4人に3人が、黒・赤を選ばず!? ランドセルのカラフルな最新事情

  • 写真・文:高橋一史

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ランドセル工房を併設する、「土屋鞄製造所 西新井本店」。

全国に店を持つランドセル&バッグの名門である土屋鞄製造所(以下、土屋鞄)による4月7日付の報道資料によると、
「2022年3月2日から4月3日までの約1ヶ月で、ランドセル購入者の約76%が赤系と黒系以外の色を選んでいる」
とのこと。
ランキングでは、
1位:ピンク、2位:茶(キャメル系)、3位:黒、4位:パープル(ラベンダー系)、5位:青
だそう。
ピンクが販売数の19%で青が11%ですから、この間では大差なさそうですが、それにしてもカラフル傾向が数字に表れてます!

気になってランドセルの好みの移り変わりをネットで調べたところ、00年頃から従来の黒・赤で男女をわける流れが変わってきたようですね。
10年前後にはだいぶ定着してきたらしく。

今年2月にランドセル工房を併設する土屋鞄の店にバッグ取材のため行ったとき、男女の区分を子どもに押し付けず自由な選択ができるカラフルなタイプが大人気との話を広報担当者さんから伺いました。
それがはっきりと数字に表れてるんですね。

ではトップクラスに人気なのはどのモデル?
それは21年に新登場するなり売上上位をほぼ独占した、ジェンダーレス時代に対応した「RECO(レコ)」シリーズです。

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2月のショップに並んでいた色バリエ豊富な「RECO」シリーズ。¥82,000〜83,000(税込)。

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RECOのディテールは男女を問わないオーセンティックさで、色に集中して好きなのを選べます。現代のランドセルって、アウトドアバックパック並に背面や肩ベルトがエルゴノミクスなんですね!

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内部はシンプルで自由に使えるつくり。手前のポケットにはタブレットも入れられそう。

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開いても美しいのが土屋鞄のこだわり。素材は、かぶせ(フラップ)と肩ベルト表側がともに牛革で、本体と肩ベルト裏側が合成皮革。適材適所な素材使いで軽量化もコストも考えられてます。

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細かな型押し素材が大人心もノックアウトするカーキ色モデル。「子どもにゃ贅沢すぎねーか!?」と思っちゃう私は、生まれも育ちも現在も庶民。

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ミナ ペルホネンとのコラボシリーズ「アトリエ」(¥84,000税込)も大人気だそう。裏蓋がオリジナル絵柄。当然ながら親と子で絵や色の好みが違うらしく。私が親なら子に「好きなの選べ。その代わり6年間責任を持て」と言いたい。たとえ言葉が理解されなくても。

ここに掲載した店は、鉄道・舎人ライナー線の西新井大師西駅が最寄り駅の「西新井本店」。
店の奥がランドセル工房で、職人さんたちが働いている様子を眺められます。
レストランのオープンキッチンのように、客が製造工程を見れて安心できる素晴らしいシステム。

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工房にディスプレイされたランドセルの全パーツ。

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あれ?職人さんの昼休み時間に来てしまったっ(笑)。誰もいない工房にずらりと並ぶ製造途中のランドセル。分業制で、土屋鞄には全国で約200人もの職人が働いてます。

「RECO」シリーズは22年7月31日(日)までオーダーでき、それ以降は製造本数に達したモデルから完売していくそう。

先日、ファッションのショップバイヤーさんから、
「25歳以下の人は上の世代より環境意識が高く、選ぶ服にもその目線がある」
と伺いました。
その理由は、「学校で環境教育がはじまった世代だから」と。
同じ意味で幼いころから男女の美意識がフリーなら、どんな大人になっていくか楽しみです。
私は赤の強烈さが子ども時代に苦手だったので(大人になったいまでも)、女子色という当時の社会通念とは無関係に黒ランドセルを使ってましたが(でも自分で黒を選んだ記憶はなし)、同じような黒好き女子がいてもいいはず。

ファッション周辺の仕事に従事している者として、幼少期から身につけるものに自主性を与えたら創造性が高まるかもしれないと期待します。
高級ランドセルは社会人の親が使ってるバッグより遥かに高い買い物でしょう。
「こっちにしといたら?」と誘導しがちでしょうが、そこをグッとこらえられたら、独身子どもナシの身としてはカッコいい親に思えちゃいますねえ。

★ジェンダーレスシリーズ「RECO」着用.jpg
「RECO」を背負ったジェンダーフリーな子どもたち。写真©土屋鞄製造所。

All Photos©KAZUSHI

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高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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