アメリカ西部の廃坑で数年前に発見されたリーバイスのジーンズがオークションにかけられ、8万7400ドル（約1300万円）で落札された。1880年代に製造された非常に珍しいもので、ヴィンテージ・ジーンズの落札価格としては、最も高額なものの1つだという。近年ヴィンテージ市場は若者の間で拡大しており、落札者が20代の男性だったことも話題となっている。
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廃坑からお宝！ 手に入れたのは23歳の古着ディーラー
ウォール・ストリート・ジャーナル紙（WSJ）によれば、このジーンズは自称デニム考古学者によってアメリカ西部の廃坑で発見された。約5年前に、コレクター向けジーンズを販売するヴィンテージ専門家のブリット・イートン氏が、2万3000ドル（約340万円）で買い取ったという。
イートン氏は、ニューメキシコ州で自身が運営する古着市「デュランゴ・ヴィンテージ・フェスティバス」の目玉として、この「廃坑ジーンズ」のオークションを企画した。大きな注目を集めるなか、サンディエゴ在住の23歳の古着ディーラー、カイル・ハウパート氏が落札した。
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（「デュランゴ・ヴィンテージ・フェスティバス」の様子。インスタより）
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ハウパート氏は、若いながらも6年前から「トゥルー・ヴィンテージ」と呼ばれる1970年代ごろの衣類を専門に扱い、古い家々に眠っていた数十年前のコレクターズ・ジャケットやジーンズの販売で利益を上げてきた。「廃坑ジーンズ」を競り落とすことは投資であると同時に、業界での知名度アップにつながったようだ。
ジーンズの落札額7万6000ドル（約1130万円）に15％のバイヤーズ・プレミアム（手数料）を加えた支払額は、8万7400ドル（約1300万円）だった。ハウパート氏はそのうちの90％を支払い、残りの10％はヴィンテージ市場の長老的存在であるジップ・スティーブンス氏が負担した。ハウパート氏はスティーブンス氏と組むことで、次の買い手が見つけやすくなることを期待したという。
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驚きのコンディション！ 正真正銘のヴィンテージ
スティーブンス氏はCNNに対し、「廃坑ジーンズ」は超レアなうえに、現在でも着用可能なコンディションだと絶賛する。類似のヴィンテージ・ジーンズは世界に数点しかないが、いずれも博物館に保存されており着用には耐えないという。
脚の部分には鉱夫たちが道を照らすために使ったろうそくの蝋が斑点状に染み付き、ベルト部分、座面、ポケットなどに当時のものだけに見られるディテールが確認できることから、明らかに年代物であることが分かるとハウパート氏はWSJに話している。
実は「廃坑ジーンズ」の内側のポケット部分には、「The only kind made by white labor（白人の労働によって作られた唯一の種類）」と印字されている。これは1882年に制定された中国人排斥法のもと、中国人への差別が横行していた時代のスローガンだということだ。1890年代になりリーバイス社はこのスローガンを削除しているため、印字が1900年以前までさかのぼる古いジーンズであることの証明にもなっている。
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さらなる高値も？希少品にシフトするヴィンテージ・ブーム
WSJによれば、近年ヴィンテージ市場は若者の間で拡大しており、Ｔシャツやセーターなどのブームから、はるかに希少なアイテムを求める真のヴィンテージ探しにシフトしているという。現在、廃坑ジーンズはスティーブンス氏のロサンゼルスの事務所に保管されており、買取りに関するオファーがいくつか来ているそうだ。
もっとも、現在の所有者である2人は、廃坑ジーンズには15万ドル（約2230万円）の価値があると信じているそうだ。ハウパート氏は、実物を見ずしてこのジーンズのすごさは分からないと主張。売り急ぐ気持ちはないとしており、博物館やギャラリーと協力して展示することにも前向きだという。
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（廃坑ジーンズの写真。スティーブンス氏の店のインスタグラムより）
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【画像】「今でもはけるクオリティ…」廃坑から発掘したジーンズが、1,300万円で落札される
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（「デュランゴ・ヴィンテージ・フェスティバス」の様子。インスタより）
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（廃坑ジーンズの写真。スティーブンス氏の店のインスタグラムより）
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オークションの様子
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