ネイバーフッドとのつながりを生むホテル。ホテルインディゴでのローカル体験が人生の1ページになる

  • 文:青山 鼓

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2022年3月に、すでにオープンしている箱根強羅、軽井沢につづいて愛知県犬山にオープンしたホテルインディゴ。その特徴は一言でいえば「新しい体験」。ホテル周辺の土地にあるユニークな世界観を、ゲストの体験やホテルのデザイン、ネイバーフッド・ホストと呼ばれるホテルスタッフのユニフォームに至るまで反映させ、まるで土地の語り部のように提供するスタイルだ。では実際、ホテルインディゴではどのような体験ができるのか、順に見ていくことにしよう。

都会での日常生活では吟味した良いものに囲まれて過ごす一方で、年に数度の旅行では豊かな滞在と刺激を受けて心をリフレッシュしたい。かつ、創造性豊かな仕事のために、滞在先での文化や歴史にも触れて、磨き抜かれた本物の良さを発見したい。

そんな嗜好の人々におすすめしたいのが、近年ホテルのトレンドにもなっている「ライフスタイルホテル」そして「ブティックホテル」だ。

ここでいう「ライフスタイルホテル」とは、デザイン性の高い空間や宿泊以外の付加価値を備えるホテルをいい、「ブティックホテル」はさらに独創的でテーマ性の高いデザインやサービスを売りにするもの。

そんな両者の特徴をあわせもつ「ライフスタイル・ブティックホテル」としてIHGホテルズ&リゾーツが展開するホテル「ホテルインディゴ」をご存知だろうか?

ライフスタイルホテルらしいハイクオリティで上質な空間を提供するだけでなく、ブティックホテルとしての独創性を、ホテルがある土地の文化や歴史、さらには周辺で暮らす人々の営みから取り入れる。そこではゲストと土地のソーシャルな交流やつながりが生まれ、ゲストにとってはそこに行くことやそこで過ごすこと自体が目的となる。

そんな明快なコンセプトを持つホテルインディゴでは、ホテル周辺の土地や人々を「ネイバーフッド」と定義し、そこでの歴史や情熱をホテルに取り込んでいるところがホテルインディゴの特徴だ。

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だから、ホテルインディゴのスタッフはいわゆるホテルマンではなく「ネイバーフッドホスト」と呼ばれている。ゲストに対してネイバーフッドのストーリーを土地への愛情豊かに伝える語り部である、ホストとしての役割を担う。

ネイバーフッドホストは、ただ「かしこまりました」とゲストの要望を叶えるだけの存在ではない。彼らが愛着を持って土地の思いをゲストに伝えることで、ゲストがその土地を実体験したくなり、そして、その体験が人生の1ページに深く刻まれる思い出になる。ネイバーフッドホストはゲストと土地との第一の接点であり、ゲストをローカル体験へといざなう存在だ。

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刺激的なストーリーに満ちた空間

土地の風土や歴史を反映したホテルの空間は、楽しく意外性のあるディテールで好奇心を刺激するようデザインされている。

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そのデザインにはホテルが建つエリアの刺激的な光景や音、そして味覚といったものを取り入れており、ホテルのロビーや廊下、そして部屋のインテリアや壁画などのデザイン自体がストーリーテラーとしてゲストの好奇心をくすぐり続ける。

いったい、それはどんな体験であるのか。ホテルインディゴ犬山有楽苑、ホテルインディゴ軽井沢、そしてホテルインディゴ箱根強羅の3つのホテルを例に、具体的に紐解いていこう。

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2つの国宝がすぐそばにある、ホテルインディゴ犬山有楽苑

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ホテルインディゴ犬山有楽苑は2022年3月1日に開業したばかり。ホテルロビーからは国宝の犬山城をのぞみ、ホテルに隣接する日本庭園「有楽苑」には、国宝である茶室「如庵」を有する。かつて衣服で擦れてしまう壁面を保護するためにできた意匠である「暦張り」や、空間を広く見せるための「斜め壁」といった、モダンインテリアにも取り入れられているディテールを見ることができる。

そしてインテリアデザインのそこかしこに、土地の歴史・文化、自然、人の温もりそして犬山の佇まいといったネイバーフッドストーリーが散りばめられており、人懐っこくストーリーテリングに卓越したネイバーフッドホストが、ゲストに土地への愛着をベースにしたストーリーを語ってくれる。

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朝食ではネイバーフッドホストがゲストの目の前で鰹の枯節を削ってみせる。硬い鰹の枯節が鋭い刃で削られていく鋭い音と、柔らかく立ち昇る鰹の香りが五感を刺激する、クリエイティブな食体験をさまざまな形で提供している。

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ゲストルームには木曽川そして李白が白帝城と詠んだ犬山城の姿がグラフィカルに描かれ、客室をつなぐ廊下には1300年の伝統を持つ木曽川の鵜飼いの様子が散りばめられている。篝火を焚いた船上で鵜を操る鵜飼いのエネルギッシュな姿もまた、ゲストの好奇心を刺激するようにデザインされている。

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ネイバーフッドホストは、こうした様々なデザインやインスピレーションのヒントとなるストーリーをすべて伝えることができる。その源にあるのは、この地域で生まれ育ったネイバーフッドホストたちの地域への愛着だ。

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別荘地の文化へのヒントに満ちたホテルインディゴ軽井沢

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2022年2月17日に開業した、ホテルインディゴ軽井沢。浅間山が見守る大自然や、西洋文化のエッセンスを随所に残す避暑地としての静かな文化が色づく別荘地にあって、ホテルインディゴ軽井沢では浅間山にまつわるアート作品を館内に配している。

軽井沢で暮らす人々が持つ、毎日自分たちを見守る浅間山へのリスペクトを、ゲストは目にするアートやネイバーフッドホストの語りにより知ることができる。やがて、ゲストは視界に入る浅間山の姿から、浅間山とともに暮らす軽井沢の人々のストーリーに想いをはせてゆく。ただホテルに滞在するのではなく、軽井沢に滞在する。そんな土地との深い繋がりを築き上げるような滞在体験こそが、ホテルインディゴ軽井沢が提供する価値だ。

別荘地を訪れたゲストがしたいこと、それは都会の喧騒を離れた静かな滞在。川のせせらぎや鳥のさえずりを楽しみ、静かにエナジーをリチャージする。春から秋にかけては中庭の焚き火台に火が入る。軽井沢のライフスタイルを象徴する薪火の体験。ゆらぐ炎を見つめる、癒やしの時間がそこにある。

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ゲストルームのインテリアも、ブティックホテルによく見られるグラフィックを大胆にあしらうものではなく、シックに落ち着いたデザイン。アーシーなグリーンやブルー、オレンジといった色味を差し込むことでスタイリッシュに、かつ別荘地らしい静かに落ちついた雰囲気を楽しめるようになっている。

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静かな滞在のハイライトとなるのは、ダイニングでの食事だ。オーセンティックなイタリアンは薪火を使って、信州産野菜のグリルや、地元のブルワリーであるKOKAGE BEERのクラフトビールを樽から提供。野菜に興味があるゲストには、シェフ自らが足を運んでいる柳沢農園での摘み取り体験も案内しているという。

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多くの芸術家にインスピレーションを与えてきた軽井沢はアートの街でもある。木版画家のテリー・マッケーナやイラストレーターのルイス・メンドのアートワークが館内やゲストルームを飾る。テリー・マッケーナは軽井沢にアトリエを構えており、木版画教室も開催している。もちろん興味が湧けば体験することが可能だ。

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豊かな文化を育む箱根のネイバーフッドストーリーにふれる

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世界中で展開するホテルインディゴの日本第1号がここ、ホテルインディゴ箱根強羅。伝統工芸である寄木細工をあしらった意匠がホテルのロビーやダイニング、ゲストルームの随所に施されている。

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さらにゲストルームのベッドボードには、箱根の古い街並みを写した写真を壁紙に。現在でも強羅で写真館を続けている「島写真館」から提供してもらったものだ。バスには浮世絵の人物が乗車していたり、右上にはUFOが飛んでいるといった遊び心が散りばめられている。

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またダイニングの壁面には歌川広重が東海道最大の難所、天下の険と詠まれた箱根の山を描いた作品にインスパイアされたグラフィックが。色鮮やかにモダンな空間を演出しているだけでなく、ホテルのネイバーフッドである、悠久の時の流れを感じられる自然へとゲストをいざなう。

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グリルオーブンに使っている薪は箱根の森の間伐材を活用し、サスティナブルな環境保全にも力を注ぐ。ネイバーフッドホストによれば、季節などによっては間伐体験を手配することも可能とのこと。また朝食では大平台の姫の水という、小田原城で暮らした北条の姫君が化粧水として使用していたとされる銘水で作られた豆乳や油揚げもサラダと一緒に提供。シェフやネイバーフッドホストから、そんなストーリーもあわせて語られる。

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ゲストだけでなく地域の人々とのつながりを築くことにも積極的なのが、ホテルインディゴのスタイル。春の桜祭りや夏の大文字焼きにはネイバーフッドホストたちも準備からイベント当日まで積極的に参加。これまで大切に継承されてきた無形文化財の湯立獅子舞においても今後の活動など密にサポートをしていくという。

その他、箱根町の施設「強羅暁の星園」の子供たちを誕生日祝いとしてレストランのランチに招待したり、職業体験の機会を設けるなど、地域の人々とさまざまな形で連携を図っている。そのような活動が実を結び、近隣の郵便局や銀行などでレストランの案内を設置してもらうなど協力してもらえる関係を築き上げた。自らが土地に愛着を持ちながらゲストに伝えるべき土地の文化を体感することで、地域に根ざしたホテルの在り方を見出し、さらに共感の輪を広げようとしている。

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ホテルインディゴが開く、ローカル体験の先にあるもの

このように、ホテルインディゴではデザインされたローカル体験のストーリーへのインスピレーションがくすぐられるよう、巧みにかつ刺激的にあしらわれている。それが会話のきっかけとなり、ネイバーフッドホストが語るストーリーへの導入となる。

静かな滞在でリチャージされるもよし、ホテルインディゴが開くローカル体験の扉をくぐり、自ら土地のカルチャーや人々に触れにいくもよし。他では体験できない発見へと導かれるままに、自身の体験をベースにしたつながりを築くことができる。それがホテルインディゴでしかできない、極上の滞在だ。

ホテルインディゴ箱根強羅
https://hakonegora.hotelindigo.com/

ホテルインディゴ軽井沢
https://karuizawa.hotelindigo.com/

ホテルインディゴ犬山有楽苑
https://inuyama.hotelindigo.com/

ホテルインディゴ ジャパンキャンペーン
https://www.anaihghotels.co.jp/plan/hotel-indigo-japan/