サイクリングしながら哲学できる、「スピノザ・ルート」の人気が上昇中

  • 文:ユイ・キヨミ(Studio Frog)
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Photograph by Kiyomi Yui

AMSTERDAM アムステルダム
オランダ

アムステルダムが生んだ偉大な哲学者といえばスピノザ。先頃、その「人間は自然の一部」という自然科学的な哲学をテーマにしたサイクリングコース「スピノザ・ルート」が誕生し、アクティブな知識層の間で静かなブームになっている。

ポッドキャストとともに11カ所の緑地を回るコースは、所要時間約3時間。識者が、各ポイントの自然や生態系を現代社会と関連させて語る、ユニークな解説が聴ける。たとえば、南欧で越冬する蝶、ヨーロッパアカタテハの渡りを導入に、難民問題を考察。あるいは、地衣類の生態から共生社会のあり方を考えるなど、スピノザの言葉も交えた斬新な論理展開が知的好奇心を刺激する名企画。市庁舎前に立つスピノザ像(写真)がスタート地点だ。

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