この度、ペン・オン・ラインのアンバサダーに就任した鹿取みゆきです。
日本におけるワインなどの農産加工物、農産物、そして食の生産現場の取材や記事の執筆とともに、その生産活動に携わる「つくり手」たち(ワインを造る人、ブドウを育てる人など)を支援することを続けています。
現場のワインのつくり手たちの勉強会「日本ワイン造り手の会」も、つくり手たちと立ち上げて、勉強会の開催は、今年で17回目を迎えました。
こうした活動を続けているのは、日本の風土、そしてそこから切り離すことのできない農業、農作物、農産加工物を、次の世代に伝えていきたいと思っているからです。
環境への負荷を小さくしたブドウ栽培、ワイン造りにとりわけ関心があり、ペン・オン・ラインでは、「ワインは、自然派」を連載させていただいております。
そして、もうひとつ、私が大切にしている活動があります。
「ワインづくりはぶどうづくり」というように、美味しいワインをつくるのには、上質なブドウを得ることが不可欠。そのためには、ワイン用ブドウの栽培の基盤をしっかりしたものにすることが大切です。残念ながら、日本のワイン産業は長きにわたり、醸造家を支援するさまざまな団体や仕組みはあるものの、ワイン用ブドウの栽培をサポートする組織はありませんでした。多様で上質なブドウを収穫して、もっとおいしい、もっと楽しい日本ワインが生まれてくるように、北海道から九州まで各地のつくり手たちと一般社団法人日本ワインブドウ栽培協会を2019年に設立しました。
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そのほか、ワインはもちろん、飲み物、食べ物の香りや味わい、食のつくり手と飲み手、食べ手の方々を繋いでいくことにも関心をもっています。
いままで書いてきた本は以下の通りです。
『日本ワインガイド 純国産ワイナリーと造り手たち』(虹有社)、『日本ワイン 北海道』(虹有社)、『ワインの香り』、『においと味わいの不思議』(いずれも共著・虹有社)、『日本ワイン99本』(共著・プレジデント社)、『厳選日本ワイン&ワイナリーガイド』(世界文化社)
1回目の投稿は、我が家の近くにできたばかりの店、「ENJOY Coffee & Beer」のご紹介します。小田急線の喜多見駅からは徒歩2、3分のところにオープンした、店名のとおり、珈琲とビールを楽しむお店です。
珈琲店で10年以上勤務。クラフトビール好きが高じて、ビールを飲むために3回渡米、年間で飲むクラフトビールの種類は1000種類を数えるという、オーナーの中野翔太さんと幸枝さんは、自分たちが暮らす喜多見に、ビールと珈琲を楽しめるお店を立ち上げました。
「珈琲やビールはつくられる土地や加工法で味わいが変わる点がよく似ています。また珈琲は抽出によって、味わいの表情が変わります。私自身、予想もつかないものと出会ったとき、感動を覚え、それが日々に暮らしの活力にもなりました」と翔太さん。
ビールについては、常時6、7種類がタップで飲めるようにする予定(夜10時まで営業可能になれば、9タップをフルに提供予定)。じつは、個人的にビールは苦手でなかなか飲み続けられなかったのですが、オープン時にたずねた時に飲んだオールド・スペックル・ド・ヘンというイギリスのものは、3種類の味わいのチャーシュー、シナチク、もやしと一緒に存分に楽しめました。ワインだけでなく、ビールにも新たな世界が広がっているのを実感します。
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このお店のもうひとつの魅力は、独自の焙煎とブレンドによる珈琲。味わいは、ビールの原材料の一つでもあるホップを感じさせる柑橘系のフレーバーを持ち合わせるフレンドにしています。
私が飲んで衝撃的だったのが、「ドライホップエスプレッソトニック」。エスプレッソをトニックウォーターで割って、ペレット状のホップから抽出したエキスを加えた冷たい珈琲です。
オレンジのようなフレーバーが広がって、余韻に続く柑橘を思わせるほのかな苦味も実に心地よい。アイスコーヒーって最後は味わいが薄まって苦味だけが残ってしまうのですが、これは今までの飲んでいたアイスコーヒーとは別物。レモンケーキとの相性も抜群です。
ENJOY Coffee & Beer
https://www.facebook.com/ENJOY-CoffeeBeer-103797375129667/
※緊急事態宣言下では珈琲のみのサービスで朝の10時から夕方の7時までの営業。