「翻訳」を通して見えてくる、私たちの感覚。クリスチャン・マークレーの大規模個展が開催

  • 文:宇治田エリ

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クリスチャン・マークレー《アクションズ:Froosh Sploosh Wooosh Sskuusshh Splat Blortch (No.2) 》2014 スクリーン・プリント、アクリル絵具、カンヴァス 222.2cm×302.5cm © Christian Marclay. Photo © White Cube (George Darrell)

2021年11月20日から2022年2月23日にかけて、東京都現代美術館で、クリスチャン・マークレーの国内初の大規模展覧会が開催される。

1955年アメリカ・カリフォルニア州生まれのクリスチャン・マークレーは、70年代末にニューヨークでターンテーブルを使ったパフォーマンスを始めて以降、30年以上にわたり前衛的な活動を続け、現代アートと音楽の交差点から革新的な作品を発表し続けてきた人物だ。視覚的な情報としての音や、現代社会における音楽の表象、物質化、商品化の手法に焦点を当て、現代アートと音楽を繋ぐ。日本でも、近年は「札幌国際芸術祭2017」に参加し話題を集めた。

今回開催される『クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]』展は、メディアを幅広く再利用しながら、さまざまな表現技法と掛け合わせてきたマークレーの、多様で折衷的な実践を多岐に渡って紹介するものだ。ある領域から別の領域への、言語に代わる「翻訳」行為を通して、創造的な可能性と矛盾について探求するマークレー。そんな彼の、初期のコンセプチュアル・アートやパンク・ミュージックに影響を受けた作品から、イメージと音の情報のサンプルを組み立てた大規模インスタレーション、そして現代社会に蔓延する不安を映し出した最新作まで、活動の全貌に触れてみよう。

(展覧会プレスリリース参照)

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クリスチャン・マークレー『リサイクルされたレコード』 1981年
コラージュされたレコード 直径30.5cm
Collection of the artist © Christian Marclay. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.

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クリスチャン・マークレー『エフェメラ:ミュージカル・スコア[部分]』 2009年
28枚の印刷物より Produced and published by mfc-michèle didier, Paris /Brussels
© Christian Marclay & by mfc-michèle didier. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.

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クリスチャン・マークレー『サラウンド・サウンズ』 2014-2015々 
映像インスタレーション
Photo: Ben Westoby
© Christian Marclay. Courtesy White Cube, London, and Paula Cooper Gallery, New York.

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フォノギターを弾くクリスチャン・マークレー 1983年
Photo: Steve Gross © Christian Marclay. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.

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クリスチャン・マークレー
トランスレーティング[翻訳する]

開催期間:2021年11月20日〜2022年2月23日
開催場所:東京都現代美術館
東京都江東区三好4-1-1
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時〜18時 ※入場は閉館の 30 分前まで
休館日:月曜日 、年末年始 (12月28日〜1月1日 )、1月11日 ※2022年1月10日、2月21日は開館
料金:一般 ¥1,800
※開催日時・内容などは変更となる場合があります。事前に確認をお薦めします。
https://www.mot-art-museum.jp/