アートで問いかける、世界のいま。SHUN SUDOのソロエキシビションが開催

  • 文:今井未央
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SHUN SUDO氏

ひと目見れば忘れられない、鮮やかな色彩とポップなモチーフが印象的な作品を手掛けるアーティストSHUN SUDO氏による個展「Blowin’ in the Wind」が、7月24日(日)まで、東京・渋谷のelephant STUDIOで開催中だ。

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SUDO氏といえば、いま世界が注目する現代アーティストの一人。水彩画のような繊細なタッチのドローイングとダイナミックな曲線で描くアイコニックなモチーフを融合させた作風に世界中からファンが集う。

どんな状況下でも人の心を癒す“花”と「ふたつの布を繋ぐボタンのように、人の心を繋いでくれたらいい」そんな思いを表現する“ボタン”を組み合わせた、SUDO氏の代名詞「ボタンフラワー」は、目にした人の心を明るく前向きなものにしてくれる。

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国内では5回目となる今回の個展「Blowin’ in the Wind」では、SUDO氏が感じるままの“いまの世界”を真っ白なキャンバスに表現した。

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モノクロのドローイングに世界の混沌を生み出す武器や戦争を想起させるモチーフ、オーバードローイングで平和の象徴となる“鳩”や鮮やかな「ボタンフラワー」が描かれ、世界の平和を願うSUDO氏の純粋な思いが込められる。

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最前線で戦闘する兵士のヘルメットがフラワーベースとして描かれる「Blowin’ in the Wind 01」。

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花瓶に見立てたバズーカに「ボタンフラワー」が咲く「Blowin’ in the Wind 02」。

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飛び散る薬莢で花の茎を表現した「Blowin’ in the Wind 03」。

Blowin’ in the Wind

日々世界から飛び込んでくるニュースに少しずつ心が削られていた。
僕はその削られた部分を埋めるように絵を描いた。
絵のなかで武器を葬り、銃弾を花に変え、
絵を描きながら命について考え、平和を祈った。
僕にはそんなことしかできない。
でも僕の絵を見ただれかが だれもが笑顔で語りあい、
笑いあえる世界を守りたいと思ってくれたら、
それだけで僕はじゅうぶんだ。

SHUN SUDO

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壁に飾られたステートメント。SUDO氏の平和への思いが綴られる。

つい何度も読み返してしまうステートメントは、世界を賑わす様々な情景が頭に浮かび、熱いものが込み上げる。

タイトルは、ミュージシャンBob Dylan(ボブ・ディラン)の代表作「Blowin’ in the Wind」から名付けられる。“いまの世界”と向き合う中で、人権、自由、戦争、平和について問いかけるこの曲に不思議とシンパシーを感じたという。「答えは風に吹かれている(The answer is blowin’ in the wind)」という歌詞にあるように、強い意志に裏打ちされながらも「答え」を押し付けるのではなく、メッセージとして問いかけるスタンスは、SUDO氏の作風と重なるようにも見える。

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今回の個展では、新作の原画 9 点の展示のほか、自身初となる石版画作品も発表した。版画摺り師の尾崎正志氏の職人技に感銘を受け、ピカソの代表的な作品でも用いられたリトグラフ(平版画)の原点ともいえる石版石での制作に挑戦した。「版画摺り師とは画家の裏方である」という信条から「画家の筆」となり「画家の色」に染まることを常に目指す尾崎氏の姿勢と、SUDO氏の繊細な表現力による新しいアートピースが完成した。

版画摺り師・尾崎正志氏との石版画制作風景
Shun Sudo - RESONANCE - Short Film

独学でアートを学び、世界を旅しながら得た感性をもとに生み出されるSUDO氏の作品は一つのジャンルに収まりきらない。SUDO氏が生み出す新しいアートのかたちをぜひ体験して欲しい。

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SHUN SUDO

世界を旅しながら得た感性をもとに独学でアートを学ぶ。2015 年、初のソロ・エキシビジョン「PAINT OVER」をNew York で開催。翌年には40 年に渡りギャラリー、美術関係者から絶大な支持を受けるマンスリーのアートブック「BLOUIN GALLERY GUIDE」のカバーページにも採用。それ以降、国内外で個展を開催しながらニューヨーク、マイアミ、東京で手掛けたスケールの大きなアートウォールもアートファンのみならず、ファッション関係者の間でも話題に。NIKE、Apple、PORSCHE などのグローバル企業とのコラボレーションも多数手掛け、その創作活動は既に日本を飛び出し世界のアートシーンに刺激を与えている。

SHUN SUDO solo exhibition
「Blowin’ in the Wind」

会期:2022年7月9日(土)〜7月24日(日)12:00〜19:00 *水曜休館
会場:elephant STUDIO(東京都渋谷区渋谷 2-7-4)
入場料:無料
http://www.shunsudo.com/