堀江貴文がトップコンディションを維持するための「3つの習慣」

  • 文:堀江貴文
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成功を勝ち取るのに、特別な能力はいらない。ポイントは「手持ちの能力」の最大化だと語る堀江貴文。彼が自らの働き方メソッドを初めて明かす本書『最大化の超習慣 「堀江式」完全無欠の仕事術』(徳間書店)より一部抜粋。堀江がトップコンディションを維持するための「3つの習慣」をお届けする。

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習慣その1
コンディションの鍵は「恋愛」にあり

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元気があればなんでもできる。元気がなければなにもできない。あなたの生きる力、働く力を最大化するうえで、体調管理は大前提の条件である。ベストコンディションを維持できれば、知力、思考力、集中力、対応力、行動力はつねにハイスコアを叩き出せる。コンディショニングに勝るソリューションはないのだ。

コンディションを保つのに、侮れないのが恋愛の効用である。世界的ベストセラーになった『性の進化論』の著者クリストファー・ライアンの説くところによれば、男性はセックスをすることで男性ホルモンのテストステロン値が上がり、くわえて関係性が新鮮であればあるほどその値は増すらしい。テストステロンは、骨、筋肉、血液などの生成に関与するほか、動脈硬化を防ぎ、脂質代謝を促す作用がある。また意欲、ストレス耐性、決断能力といったメンタル面の増強作用もあるとされている。恋愛にはそうしたメリットがあるわけだ。もちろんこれは男性だけにかぎった話ではないと思う。堀江さんって仕事と恋愛のバランスはいったいどうやって取ってるの? よほど遊んでいるように見えるらしく、たまにそんなことを聞かれる。バランスなんて考えたこともない。時期によっては仕事そっちのけで恋愛を優先させることもざらだ。ぼくにとって仕事と恋愛は等価だ。仕事に打ち込めば恋愛も充実する。恋愛が充実すれば仕事もはかどる。だれだってそうだろう。仕事と恋愛は相乗効果で成り立っている。

これはとくに男性に言えるのだが、歳を食うと身なりがおろそかになりがちだ。へたったスーツをまとい、せり出した腹を隠そうともせず、寝起きのような頭髪で街中を平然と歩いている。身なりだけではない。口を開けば、さも自分が正しいとばかりに会社のグチだ。でなければネットで拾ってきたどうでもいい時事ネタを得意気に披露する。聞かされるほうは堪たまらない。そんな粗大ゴミのようなオヤジに女性が寄りつくはずもない。まあ当人からすれば、もうべつに女性にモテなくていいのだろうが、おなじ男だって寄りつかなくなる。つき合わされる同僚や部下は苦痛しか感じていない。しぶしぶ、てきとうに話を聞いているだけだ。異性だろうが同性だろうが、ひとは小奇麗(こぎれい)にしている相手に好感を抱くようにできている。小奇麗にしておけば、ひとが集まる。ひとが集まれば、とうぜん有益な情報も手に入る。さらに仕事が充実する。するともっとモテる。ひとが集まる。無限の好循環である。

ぼくはへたった服はぜったい着ない。もちろんブランド物である必要はない。大切なのは清潔感だ。肌のケアも、歯のケアも抜かりなくやっている。身だしなみひとつで、相手の態度は決定的に違ってくるのだ。

女性にアタックするときは、堂々とぶつかろう。だが相手が少しでも迷惑そうなそぶりを見せたら素早く退散する。これは鉄則だ。そこを見誤るとストーカーだ。それだけわきまえて、あとはガンガンぶつかる。自信をもってガンガンぶつかるのだ。自己肯定感の低い人間が魅力的なはずがない。いけ。

「若いイケメンが好き」という市場にはぼくは逆立ちしても参入できない。そこは無理。最初から捨てる。ぼくに可能性があるのは「ぽっちゃり好き」「年上好き」「頭のいいひとが好き」というクラスタだけだ。どんな好みの女性だろうがそれらの要素がないなら、ぐっと堪こらえる。なにをやったところでどうせ無残に散る。ぽっちゃり好きなんてわずかでしょ? とあなたは言うかもしれない。そんなことはない。あなたが知らないだけだ。いるよ。いっぱいいる。

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習慣その2
筋トレはあらゆる成果を最大化する

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日本人で初めてフェラーリの車体デザインを手がけた、工業デザイナーの奥山清行さんが、以前なにかのインタビューでこう答えていた。「デザインワークでいちばん大切なこと? 体力です。最後のもうひと押しができるかどうか。もう一段階クオリティを高められるかどうか。すべて体力です」まったく同感だ。アイデアが求められる仕事にしろ、デスクワークにしろ、体力なくしてパフォーマンスは上がらない。ぼくの周りの大仕事をやってのけたひとたちも、みんな一様にタフだ。単純に肉体的にタフなのだ。たとえ見た目の線が細くとも、いざとなれば無理が利く。そんなタフさがある。一にも二にも体力がものを言うのだ。そのためには筋トレである。確実に体力をつけ、維持するには筋トレしかない。ぼくはどんなに忙しくても毎週、ジム通いを欠かさない。

むかしテレビのドキュメント番組に密着取材されたことがある。ぼくの毎日の仕事ぶりを追うという内容だったが、取材がスタートして何日かすると、取材クルーたちはヘトヘトになっていた。ぼくがあまりに休みなく動き回っていたからだ。親しいひとに言わせると、ぼくのいちばんのストロングポイントは、優れた体力なのだという。だとすれば、それを支えているのは筋トレだ。

ひとの体の筋肉量は生まれてから成長するにつれて増え、20歳くらいでピークに達する。そしてそこから早くも筋肉量は減っていく。とくに30歳以降、ほとんど運動をしないでいると、急激に減少していくそうだ。骨格筋が減少し、身体機能が著しく低下する現象をサルコペニアと呼ぶ。日本だと、40歳以上の約4分の1がサルコペニアになっているという。それだけ多くのひとが、日ごろの運動をおろそかにしているということだ。

ウォーキング、ランニング、スイミング、ウエイトトレーニング(筋トレ)、ストレッチトレーニングのうち、どの運動が健康改善にもっとも有効なのかを、アメリカの医療チームが調査した。高血圧や肥満体のひとたちを被験者にしてさまざまな運動パターンを試した結果、いちばんポジティブな成果を示したのは、筋トレとストレッチを組み合わせたパターンだった。筋トレだけでもダメ。ストレッチだけでもダメ。またランニングにも特筆するような効果はなかったらしい。長距離のマラソンやロードレースといった持久力運動は、テストステロン値を低下させ、老化を加速させるという説もある。出勤前、退勤後のジョギングを日課にしているひとは、すこし注意したほうがいいかもしれない。

筋トレというのは、筋肉をいじめることだ。自分を追い込むことだ。筋肉は、筋繊維と呼ばれる繊維状の細胞が束ねられて構成されている。筋肉を酷使(こくし)すると、その繊維の束が一時的に切れる。その切れた筋繊維はのちに修復される。その修復過程によって、筋肉はそれ以前より大きくなる。筋肉が増える。それが筋トレのメカニズムだ。ということは、筋肉をいじめるだけではダメで、ケアも重要になってくる。そのケアのひとつがストレッチなのである。筋トレはただがむしゃらにやればいいというものではない。科学的に理(り)に適(かな)ったやり方で取り組まないと、まさにくたびれ儲(も)うけだ。

筋トレはつらい運動だ。いちばんキツいスクワットで追い込んだ直後は、ほんとうに階段を1段も上がれなくなる。しかし毎日を快適に過ごすためには欠かせない。いわゆる四十肩、五十肩は、インナーマッスル(深層筋)の衰えで肩が滑らかに動かなくなり、その摩擦で生じる炎症が痛みになってあらわれるものだ。ぼくはそんな老化症状にいっさい悩まされることなく、楽しく暮らしている。長年の筋トレのおかげである。

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習慣その3
なにがなんでも歯医者には定期的に通う

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歯の痛みは人間の知覚する痛みのなかでは最強だと言われる。それはなぜか。歯周病の悪化によって引き起こされるデメリットはとても多く、ときに命に関わるほど深刻だから、強烈な痛みのサインを出しているのだと考えられる。尋常(じんじょう)ではない痛みは、もっと体の環境に気をつけろ! という自身からの警告だ。歯周病予防はヘルスマネジメントの基本である。

ぼくは若いときからデンタルケアを心がけている。きっかけは20代のころ、歯根囊胞(しこんのうほう)になってしまったことだ。虫歯の放置が原因だった。いい加減な歯磨きのせいで口腔内の状態も悪く、歯医者の先生にひどく𠮟(しか)られてしまった。抜歯(ばっし)して、やむなくインプラントに替えた。飲食や日常生活に問題はないが、定期的なメンテナンスが必要になる。いちど失った永久歯は再生不可能だ。自前の歯をなくすまえにちゃんとケアをしておけばよかったと後悔した。以来、ぼくは朝夜のデンタルフロスとブラッシング、それに3か月に1回は歯医者でクリーニングをして、歯周病予防に努めている。

アメリカでは「フロスorダイ(Die =死)」という表現がある。デンタルケアは、死を遠ざけるくらい大事なのだという常識が浸透しているのだ。だから子どものころから、食事が終わるとデンタルフロスやマウスウォッシュでケアする習慣が徹底して身についている。

デンタルケア先進国のスウェーデンやフィンランドでは数か月に1度、全国民が無料で歯石除去を受けられる。義務的な制度ではないが、もしケアを怠おこたって虫歯になったら、治療費は全額自己負担だ。治療費は大変な高額なので、国民全員がデンタルケアに余念がない。ドイツでは歯科に定期的に通ってクリーニングをしないひとには、歯科治療の保険が適用されないという。そうやって各国が政策レベルで歯周病予防を促すのは、国の医療費を抑制する目的もある。歯周病患者はどの国も年齢や性別を問わず多い。歯周病予防の啓発により、医療費は大幅に節約される。こうした制度はぜひ日本でも取り入れてほしい。

歯周病菌は、歯周ポケットに潜りこみ、ケアを少し怠るとたちまち繁殖する。そして病菌は毛細血管から体内に侵入して、頭痛、免疫不全、内臓や関節の炎症など、さまざまな疾患をもたらす。ある専門機関の研究によると、脳内で動脈瘤(どうみゃくりゅう)破裂を起こした患者の患部から歯周病菌が見つかったという。疾患の直接的な原因かどうかは不明だが、歯周病菌はときに脳にまで到達するということだ。またべつの研究では、心疾患で死亡した5000人の遺体の心臓を解剖したところ、90%以上の遺体から口腔内細菌が見つかったとされる。心筋梗塞を起こした遺体の冠動脈内の血栓からも、歯周病菌が発見されたという。歯周病を放置すると、脳卒中(のうそっちゅう)や心不全に至るのである。

日本人の多くは、デンタルケアに対する意識がことのほか低い。「フロスは面倒くさい」「歯医者にクリーニングに行く時間がない」というひとは少なくないだろうし、なかには「虫歯は痛み止めで我慢する」なんてひともいる。デンタルケアの怠慢による健康被害はとても大きい。繰り返すが命を奪いかねないのだ。入念な歯磨き、そして定期的な歯科通院は、寿命管理だと考えて励行しよう。

加えて口臭ケアと、歯並びを揃える意識も、もっと浸透してほしいと思う。口の臭いひとははっきり言って迷惑だ。ビジネスチャンスも逃すだろう。また糖尿病や胃炎といった疾患の可能性も考えられる。口臭チェックもしっかりやろう。日本人には歯並びの悪いひとが多い。海外だとそれは「ヘルスリテラシーの低いひと」と見なされる。歯のトラブルは、だれでも気をつければ対処できる。さまざまな機会喪失のリスクは減らしていこう。

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『最大化の超習慣 「堀江式」完全無欠の仕事術』堀江貴文 著 徳間書店 ¥1,430(税込)

【執筆者】

堀江貴文
1972年、福岡県生まれ。実業家。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙するなど、幅広い分野で活動中。会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、1,500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開。『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『多動力』(幻冬舎)、『健康の結論』(KADOKAWA)、『時間革命』(朝日新聞出版)、『生き方革命』(共著・徳間書店)など著書多数。