夏休みに京都の新名所で出合う『THE ドラえもん展 KYOTO 2021』がすごい

  • 文:小長谷奈都子

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村上隆『あんなこといいな 出来たらいいな』(部分) ©2017 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved. ©Fujiko-Pro

1970年の誕生以来、日本中に夢を届け、いまなお現役で幅広い世代から愛されているドラえもん。そんな国民的アイドルをモチーフにした『THE ドラえもん展 2021 KYOTO』が、京都市京セラ美術館の新館 東山キューブで開催中だ。

本展は、2002年から2006年にかけて全国13会場を巡回した『THE ドラえもん展』の続編ともいうべき企画。前回の出品作家、奈良美智、蜷川実花、福田美蘭、村上隆、森村泰昌のほか、前回以降に頭角を表してきたアーティスト、これからが期待される若手など、現代アートの最前線で活躍する作家たちが、それぞれのドラえもんをカタチにした展覧会だ。28組が、絵画、写真、映像、立体、インスタレーションなどさまざまな技法やアプローチで、ドラえもんへの思いを表現している。2017年の東京を皮切りに、富山、大阪、名古屋、新潟、札幌を経て、この夏、京都に上陸した。

会場となるのは、2020年に大規模リニューアルオープンを果たし、新たな京都のアートスポットとして注目を集める京都市京セラ美術館。高機能な最新設備を備えた、天井高5メートルという開放的な空間で、これまでとは違った見え方をしている。たとえば、増田セバスチャンによる「さいごのウエポン」という巨大ぬいぐるみは、360度ぐるりと鑑賞が可能だし、鴻池朋子が牛革にクレヨンでドローイングした「しずかちゃんの洞窟(へや)」は臨場感たっぷりに迫ってくるよう。京都の老舗扇子店「宮脇賣扇庵」と村上隆がコラボレートした京都会場限定の扇子は、なんと開幕した週末で300本を完売。現在は受注生産で予約を受け付けている。

今年の夏休みは、京都の新名所で、独創性あふれるドラえもんとの出合いを楽しもう。

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佐藤雅晴『かくれんぼ』 ©Masaharu Sato ©Fujiko-Pro

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梅佳代『私の家のドラえもんの写真』©2001 Kayo Ume

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増田セバスチャン『さいごのウエポン』©Sebastian Masuda/Lovelies Lab. Studio ©Fujiko-Pro

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鴻池朋子『しずかちゃんの洞窟』 ©Tomoko KONOIKE ©Fujiko-Pro

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老舗の宮脇賣扇庵と村上隆のコラボ扇子(京都会場限定)¥9,350 ©Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved. ©Fujiko-Pro

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ミュージアムカフェ「ENFUSE」で発売する「京菓子司 金谷正廣」による展覧会限定のコラボレーション和菓子¥550 ©Fujiko-Pro

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正面がリニューアルで新設された東山キューブ。約1,000㎡の広さで、外壁の色やタイルの幅は、本館のレンガの色や幅に揃えたもの。屋上庭園を備える。

『THE ドラえもん展 KYOTO 2021』

開催場所:京都市京セラ美術館 新館「東山キューブ」
京都市左京区岡崎円勝寺町124
会期:開催中〜2021年9月5日(日)
休館日:月 ※8月9日(月・振替休日)は開館
開館時間:10時〜18時(最終入場は17時30分)
入館料:一般¥2,000(税込)
※臨時休館や展覧会会期の変更、また入場制限などが行われる場合があります。事前にお確かめください。
https://kyotocity-kyocera.museum/