インドからベルリンまで、世界各地の“美しすぎる”映画館5選

  • 文:宮田華子
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3月27日に授賞式が行われた米アカデミー賞。映画とは無関係のハプニングの方が話題になってしまったものの、各賞の結果を見ながら「あの映画もこの映画も見たい!」と映画熱が急浮上している人も多いだろう。

コロナ禍を経て、今まで以上に「映画を見る=映画館に行く」から「映画を見る=配信サービスをサブスクする」という流れが一般的になり、映画館離れが心配されている。確かに手軽さの面では配信サービスにはかなわないが、映画館に行ってこそ味わえる「大画面の迫力」は配信サービスにはない醍醐味だ。

そこで「映画館で見たい!」「映画館に行きたい!」思わせる美しい映画館を紹介。素敵な映画館で秀作を見れば、映画鑑賞が特別のイベントとして心に刻まれるはずだ。

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1.Rajmandir Cinema(ジャイプール、インド)

1976年に開館したジャイプールの老舗映画館。壁のアーチ式装飾とシャンデリアがゴージャスなロビーは、「インドらしい華やかさ」が存分に味わえる。Business Insider によると、観客の快適さをプラスするためにエアコンからはフローラルアロマの香りが漂っているとのこと。スクリーン(上映スペース↓)も宮殿のような雰囲気で気分が盛り上がる。

ピンクとオレンジの外観が青い空に映える。

ライトアップすると外観は緑に変化する。

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2.Teatro Vivo(サンパウロ、ブラジル)

@triptyquearchitecture – instagram

サンパウロの中心部にある映画館。パープルをメインカラーに木目とコンクリートの質感を合わせ、モダンな雰囲気を演出している。ロビー部分はライティングの色が変わると、まったく異なる空間が出現するのも面白い。

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3.Urania National Film Theatre (ブダペスト、ハンガリー)

Cinema Tresuresによると、1899年にライブシアターとして開館。1916年12月以降は映画館として運営されている。700席のオーディトリアム、そしてホワイエ(通路)はムーア様式の装飾がほどこされ、荘厳な雰囲気。ゆったり優雅な気持ちで映画を楽しめそうだ。

なかなか見ることができない電球の交換風景。

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4.Odeon Luxe Holloway(ロンドン、イギリス)

@ODEONCinemas – Twitter

アメリカ出身の劇場建築家チャールズ・ホワード=クレーンが設計し、1938年に劇場(Holloway Gaumont)として竣工。最大3,000人を収容できる待合室を兼ね備えた豪華シアターとして地域のランドマーク的存在だった。1944年11月8日の空襲によりオーディトリアムは破壊したものの、外観とホワイエは焼け残った。戦後改修工事がなされ、1958年7月に映画館として再開館した。

2019年から段階的な改修工事を経て、2020年8月にリニューアルオープン。オリジナルデザインであるアールデコの雰囲気をさらに際立たせた色使いが目を引く。

まだ「改修したて」感があるのは否めないが、数年経つと渋みと味が出るだろう。

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5.Yorck Passage Cinema(ベルリン、ドイツ)

こんなカウンターでポップコーンを買ったらシネマ気分が盛り上がりそうだ。@batekarchitekten – instagram

1910年に「活動写真用劇場(moving picture theater)」として開館。1960年代の映画不振により閉館し約20年間倉庫として使われていたものの、1989年にYorck Kinogruppeによって改装され、再び映画館として復活した。2021年、Batek architectsがデザインを担当し、ロビーと地下スペースがレトロスタイルのインテリアに。どことなくウェス・アンダーソン作品を彷彿とさせる色や形が魅力的だ。

ホワイエのベルベッド製オットマンの色合いもレトロ感を醸し出す。

時代が変わっても、映画館の灯が消えないことを祈るばかりだ。