ネパールの村で自分のコーヒーの木を育てて飲む。関わる人すべてのストーリーを大切にするBIKAS COFFEEに出会いました

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    コロナ禍になって出版社との打ち合わせはすべてリモートになって早2年。ひさびさに出版社のある江戸川橋駅へ降り立つと、新しいコーヒースタンドができていました。「BIKAS COFFEE」という名前のお店。気になった理由はネパール産のコーヒー豆のみを扱っていること。ネパールはお茶が有名だけれど、コーヒーを育てているのを聞いたことがなくて、もちろん飲んだことがない。というわけで、ネパールのコーヒー、どんな味なのか飲んでみたく立ち寄ってみました。

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    ハンドドリップをオーダーしたら、出てきたカップがこれ!


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    ずーっとずっと本当にずっーとテイクアウトカップの蓋がプラスチックであることを「これも紙になればプラごみが減るのになぁ」と思っていたんですが、こんな形で100%紙カップが実現できるとは!画期的。


    そしてネパールのコーヒーの味というと、すっきりした中にフルーティさと地球の味って言ったら「?」って思われるかもしれないですが、森っぽい味がします。アフリカや南米のコーヒーとはまた違った特徴がありました。ネパールのコーヒーがどうしてここ江戸川橋にあるのか、BIKAS COFFEEのCEOである菅勇輝さんにお話を聞いてみると、ネパールのコーヒー豆、そして画期的な紙カップ以上の、とても深いストーリーに思わず出会えてしまいました。

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    まずは、なぜネパールなのか。菅さんが学生時代にネパールに学校を作ったことがきっかけで、ネパールのハルパン村と関わりができたから。この村の人たちは自給自足で裏庭で農作物を育てているそうです。その庭にコーヒーの木も植えることで無理してコーヒー農園を作るなどの出費をすることなく、収穫の量は少ないけれど自分たちが食べる農作物と一緒に大切に育てて、それを直接BIKAS COFFEEへ届けてくれます。それを東京の江戸川橋でわたしたちがおいしくいただいているというわけ。

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    そしてBIKAS COFFEEが目指しているのが「GLOBALACTION:個人価値(そのヒトにとっていいコト)をカタチにすることで、経済・社会の価値も生み出していく」こと。壮大すぎるように聞こえますけど、全然そんなことないんです。

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    日々気軽に飲むコーヒーを通して自分を見つめるきっかけを作って、それがさらに社会的な貢献と経済価値につながったら「マルっとすべてよし!」ってことですね。自分が選んで飲むコーヒーで、農家さんの収入が安定して、さらには森ができる。自分が飲むコーヒーによってその先のアクションを直接感じられるってすごくないですか?普段飲むコーヒーってオーガニックやフェアトレードを選んだりできますが、それよりももっと直接的で個人的で、自分が買ったコーヒーでそのコーヒーが生まれた場所がどう発展していくかを見られたら、もっと応援したくなりますよね。

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    ネパール・ハルパン村のコーヒーを買って飲むことに加えて、5月1日から「ミライを描き続けられる社会を実現する」というビジョンのもと、ハルパン村に自分のコーヒーの木を植えて、3年間育ててその木のコーヒーを飲むプロジェクトがはじまると教えてもらいました。自分の木を植えて3年後、収穫してそれを飲む時自分がどうなっていたいかを考えるきっかけが生まれると同時に、農家さんの安定収入と森を作ることにつながるってことで、まさにマルっとすべてよし!なプロジェクトです。今回のクラウドファンディングで集めた資金でネパールの首都カトマンズにBIKAS COFFEEの第2号店を作る計画だそうです。

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    ひょんなことから出会ったBIKAS COFFEE。まさかこんなにストーリーのあるコーヒーだとは!ネパールに自分のコーヒーの木を植えるクラウドファンディングは5月1日から15日まで。詳細はこちらをご覧ください。好きなもので何かが生まれて、それが大きなアクションと繋がっていくって、1番気軽で簡単で無理ない社会貢献だと思います。ハードルも意識も高そうな「社会貢献」って実は、これくらい気軽だったらもっともっとできる人が増えるんだろうなと思わせてくれたおいしいコーヒーでした。

    最後に、BIKAS(ビカス)はネパール語で「発展」の意味。BIKASのコーヒーを中心にそれに関わる人すべてのストーリーが発展していくんだ〜と感じました。たくさんの人に、まずはBIKASを飲んでみることからはじめてみてほしいなと思います。

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    『BIKAS COFFEE 江戸川橋店』

    住所:東京都文京区関口1-23-6プラザ江戸川橋112
    営業時間:9時30分〜17時(月〜金) 10時〜20時(土・日・祝)
    www.bikascoffee.com

    岩田リョウコ

    文筆家、イラストレーター

    コロラド大学大学院東アジア言語文明学科卒。2009年から外務省専門調査員として在シアトル総領事館勤務。在米中に出版した『COFFEE GIVES ME SUPERPOWERS』がベストセラーとなり世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ愛好家でもあり、フィンランド政府観光局サウナアンバサダーに任命されている。著書に『週末フィンランド』、『エンジョイ!クラフトビール』、『コーヒーがないと生きていけない!』、『HAVE A GOOD SAUNA!』がある。
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    岩田リョウコ

    文筆家、イラストレーター

    コロラド大学大学院東アジア言語文明学科卒。2009年から外務省専門調査員として在シアトル総領事館勤務。在米中に出版した『COFFEE GIVES ME SUPERPOWERS』がベストセラーとなり世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ愛好家でもあり、フィンランド政府観光局サウナアンバサダーに任命されている。著書に『週末フィンランド』、『エンジョイ!クラフトビール』、『コーヒーがないと生きていけない!』、『HAVE A GOOD SAUNA!』がある。
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