快眠に良いとウワサの「ブラウンノイズ」 その真相とは?

  • 文:佐藤まきこ

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TikTokに関連動画が多数投稿され、再生回数を伸ばしている「ブラウンノイズ」が話題だ。ブラウンノイズを初めて聞いたというユーザーがその様子を投稿し、130万いいねがついた動画には、「脳がやわらかくなる」「なんでこんなにパーフェクトな音なの?」「脳が空気できれいになるみたい」など、好意的なコメントであふれている。

ブラウンノイズは「よく眠れる」「集中力が上がる」といった評判があるが、一方で「ホワイトノイズ」「ピンクノイズ」といったものも存在する。これらはどんなもので、どんな効果が期待できるのだろうか?

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写真はイメージ(iStock - demaerre)

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「ホワイトノイズ」「ピンクノイズ」「ブラウンノイズ」とは

私たちのまわりにはさまざまな音が存在し、心地よさを感じるものもあれば、不快をもたらしイライラさせるものもある。それらの違いは、音の周波数だ。そして、人々はそれらの“音の表情”を、色に例えて名前をつけてきた。

よく知られているのが「ホワイトノイズ」だ。これは、低い周波数から中程度の周波数、高い周波数まで、それぞれ同程度でまんべんなく含まれ、周波数が均等に広がっている音をいう。テレビの砂嵐や、ラジオが無音でつながっているときのような音を指す。

これに対して、「ピンクノイズ」はさまざまな周波数が含まれているものの、低い周波数の割合が多く、高周波は少ない。雨や滝が「ザーッ」と流れるような音が、これに当てはまる。

そして「ブラウンノイズ」は、ピンクノイズよりもさらに低い周波数が多く含まれていて、川のせせらぎや荒波のように深みのある音がする。

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それぞれの音の効果は

では、それぞれのノイズにどんな効果があるだろう。もっとも研究が進んでいるのがホワイトノイズで、1970年代頃から睡眠との関連について調べる試みが行われてきた。

そして最近の研究で、ホワイトノイズを聞いていると、38%の人が早く眠りにつくことができたという結果がある。また、ニューヨークで騒音の大きい地域の人にヘッドホンでホワイトノイズを聞いてもらうと、入眠しやすくなった報告もある。インドで騒音のひどい病院に入院する重症患者に行った実験でも、同様に睡眠の質が改善されたそうだ。

ホワイトノイズ自体が睡眠へ導く効果があるのか、それともホワイトノイズが周囲の騒音をマスキングしているのか、その理由はまだ明らかになっていない。だが、さらなる研究が必要ながらも、アメリカの睡眠学会では、よりよい睡眠をとるためのひとつの方法として、ホワイトノイズを取り入れることをすすめている。

ちなみにブラウンノイズと睡眠の関係性について調べた研究はまだほとんどない。そのため、TikTokで話題になっているように、ブラウンノイズが睡眠や集中力に効果があるかどうかは不明だ。

だが、自宅周辺の環境や住宅の造りなどによって、普段どんな騒音に悩んでいるかは人それぞれで異なるはずだ。YouTubeなどにあるホワイトノイズやブラウンノイズの音源を試しに聞いてみて、自分が心地よいと思うものを探してみるのもいいかもしれない。

【出典】
https://theconversation.com/what-is-brown-noise-can-this-latest-tiktok-trend-really-help-you-sleep-188528
https://www.sleepfoundation.org/noise-and-sleep/white-noise

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130万いいねを記録したTikTok動画

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ブラウンノイズ(8時間)

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ホワイトノイズ(10時間)

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ピンクノイズ(10時間)