サウジアラビアにおけるサンドイッチとは、問答無用ですべて「カツサンド」という不条理な事態の真相

  • 写真、文:鷹鳥屋明

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サウジアラビアのリヤドで行われるe-sportの大会会場で売られているサンドイッチ売り場で、日本人としては気になる光景が見られた。そこで売られている全ての商品名の表示はカタカナで「カツサンド」。卵サンドでも「カツサンド」、ツナサンドでも「カツサンド」、イチゴたっぷりのフルーツサンドも「カツサンド」。これはどういうことなのだろうか。

正解がわかれば簡単、こちらのお店は「KATSU SANDO」という名前のレストランで今年サウジアラビアのリヤドでオープンしてから積極的に販売網を広げている店なのだ。

どうしてもカツの名前を使うとトンカツを連想することから宗教的禁忌として豚肉が避けられる世界でわざわざカツサンドの名前を使ったのか、「KATSU SANDO」のマーケティング担当のムサブ氏に聞いた。

まず店名の「KATSU SANDO」について、会社のメンバーも「カツサンド」、という店名はどうしても豚肉を意識してしまうこと、店名から商品に対して誤解が生じてしまうことは重々承知している。だが、ここでいう「カツ」は「カツレツ」としての「カツ」であるということを理解してもらいたい、とのこと。

この「KATSU SANDO」は30代のサウジアラビア人、4人で作られた会社で運営されており、その中の3人は日本をいたく気に入って頻繁に訪れている。

日本の食文化の中で寿司やラーメンはすでに中東に上陸しているが、その中でまだ上陸していないものをサウジアラビアへ持ってきて浸透させよう、というアイディアが生まれた。その中で彼らが日本滞在中に食べた日本のカツサンド、もちろん牛カツサンド、チキンカツサンドは手軽に食べられ、素晴らしく美味しかったことから、これをサウジアラビアでぜひ広めようと決意して店舗を興したそうだ。

イベントのスタンドだけでなく、サウジアラビア首都のリヤドに実店舗があり提供する商品は温かいものと冷たいものに分かれる。温かいものは和牛、ブラックアンガスがメインの「牛カツサンド」がメインで冷たいものはエビ、卵やツナなどがある。特に和牛を使った「Gyu-Katsu」(牛カツ)は「KATSU SANDO」の看板商品だ。

ただ現在彼らが悩んでいることは、本当ならば牛カツに日本産の和牛を使いたいが、現状、オーストラリア産の”Wagyu”を輸入して提供している。日本の和牛がもっとサウジアラビアに多く輸入されることを切に願っているという。

最後になぜフルーツサンドに表記がなくて「カツサンド」という名前だけになったのか、それは新商品のためネームプリントが間に合わなかったからだそう。

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【写真】男は黙ってカツサンドッッ!

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