星のや東京で体験する、真夜中の江戸怪談

  • 文:久保寺潤子

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日本各地の地域性を生かしながら「圧倒的非日常」を提供する「星のや」。東京・大手町の日本旅館「星のや東京」では8月31日(水)までの毎週土曜日、「納涼・怪談落語」を開催中だ。江戸時代、夏の暑さをしのぐために怪談噺を聞き、恐怖によって背筋をゾッとさせることで涼を楽しんだ風流な催しを再現する。

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地下2階、地上17階の塔のような空間は、畳敷きの玄関、伝統的な和室、お茶の間ラウンジ、最上階の温泉で構成されている。

夜な夜な人が集まり、百個の怪談を語り合う『百物語』が行われた江戸では、より涼を感じられるよう青い着物を着て参加したという。これに倣い、参加者(宿泊者限定)は藍色の浴衣を身にまとい、百個の行燈を並べた空間で落語家による怪談話に耳を傾ける。開催時間は深夜0時から丑三つ時といわれる午前2時にかけて。語り手は落語協会所属の真打、玉屋柳勢(たまやりゅうせい)。日本三大怪談の一つ『牡丹燈籠・お札はがし』や古典落語の名作『死神』を聞きながら、涼をとるという趣向だ。

また江戸時代の寄席が小料理屋やお座敷で行われたことにちなみ、怪談の前には酒と肴が供される。東京産の原料にこだわった老舗酒店の銘酒と、夏の風物詩・冷奴を楽しみながら暗闇に浮かび上がる行灯に囲まれれば、江戸時代にタイムスリップしたかのよう。

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この催しのために用意された浴衣は、日本橋の老舗浴衣地店、戸田屋商店のもの。すっきりとした藍に映える古典柄を身につけて粋な時間を過ごしたい。
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怪談話の前に提供されるのは1596年創業・豊島屋酒店の日本酒と、神田の老舗豆腐店・越後屋の冷奴。

同旅館では「東京・夏夜の宴」も同時開催されており、館内は夏祭りの雰囲気に包まれる。提灯が揺らめくロビーでは江戸の食文化にちなんだ「風鈴そば」や縁日の雰囲気を再現した屋台が登場する。その昔、武家の上屋敷が建ち並び、街道の起点となった日本橋が近くにあったことから独自の娯楽が発達した東京。この夏は東京のど真ん中で、江戸の夏遊びに興じてみたい。

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17時から20時まで、ロビー・講堂では「星のや縁日」が開催され、江戸風鈴の絵付けや張子のお面づくり体験、地酒やおつまみなどが無料で楽しめる(宿泊者限定)。

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江戸時代、風鈴の音とともに夜食用の蕎麦を売り歩いていた屋台「風鈴そば」。館内では20時から23時の間、宿泊者限定でこの蕎麦を無料提供する。強いコシと豊かな風味が特徴だ。

「納涼・怪談落語」


■期間 :2022年6月1日~8月31日の毎週土曜日
■定員 :10名 (最少催行人員2名)
■料金 :15,000円(税・サービス料込、宿泊料別)
■含まれるもの :落語、浴衣(貸出し・着付け)、冷奴、日本酒

■予約 :公式サイト https://hoshinoya.com/tokyo にて14日前まで受付
■対象 :星のや東京宿泊者

「東京・夏夜の宴」

■期間:2022年~8月31日
■対象:星のや東京宿泊者
■料金:無料*一部有料
■時間:催し物により異なる
*状況により、実施内容やスケジュールが変更になる場合があります。