TBS『情熱大陸』で紹介された高級線香花火の、なんと“可憐”なことか!

  • 写真・文:高橋一史
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2021年8月15日(日)に放映された『情熱大陸』<筒井良太:線香花火職人>を観て、
「あれ、そういえば!?」
と棚を探ったところ、出てきました!
7月に開催されたファッションブランド、フィルメランジェの22年春夏展示会のお土産でいただいた線香花火が。
まさしく出演した三代目筒井良太さんの会社、「筒井時正玩具花火製造所」の品。

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紅白に色分けした線香花火を結びに見立てた、「祝い線香花火」。名入れは10個単位でオーダーできるようです。1セット¥495(税込)で、単純計算すると1本¥250近くする別格の花火。

日本の上質な品を土産にするあたりが、フィルメランジェの粋なセンス。
ここ最近国産の高級線香花火が気になっていたもので、いただいたとき嬉しくて。
でも知識はなく、「筒井時正玩具花火製造所」にどれほどの価値があるか理解してませんでした。
このたびのテレビ番組で、きれいな火を散らすために油の多い松の炭を使い、その原料を30年も寝かせないといけないこと、
火の勢いをスムーズにするため手漉きの和紙で撚ることなど相当な手間が掛かっていることを知りました。
国産品が安価な外国産とは別モノなのは以前から聞き覚えがあったものの、その奥深さに改めて興味津々に。
同社にはテレビ効果で注文が殺到し製造・発送が追いついていないようですから、オンエア前に入手できてラッキーです。
(フィルメランジェさんに、それこそ“感謝”)

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同社の最高級品に相当する、原材料にこだわった「線香花火 筒井時正」と同じクオリティ。

使う側も真剣勝負になれる、2本だけのセット。

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屋外で先端に火をつけました。
まず静かに丸い火の玉が灯り、少しずつ周囲に火花が出現。

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火をつけた初期段階の様子。火の玉からごく控えめに、火花が生まれてきます。

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クライマックスの1シーン。繊細で細い火の線が縦横無尽に駆け巡ります。このデリケートな美しさは見たことのないもの。思わず頭に浮かんだ言葉は、“可憐”。細く華奢で、小さな背中の日本女性が舞い踊っているかのごとく。

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周囲に弾け飛ぶ一瞬の輝き。今回使った2本は横長に広がる動きが多く、それはそれはエレガントでした。暗闇で実際に目にすると、残像効果で流れるような線が描かれます。

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終わる直前の灯火。本数の少ないかすれた線もまた儚く美しく。火花が出なくなると、中央の玉がすっと燃え尽きます。ポトッと下に落ちるのではなく、このまま姿を消すのです。

ふと、子供のころにこれを見たらどう思うか考えました。
ドラゴン花火とか6連打ち上げ花火とかに、キャーキャーはしゃいでた時代に。
大人だからこそ心に染み入る洗練、侘び寂びの美学がこの線香花火にある気がします。

結論。

子どもにやらせるなら、安物でいい 笑。

筒井時正玩具花火製造所
https://tsutsuitokimasa.jp/

All Photos©KAZUSHI

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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