『SR サイタマノラッパー』シリーズで映画ファンを熱狂させた入江悠監督が、同作以来10年ぶりとなる自主映画『シュシュシュの娘（こ）』を発表した。8月11日（水）に全国一斉プレミアム試写会が開催され、8月21日（土）から渋谷ユーロスペースほかにて劇場公開される。

本作は、入江監督が製作・脚本・編集も兼ね、自己資金とクラウドファンディングの支援金のみで製作。物語の舞台は、入江監督の故郷・深谷をもじった架空の田舎街“福谷”。理不尽な文書改ざんを命じられた末に自殺した役所の先輩・間野（井浦新）の仇を取るため、平凡な公務員・未宇（福田沙紀）が不正と闇にまみれた市政に立ち向かうという、商業映画では描けないタブーに切り込む自由な作品に仕上がっている。

クラウドファンディングで掲げた「本作の3つの夢」の1つは、「コロナ禍で苦境にある全国のミニシアターで本作を公開すること」。今回、全国24館のミニシアターで開催されるプレミアム試写会の入場料は、すべて各劇場に寄付される。上映後には各劇場をリモートでつなぎ、入江監督ほか出演者によるオンライン舞台挨拶も行われる。

コロナ禍で休業や販売座席縮小に追い込まれたミニシアター、仕事を失ったスタッフ・俳優陣、映画界の未来を担う若い学生たち、1011名ものサポーター。多くの人々の夢と希望を背負い、入江監督が純粋に目指すべき映画の形だけを追求した意欲作だ。