巷のウォーキング神話、2つの「ウソ」とは?

  • 文:中野ジェームズ修一
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「神話」というと大げさだが、ウォーキングには、確かな根拠もないのに広く信じられている思い込みのようなものがたくさんある。そこで、効果的なウォーキングのアドバイスをする『定年後から始めて一生歩ける! 最大効果のウォーキング』(中野ジェームズ修一 著/CCCメディアハウス刊 )より抜粋。再検証した2つの「ウソ」をお届けする。

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1.ウォーキングは毎日やったほうがいい
⇒ ウソ 

▶自分のライフスタイルに合わせたメニューを
こなしていけばOK 

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ウォーキングは毎日やらなければ意味がないと考えて「今日は時間がないから、せめて5分だけでも歩こう。やらないよりはいいだろう」と言う人もいます。ですがそこまでして毎日やることにこだわる必要はありません。時間がない、やる気が出ないという日には、思いきって休んでもいいのです。

ウォーキングの運動効果を高めていくためには、「1週間の目標メニュー」を作って、その目標を少しずつ上げていくのがおすすめです。最初は「月・水・金の3回、20分のウォーキング」や、「週末だけ」でもかまいません。重要なのは「習慣化して続ける」ということ。そこから「週5回、30分のウォーキング」などというようにステップアップを目指しましょう。

「週に3日」や「土日だけ」でも大丈夫

運動内容によっては休養日を作ったほうがいいこともありますが、ウォーキングは疲労回復が必要なほどの運動ではありません。要するに、毎日やってもいいし、1日おきでも、週末だけでもいいのです。まずは「継続」し、そこから「ステップアップ」していきましょう。

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2.正しいウォーキングフォームはかかとから着地する
→ウソ

▶フォームは気にしなくていい

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かかとから着地するのがいい、ということ自体は間違っていません。ただし、それを意識しすぎて足首を曲げてつま先を浮かせて着地しようとするのは、ふだん運動をしていない人にとっては負担の大きい動きになります。というのも、足首を曲げるにはふくらはぎの筋肉の柔軟性が必要ですし、つま先を上げるにはスネの筋肉が発達していなければなりません。いきなりそれを長時間やろうとすると後半でつま先が上がりきらずに転倒の恐れが出てきます。

かかとから着地という意識はケガの元

無理にかかとから着地しようとする必要はありません。フォームを意識せず、中足部(足裏の真ん中)から着くようにすればいいのです。

フォームについてはよく質問されますが、ウォーキングはもっとも簡単にできる運動なので、細かい部分にこだわりすぎる必要はありません。自分が歩きやすいように歩いていれば、自然にベストフォームができていきます。そこから、歩幅を広げて速く歩くようにしていけば、運動効果が大きくなります。

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『定年後から始めて一生歩ける! 最大効果のウォーキング』中野ジェームズ修一 著 CCCメディアハウス ¥1,540(税込)


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【執筆者】中野ジェームズ修一

PTI 認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー米国スポーツ医学会認定運動生理学士(株)スポーツモチベーション 最高技術責任者(社)フィジカルトレーナー協会(PTI ) 代表理事「理論的かつ結果を出すトレーナー」として数多くのトップアスリートやチームのトレーナーを歴任。特に卓球の福原愛選手やバドミントンのフジカキペア(藤井瑞希選手・垣岩令佳選手)、マラソンの神野大地選手の個人トレーナーとして広く知られている。2014年からは青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化も担当。ランニングなどのパフォーマンスアップや健康維持増進のための講演、執筆など多方面で活躍。近年は超高齢化社会における健康寿命延伸のための啓蒙活動にも注力している。自身が技術責任者を務める東京都・神楽坂の会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB 100」は、無理なく楽しく運動を続けられる施設として、幅広い層から支持を集め活況を呈している。主な著書に『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経ビジネス人文庫)、『青トレ』(徳間書店)などベストセラー多数。