岡山市で3年ごとに開催される国際現代美術展『岡山芸術交流』が第3回を迎えた。アーティスティックディレクターにアルゼンチン出身のタイ人アーティストであるリクリット・ティラヴァーニャを迎え、「僕らは同じ空のもと夢をみているのだろうか / Do we dream under the same sky」のタイトルで13カ国から28組の作家が参加している。

一般的に地方の芸術祭というのは、町おこしのために交流人口を増やすことを目的に開催されることが多い。しかし岡山芸術交流の目的は、「まずは町おこしではなく人おこし」だと総合ディレクターを務めるギャラリストの那須太郎(TARO NASU)が語る。アートに関心を持っている「オーディエンス」だけではなく「パブリック」に、つまり、近隣に暮らすあらゆる人々にアートに興味を持ってもらうことが重要で、そうした人々が増えれば街に面白いことやものが生まれ、自然と交流人口は増えていくはずだという長期的視点を持って「岡山芸術交流」はスタートした。
アーティスティックディレクターを務めるのは、毎回キュレーターではなくアーティストだ。2016年の第1回は、リアム・ギリック。1960年代以降のコンセプチュアルな現代アートを同時代まで追いかけるようなプログラムとなった。そして、第2回はピエール・ユイグ。第1回から発展し、同時代の最新のアート表現を集結させる意図で参加アーティストがラインナップされた。そして今回のリクリット・ティラヴァーニャ。よりコミュニティについて考えさせる作品群が並ぶ。
---fadeinPager---


ティラヴァーニャは出品作品の選出について、「異質な文化的あるいは社会的背景を持っているという意味」で、「旅人という共通の背景を持つアーティストの周辺的な活動に集中したい」とステートメントで述べている。岡山城も含む周辺エリアに点在する10会場は、どこも徒歩圏内であり、丸1日かけて回れば全体をじっくり堪能することができる。ぜひ現地に足を運び、岡山の街歩きとあわせて楽しんでみてはいかがだろうか。
---fadeinPager---



---fadeinPager---

『岡山芸術交流2022
僕らは同じ空のもと夢をみているのだろうか』
開催期間:開催中〜11月27日(日)
開催場所:旧内山下小学校ほか岡山市内10ヶ所
TEL:086-221-0033(岡山芸術交流実行委員会 事務局)
開館時間:9時〜17時
※最終入場は16時30分まで、ただし個別会場における変動あり
休館日:月
入館料:一般¥1,800、一般(県民)¥1,500、高校生以下無料
https://www.okayamaartsummit.jp/2022/