初めて食べたのは中学1年生の時。お友達に教えてもらって、なんだかちょっぴりわるいことをしているような子供の頃特有の感情と、どう考えても美味しいだろうにという味わいのダブルパンチを喰らったのが、マクドナルドの「てりやきマックバーガー」である。私は、食べ物の味わいの形がギザギザ、まんまる、ふわふわな雲のようだったりとか歪だったりとか、なんとなく見えるのだが、その中でもマクドナルドのてりやきマックバーガーはかなりきれいな形をしている。

きれいな形というのは歪ではなく整っているというのか、正六角形に近い形というのが1番分かりやすいのか。というのも五味＋脂味のバランスがばっちりど真ん中をついてきているのである。違うメーカーのてりやきバーガーはこの正六角形をベースにワンサイズ小さかったり、あえて1つ突出させたりして個性を出している。

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ところで私は日々、「日本酒ペアリング」というその料理に合う日本酒を出す仕事をしている。経験や化学的な観点で合わせつつも、反射的にやっていることはこの味の形をパズルのように料理と日本酒でピースをはめたり、時には日本酒が細いペンシルのような役割で料理をくっくりと囲んで浮き立たせてくれる。そんな感じでいつも考えている。

となると、実はペアリングをするうえでパズルのピースをはめる際は、味の形は少し凸凹だったり歪だったりした方がハメやすいのである。きれいな形は個では気持ちいいが、2個交わる時に、人を感動させるところまで持ってくには工夫が必要となってくる。四角いパズルの横に四角いパズルをはめるよりも、難解な形をしたもの同士がハマった瞬間の気持ち良さを思い出してもらえないだろうか。これがペアリングの妙であり、面白さである。

しかしながら、私の愛してやまないマクドナルドのてりやきマックバーガーに合う日本酒を見つけるべく、日々奮闘してきた結果ついに見つけてしまったので紹介させていただきたい。正確にはちょっとだけアレンジがいる。

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てりやきマックバーガーに合う、究極の日本酒とは？

お気に入りのどぶろく、またはにごり酒、炭酸水、氷、ガラムマサラを用意。
グラスに氷をたっぷりと入れて、にごり酒と炭酸水を1対1の割合で注ぐ。混ぜたらガラムマサラを少々ふりかける。なんてことだ、ガラムマサラの香りが正六角形の味の形を包み込み、幸せな気持ちになる。アルコールを飲めない方は、ノンアルコール甘酒でも試せるので、ぜひお試しください。