アメリカ・ボストンには1862年に建設された「‟超”幅狭な家」として知られている家がある。4階建ての趣のある外観の家なのだが、横の建物と比較すると幅の狭さは一目瞭然。
Haffpostによると、この家の横幅は最長の部分でもたった3m、最短の部分は2.8m。手足を広げると、
このとおり!
幅狭なことから「スキニーハウス(The Skinny House)」の愛称で知られ、メディアに何度も登場。ボストン市内の観光地のひとつとなっている。
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もうひとつの愛称「悪意の家」の由来とは?
実はこの家には、もうひとつニックネームがある。それは「悪意の家(The Spite House)」という意味深かつ不気味なもの。なぜこんな気味の悪い名前がついたのだろうか?
WCVB-TVによると、ある兄弟の確執がこの家が建てられた背景にあるという。
2人の兄弟が、父親から土地を相続した。ひとりが南北戦争に出征して留守をしている間に、残ったひとりが土地のほとんどの部分を使って大きな家を建ててしまった。戦争から戻ったひとりは残った土地に幅狭な家を建てるしかなく、「悪意の家」と呼ばれるようになったという。
幅狭とはいえ、延床面積は108㎡。居間、2寝室、キッチン、バスルームの間取りに裏庭を備え、ベランダからはボストンハーバーも見えるこの家。代々の家主は心地よく暮らしていたようだ。
今年8月に再び不動産市場に。そのお値段は?
今年8月、再び不動産市場に出され、売却されることとなった「スキニーハウス」。不動産サイトZillowによると、提示額は120万ドル(約1億3,700万円)と高額!
Boston's famed 'Skinny House' lists for $1.2M https://t.co/6mdrBahIow pic.twitter.com/kSkkGgy7fQ
— New York Post (@nypost) August 11, 2021
2017年に90万ドルで売却されたことを考えると、たった4年で大幅に値上がりしたことになる。
The ‘Skinny House’ in Boston’s North End has sold — for $900,000 https://t.co/nsC7jHg6KK pic.twitter.com/a4qIxEvsqg
— Boston.com (@BostonDotCom) May 31, 2017
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なんと、提示額より高値で「売却済」に
8月から9月にかけて何人もの人がこの家の購入に名乗りを上げたそうだが、9月16日に「売却済」となった時の値段は何と125万ドル(約1億4,300万円)。つまり提示額よりさらに5万ドルもプラスされたのだ!
提示額も十分高額だったが、さらに高値での売却成立に多数のメディアが報道。大きな話題となった。
The “Skinny House” in Boston just sold for $1,250,000: pic.twitter.com/4068HZ6Gca
— Yahoo (@Yahoo) October 10, 2021
誰が購入したのかは不明だが、新家主もきっと「悪意の家」ゆえの幅狭を創意工夫で克服するはずだ。
ぜひ「狭いながらも楽しい我が家」で幸せに暮らしてほしい。
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【内観動画】「スキニーハウス」の全容を時代別に紹介
こちらは2011年12月に配信されたCNN Businessの映像。当時の家主が出演し、「スキニーハウス」を購入した経緯を語っている。
2017年、「販売中」だったときの内覧ツアー映像。不動産業者がこの家の歴史についてもコメントしている。家の中の様子がリアルに分かる。
2021年9月、125万ドルで「売却済」となったことを伝えるCBS Bostonのニュース動画。床や壁は2017年とほぼ同じだが、内観写真を見る限り「見栄え」は各段にアップしている。知名度に加え、「きれいな見た目」も値段アップに貢献したのかも?