長寿遺伝子発見者の教授が教える、若さをキープするために自ら実践している「3つのこと」

  • 文:ニール・バルジライ、トニ・ロビーノ

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長寿遺伝子を発見した医科大学教授が、アンチエイジングの最新研究の成果を著した『SuperAgers スーパーエイジャー 老化は治療できる 』(ニール・バルジライ、トニ・ロビーノ 著/CCCメディアハウス刊)より一部抜粋。長寿遺伝子を発見した教授本人が、若さをキープするために日々行っている「3つのこと」をお届けする。

■若さをキープするためにしていること その1

→定期的な運動

わたしは、おいしい好物をもっと食べたいというのがおもな理由で、定期的な運動を始めた。でもその後、運動には食べる量を減らすほどの減量効果がないことがわかった。もし30分運動したら、約300キロカロリー燃焼できる。だが毎日の食事量を20%減らせば、約600キロカロリー減るのだ。とはいえ、運動はどんな年齢や状態でも若さを保つのに役立つので、わたしは毎日行うようにしている。

・有酸素運動―ほぼ毎日、ランニングマシンで約5キロ走るか、自転車で16キロ走る。新しいテクノロジー機器も利用していて、FitbitやiPhoneで歩数を記録している。記録をつけるとやる気になるので、1日1万歩が最低必要歩数かどうかわからないとしても、それ以上は歩きたいと思っている。

・筋力トレーニング―週に1回。

・バランスと柔軟性―週に1回、トレーナーの指導を受けながら行っている。

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■若さをキープするためにしていること その2

→夕食しかとらない断食を行なう

わたしは炭水化物やデザートを食べすぎないようにしているが、たいていは、なんでも食べたいものを夕食で食べ、翌日の食事をできるだけ先に延ばしている。つまり、昼食を遅くするか、夜まで食べないでいる。

ただし水や、お茶、コーヒーなどノーカロリーの飲み物で水分は必ず摂る。間食したくなったらアーモンドやオリーブを食べるが、これらには炭水化物がほとんどないし、吸収もされにくい。夕食しかとらない断食も数日連続して行うことが多く、とても簡単で気分がいいことに驚いている。

また、「フリースタイル・リブレ14日間コース」で血糖値を記録している。これは、腕の裏側に刺すための針がついた小さなパッチと、iPhoneの半分ぐらいの大きさのモニターでできている。針は見えず、感じないし、どんなときも邪魔にならない。自分の血糖値を知りたいときは、モニターの電源を入れて腕にかざすだけだ。わたしは断食後と運動後の血糖値がどうなるか、また、食べたもので血糖値がどう変わるかとても興味があった。すると、なかには驚くような数値もあった。

たとえば、17時間の断食のあと、ライ麦パンとツナサラダのサンドイッチを食べると、血糖値は170㎎ まで跳ねあがった。これはかなり高い値である。もしこのときに血液検査を受けていたら、糖尿病と診断されただろう。このことがあったので、大好物のチキンパプリカ(パプリカを使った鶏肉の煮込み料理)を食べたら、血糖値はどうなるのだろうと心配になった。

ところがうれしいことに、16時間の断食のあとにこの料理を食べても、血糖値はほとんど変わらなかったのだ! つまりこれは、栄養は人によって違うという例であり、ある食品を食べたあとや食べないときにどう感じるか記録しなければならない理由でもある。

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■若さをキープするためにしていること その3

→毎晩7時間睡眠を取る

毎晩7時間睡眠を取るようにし、Fitbitで睡眠パターンをチェックしている。これが
役立つのは、ときどきよく眠れなかったと感じても、Fitbitを見れば睡眠を取れている
とわかるからだ。夢を見ているときに目が覚めると、よく休めなかったと感じることがある。

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『SuperAgers スーパーエイジャー 老化は治療できる 』ニール・バルジライ、トニ・ロビーノ 著 牛原 眞弓 訳 CCCメディアハウス ¥2,200(税込)

【執筆者】

ニール・バルジライ (ニールバルジライ)
1955年生まれ。アルバート・アインシュタイン医科大学教授。同大学老化研究所設立者。ポール・F・グレン老化生物学研究センター、およびアメリカ国立衛生研究所(NIH)ネイサン・ショック・センター加齢基礎生物学部門のディレクターも務めている。専門は内分泌学。100歳を超える長寿家系を調べ、ヒトの長寿遺伝子を世界で初めて発見した。長寿研究の世界的権威として、全米老年問題研究連盟(AFAR)「アーヴィング・S・ライト賞」など数々の賞を受賞している。本書が初の一般書となる。


トニ・ロビーノ (トニロビーノ)
テクニカル・ライター、編集者。自然や人類など自然科学分野を得意とし、手がけた本の多くが「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラーリスト入りしている。Windword Literary Services LLCの共同創設者として、多くの著者の執筆サポートを行っている。