史上初めての開催!東京・立川のPLAY! MUSEUMへコジコジとゆかいな仲間たちに会いに行こう

  • 文・写真:はろるど

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PLAY! MUSEUMにて開催中の『コジコジ万博』から「ギャグ50連発」展示風景。 巨大なコジコジが名言やギャグをしゃべっていて楽しい。会場内は原画以外撮影OK。

「生まれた時からずーっと将来もコジコジはコジコジだよ 遊んで食べて寝てるだけだよ なんで悪いの?」かわいらしい見た目と、純粋無垢ながら常識をくつがえすような言葉のギャップが面白いコジコジ。1991年に「らくがき」として誕生し、さくらももこが「赤ちゃんみたいにかわいい」と大切に育ててきたその子は、イラストポエムや絵本に登場すると、1994年には少女漫画誌に連載され、その後にテレビアニメとして放映されるなど、多くのファンを獲得している。

PLAY! MUSEUMで開催中の『コジコジ万博』は、史上初めてコジコジを単独で取り上げた展覧会だ。コンセプトは「万博」。巨大なコジコジが名言やギャグをしゃべる「ギャグ50連発」をはじめ、キャラクターたちが宙に浮かぶスクリーンで揺れ動く感情を語る「エモーショナルフレンズヒーリングゾーン」、それにアニメのエンディング映像にあわせてダンスできる「ディスコ☆ポケット カウボーイ」などのパビリオンを巡り歩きながら、コジコジと仲間たちに出会い、物語へと入り込めるように工夫されている。あちこちからコジコジの声も聞こえてきて、没入感が高い展示に思わずテンションもあがってしまう。

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「コジコジと仲間たち」 。24人のキャラクターが教室にひしめき合っている。お気に入りのキャラクターを原画とともに探したい。

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特別アニメ「コジコジと次郎の不毛な会話」 。NHKキャラクター「どーもくん」や「リラックマとカオルさん」で知られるドワーフによって制作された。

「コジコジと次郎の不毛な会話」は、アニメ制作スタジオのドワーフが手がけた約1分半の新作アニメーションだ。2Dのアニメを参考に、選りすぐりの作家に人形の制作を依頼。2カ月かかって出来上がったコジコジと次郎の人形を用いて、2人の噛み合わない不思議な会話をコマ撮りで映している。そもそもコジコジの3D作品はないため、舞台背景も最初から制作。細かい表情や仕草を見事に表現しているだけでなく、隠れキャラが登場するなどユーモアにも満ちている。同時に展示された世界に1つだけの動くコジコジの人形と見比べるのも楽しい。

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「原画で読む名場面8」展示風景。完成度の高い原稿がずらりと並んでいる。

何よりも見ておきたいのが、130点公開された貴重な原画だ。まずコジコジが通う学校の教室をイメージした「コジコジと仲間たち」では、24人のキャラクターをさくらももこの言葉とともに漫画原稿にて紹介。ハレハレ君やジョニー、それにゲランややかん君などユニーク極まりないキャラクターの性格や特長を知ることができる。さらにハイライトともいえる「原画で読む名場面8」は、「まほうの練習の巻」や「海水浴へ行こうの巻」などコジコジが活躍する8つの場面の漫画原稿を絵巻物のように並べ、贅沢にも原画で漫画のストーリーをたどれるのだ。

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テレビアニメ『コジコジ』のエンディング映像に入り込める「ディスコ☆ポケット カウボーイ」。電気グルーヴ「ポケットカウボーイ」(※)にあわせ、お立ち台にあがって踊りたい。※1997年〜1999年放送 第1話〜第66話のエンディングテーマ曲

ナンセンスギャグとファンタジーが融合し、「バカメルヘン」という言葉でも語られるコジコジの世界観。温かくもシュールな存在でもあるコジコジは、友情や自分探しに悩む仲間を優しく包み込み、いつも笑いへと昇華させてくれる。作品が誕生してから約30年。個性や多様性がより求められる今だからこそ、世代を超えて大人の心にも響く作品をPLAY! MUSEUMにて体感したい。

企画展示『コジコジ万博』
開催期間:2022年4月23日(土)~7月10日(日)
開催場所:PLAY! MUSEUM
東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟 2F
TEL:042-518-9625
開館時間:10時~18時
休館日:会期中無休
入場料:一般¥1,500(税込)  
※日時指定制。臨時休館や展覧会会期の変更、入場制限などが行われる場合があります。事前にお確かめください。
https://play2020.jp