断を下す前に、消費者にサポートを呼び掛けるのがマーケティング担当者の狙いだという。今年のキャンペーンが、「バウンティ」にとって起死回生の一打になることを期待したい。
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【動画・画像】「嫌い」「家族内でのケンカの元になる…」 有名チョコレート菓子が“戦力外”の危機に
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ケンカの原因にも… 必ず最後に残るダントツの不人気
バータイプで売られているバウンティ
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セレブレーションズのアソーテッド・タブ
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バウンティ抜きのアソーテッド・タブ
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孤独感満載 自虐CMは人気に
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