音質重視で選ぶなら、ベストな選択肢の1つ。ゼンハイザーの最新完全ワイヤレスイヤホン「CX True Wireless」レビュー

  • 文・写真:三浦一紀

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ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホン「CX True Wireless」¥17,380(税込)/ゼンハイザー公式サイト

ゼンハイザーは、ドイツの音響機器メーカー。音楽の製作現場で用いられるヘッドホンやマイクなど、プロ向けの機器のほか、一般向けのヘッドホンやイヤホンなども多数発売している。

ここ最近は完全ワイヤレスイヤホンにも注力しており、その評判は高い。そこで今回は、2021年6月に発売されたゼンハイザーのエントリークラスの完全ワイヤレスイヤホン「CX True Wireless」をレビューする。

フィット感は高いが、ケースから出すときに注意

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イヤホンは片耳7g。プラスチッキーな質感

まずはハードウェア面を見ていこう。イヤホン本体は片耳で7g。7mmのドライバーを搭載しており、フル充電でイヤホン単体で最大9時間、充電ケースの併用で最大27時間使用することができる。このあたりは日常的に使用する分にはあまり不自由を感じないだろう。

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充電ケースもプラスチック製。小型軽量なのはうれしい

本体、充電ケースはともにプラスチック素材を採用しており、高級感はない。その分、軽くて持ち運びはしやすい。

イヤホンの形状はハウジング(外装)がやや大きめ。しかし、装着していて落ちてしまうという感じは一切ない。ただ、ケースから取り出すときなどにうまく指でつかめず、落としてしまうことがある。これは前モデルから感じていることなのだが、四角い形状がなんとなく指になじまないのだ。次モデルでは、ぜひ丸っこい形状にしていただきたい。

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充電はUSB-Cとなっている。約1.5時間でフル充電が可能

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音質に関しては文句なし。ノイキャンは無いが…。

筆者はゼンハイザーのイヤホン・ヘッドホンが好きで、数個所有している。業務用のお高いものは持っていないが、比較的低価格(いや、思いっきり低価格)の製品でも、音質がいいので気に入っている。

今回の「CX True Wireless」は実勢価格だと¥16,000〜¥17,000ほど。完全ワイヤレスイヤホンとしては比較的手に取りやすい価格となっているが、ノイズキャンセリング機能は搭載されていない。

しかし、音質面に関しては価格以上の実力がある。非常に素直な音で、長時間聞いていても疲れない感じなのだ。

現在のオーディオのトレンドとしては、音質そのものを重視しているものと、立体音響などの技術を用いてクリアかつ立体的なサウンドを重視しているものがあるが、このイヤホンは前者に当たる。

耳に入ってくる音はとてもまとまった印象なのだが、楽器ひとつひとつの音がきちんと分離して聴こえてくる。そして奥行き感があり、デジタル音源を聴いていてもレコードやカセットテープのようなアナログ的な音圧を感じる。非常に耳に心地よい。

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スマートフォン用アプリ「Smart Contorol」を使用すると、3バンドイコライザーが使用できる。自分のセッティングを保存しておくことも可能。低音が足りないと感じたらイコライザーでベースを上げるか、「Bass Boost」をオンにするといいだろう。また、左右のイヤホンをタップしてコントロールする際のモーションの設定変更も可能だ

ノイズキャンセリングがないが、付属のイヤーピースは4種類のサイズが付属しているので、耳にフィットするものを選んでつけることで、それなりに周囲の音を遮断することができる。ノイズキャンセリングが耳に合わないという人は、これくらいがちょうどいいのではないだろうか。

筆者は前モデルにあたる「CX 400BT True Wireless」を愛用しているのだが、音の傾向はほぼ同じだと感じた。大きく違うのはバッテリー面。CX 400BT True Wirelessはケース込みで最大20時間の連続再生だが、「CX True Wireless」は最大27時間。そう考えると、やはり最新モデルは魅力的。

音質面に関しては、フラッグシップモデルの「MOMENTUM True Wireless 2」とほぼ同等と言われているので、ノイズキャンセリング不要で高音質、かつお手頃な価格な製品を探している人にとっては、ひとつの答えとなるのではないだろうか。

問い合わせ先/ゼンハイザー
https://ja-jp.sennheiser.com/

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