美しき日本の離島の風景を捉えた、写真集『IMPERFECT UTOPIA(不完全なるユートピア)』出版のクラファンがスタート

  • 文:梶原博子
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2014〜2019年の6年間にわたり、日本各地の60島以上の離島の風土や風習を撮影した写真集出版プロジェクト。

スペイン・バルセロナに拠点を置き、世界中を旅しながら撮影を続けてきた写真家・森山徹とバルセロナ出身のティナ・バケ。ふたりは、365日間キャンピングカーで生活しながら日本全国を巡って撮り下ろした写真集『JAPAN /日本』を2010年に出版し、話題を集めた写真家夫婦だ。2020年から京都府美山に移り住み、2020年夏に築110年の茅葺きの古民家を改装した一棟貸しの宿泊施設「カーサ美山」と湿板写真をはじめとするアナログ専門写真館「美山フォトスタジオ」の運営をスタートした。

そんなふたりが今回、2014年から6年間にわたり撮りためた日本の離島をテーマとした写真集『IMPERFECT UTOPIA(不完全なるユートピア)』を出版するためのクラウドファンディングを開始した。

日本ではその昔、海で隔たれることによって多くの大陸文化は拒絶され、日本独自の文化が生まれた。しかしこのボーダレス時代に、日本の本土は大陸から絶え間なく押し寄せる新しい価値観の波に洗われ、本土では島国文化が薄れていってしまった。ところが森本とバケが訪れた多くの日本の離島では、未だ離島独自の風土や風習が色濃く存在し、本土では失われた文化や習慣が継承されていた。

「そこには、洗練されていない無垢の美しさがあり、そしてなによりも、日本の本土が島国であった頃の日本人の面影が残っていました」と語る両氏は、2014年から2019年にかけて日本各地の60島以上を巡り、中判カメラとパノラマカメラを用いて、全てフィルムカメラで島の日常を切り取ってきた。今回、ドイツのアート本出版社「Kehrer Verlag」からの写真集を出版するにあたり、写真集の制作費用を募るクラウドファンディングを行う。美しき日本の島の風景を切り取った写真集を実現させるために、支援してみてはいかがだろうか。

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リワード(お返し):バッカー名記載、写真集(先着100冊前割あり)、作品プリント、著者経営の一棟貸し切り宿「カーサ美山」宿泊、著者経営の写真館「美山フォトスタジオ」での湿板写真ポートレート撮影などから選択。

写真集プロジェクト『IMPERFECT UTOPIA(不完全なるユートピア)』

著者名:森本徹 & ティナ・バケ
出版社:Kehrer Verlag(ドイツ)
発売日:2022年春
販売価格:¥4,800(税込)
クラウドファンディング運営会社:
Kickstarter(キックスターター)
https://www.kickstarter.com/projects/imperfectutopia/imperfect-utopia