厚塗りの抽象絵画から新たな境地へ!画家、高橋大輔の個展がANOMALYで開催中

  • 文:はろるど

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《Toy(虎)》  2021年、パネルに油彩、H194xW303cm ©︎Daisuke Takahashi Courtesy of ANOMALY

1980年生まれの画家、高橋大輔(たかはし だいすけ)。かねてより鮮やかな絵具をキャンバスへ盛った厚塗りの抽象絵画で知られ、2014年には「VOCA展 現代美術の展望-新しい平面の作家たち」(上野の森美術館)に出展。また同年の「絵画の在りか」(東京オペラシティアートギャラリー)や、2016年の「NEW VISION SAITAMA 5 迫り出す身体」(埼玉県立近代美術館)でも出品するなどして活動を続けている。時にキャンバスから絵具がこぼれ落ちそうなほど厚く塗られた絵画は、イメージを表しているというよりも、もはや物質そのものであると思うほどだ。

東京・東品川のANOMALYで開催中の『高橋大輔個展 絵画をやるーひるがえって明るい』では、高橋の新作を中心とした油彩による絵画を展示している。しかしここには意外にも厚塗りの絵画はほとんど見られない。まず目を引くのが『無題』とする比較的サイズの小さな油彩画だ。いずれも明るい色彩がキャンバスで混じり合い、抽象的ながらもポップな味わいが感じられるが、実は高橋が普段、近所で目にする建物の外壁の色を抽出して描いている。この他にも一円玉の裏の若木のデザインを描いた『無題/One Yen Coin』や、動物をモチーフとした「Toy」シリーズなどが並んでいて、やはり厚塗りの抽象とは作風が異なっていることがわかる。

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《無題》 2022年、キャンバスに油彩、H27.5xW16cm ©︎Daisuke Takahashi Courtesy of ANOMALY 外壁シリーズと呼ばれている作品。高さ30センチ前後の小さなキャンバスに油彩で描かれている。

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《無題/One Yen Coin》 2021年、パネルに油彩、H162xW97cm ©︎Daisuke Takahashi Courtesy of ANOMALY

高橋の変化のきっかけは一体何だろう…?そのひとつとして家族構成の変化、つまり子どもが生まれたことにあるという。それまでの高橋は芸術至上主義とも言うべく日々の制作に没頭。暗い夜中でも蛍光灯の下で厚塗りの絵画を描いていたが、生活と制作のバランスを取るため昼型の制作リズムとなり、これまでには取り上げなかった身の回りのものを薄塗りで描く作品へと転換していく。『WALKMAN』は愛用していたウォークマンを描き、『Toy(虎)』もリアルな虎ではなく、子どもが遊ぶレゴのおもちゃをモチーフとして一気に描きあげているのだ。

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《白昼夢 #4》 2022年、キャンバスに油彩、H196xW306cm ©︎Daisuke Takahashi Courtesy of ANOMALY

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《Toy(キリン)》、キャンバスにアクリル、油彩、オイルスティック、H194.5xW162cm ©︎Daisuke Takahashi Courtesy of ANOMALY

自動筆記によるドローイングを契機に生み出された「白昼夢」のシリーズも見逃せない。そのうち『白昼夢#4』は、縄文、弥生から明治、令和といった年代や元号の漢字のみを一面に描いている。高橋は格子状の漢字の連なり、意味との視覚効果に魅せられて制作したとしているが、例えば文字や図形を絵画に描きこむバスキアに対する意識も垣間見えるかもしれない。また中には一見、白に見える下地に青を塗り込んだり、色が滲んだり弾くようなタッチが現れるなど、こだわりやかつてなかった表現が見られることにも注目だ。出品は30点。この4倍も制作された作品の中から選ばれたものばかりだ。ANOMALYでは初めてとなる個展にて、いま最も新しい絵画を味わい尽くしたい。

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『高橋大輔個展 絵画をやるーひるがえって明るい』
開催期間:2022年9月10日(土)〜10月8日(土)
開催場所:ANOMALY
東京都品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex 4F
TEL:03-6433-2988
開廊時間:12時~18時
休廊日:日、月、祝
無料
http://anomalytokyo.com

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