チームラボのアート空間に、ボルボの「XC40」が!

  • 文:小川フミオ
  • 写真:チームラボ

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チームラボとボルボのアート空間

「ボルボ チームラボ かみさまがすまう森」(以下・かみさまがすまう森)を観てきた。九州・佐賀の武雄(たけお)温泉「御船山(みふねやま)楽園」を舞台に開催されるアート展で、2021年で7回を数える。

アート集団として、プログラマー、エンジニア、建築家、デザイナーなどから構成されているチームラボ。同展を「Digitized Nature」と位置づけている。そのココロは「デジタルテクノロジーによって「自然が自然のままアートになる」」というものなのだ。

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「森の中の、呼応するランプの森とスパイラル・ワンストローク」はホテルのレセプションに無数ともいえるムラーノガラスによるランプを配置し、インタラクティブに点灯する

御船山楽園ホテル背後にそびえる御船山の名の由来は「神功皇后が新羅征伐から帰った時に「御船」をつないだことから名付けられたとか。この皇后についてははっきりしたところが今ひとつわかっていないものの、AD350年前後に、九州の熊襲征伐をやったり、続けて新羅、百済、高麗も服属させたなどと言われる。だいぶ武張った皇后だったようだ。

御船山楽園は、もうすこしはっきりしている。1845年に当時の佐賀藩武雄領主によって池泉回遊式庭園(兼六園とか六義園も同様)として作られた。チームラボが、「かみさまがすまう森」の主舞台にしているのはここ。面積が15万平米にも及ぶ敷地に、樹齢300年の大楠、20万本のツツジ、さらに、奈良の大仏をつくった行基が約1300年前にここに入山し掘った五百羅漢が残っている、といったぐあい。

隣接して建つ御船山楽園ホテルも、「かみさまがすまう森」展の舞台だ。レセプション奥には、協賛のボルボカージャパンのプロダクト「XC40」をつかった、「チームラボとボルボによるアート空間」が展開する。車両のとなりには8Kのモニターが置かれる。そこでは空間に書かれたというイメージで「生」の字が映しだされ、それがゆっくり回転。観ていると、画面内で降っていた雪が止み、春が来て花が咲き、水の流れが出来……と、四季の移ろいが表現される美しい作品だ。---fadeinPager---

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壁を破ってきたイメージのXC40(写真=筆者)

外から壁をつき破って車両が内部空間に入ってきたように見える展示の理由を「自分と環境は不二。二つに見えても実際は一つであり、切り離せない、という禅の教えに注目し、ボルボが外側から空間に入ってきたのは、分断の壁を壊し、自然も文明も、連続的でつながっていると表現したかった」ためと、チームラボの広報担当者は現場で説明してくれた。

「長い時間の連続性の上にある生命を、自然とデジタルテクノロジーの融合により表現するこのアート展は、ボルボの目指すサステナブルでイノベーティブな未来を体感していただくのに格好の場」と、2021年の協賛の理由について、ボルボカージャパンは説明している。

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「廃墟の湯屋にあるメガリス」は御船山楽園ホテルのかつての浴場を使い、見物者が近づくと、表面の花や水の流れが変化するメガリス(巨石遺跡)が並ぶ

福岡空港と武雄の往復でドライブしたのは、「ボルボXC60 B6 AWD R-Design」なるプレミアムクラスのSUVだ。全長4690ミリ、全高1660ミリのボディに、2リッター4気筒ガソリンエンジンと、フルタイム4WDシステムからなる、ドライブトレインを載せている。「B6」というグレード名は、マイルドハイブリッドシステム(かつハイパワーバージョン)を意味している。

電気モーターが、発進やシフトアップなど、エンジンの力がもうすこし欲しいときにエンジンの出力軸を回すのを手伝い、エンジントルクの積み増しをする。その恩恵は、途切れのないパワー感と、リッター11キロ(実燃費とほぼ同等のWLTCモード)の燃費として実現しているのだ。マイルドハイブリッドは、CO2規制がどんどんきびしくなる欧州では、多くのプレミアムブランドが採用しはじめテクノロジーでもある。---fadeinPager---

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武雄神社を背景にXC60 B6(写真=筆者)

じっさいに、XC60 B6はかなり力強い。軽くアクセルペダルを踏んでいるだけでどこまでも加速していきそうだ。直進性はよいうえに、レーンチェンジなどでの身のこなしは軽く、期待いじょうにスポーティなドライブ感覚。いったん走りだすと電動スーパーチャージャーが、比較的低いエンジン回転域でのパワーアップを受け持ち、そのあと回転があがると大きめのターボチャージャーが引き受ける。ようするにかなりのパワーだ。

同様のシステムを採用している「XC60 B5」が最高出力184kW(250ps)、最大トルク350Nmであるのに対して、B6は220kW(300ps)、420Nmと数値からみても、けっこうな差がある。B5はよく売れているというだけあって、操縦が楽しめるクルマである。

B5に対して、B6の(ややおおげさにいえば)飛ぶような走りは、クルマ好きだったら、すぐに”これいい”と声が出るんじゃないかと思うほど。足まわりは硬すぎず、室内の騒音レベルは低く、どこまで走っても疲れなさそうだ。

武雄から有明海へ、そのあと北上して日本海側の玄界灘に出て、東松浦半島の呼子を経由して海岸沿いに博多へと向かった。ハーマンカードンのオーディオは低音もなかなかよく出て、幅広い音源をカバーしてくれる。陽光が降り注ぐなか緑に囲まれるようにして九州北部を走るのに、B6はいいパートナーになってくれた。

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R-Designのホールド性がいいシートは身体を支える部分にファブリック素材が使われ滑りにくい(=疲れにくい)(写真=筆者)

ボルボXC60 B6 AWD R-Design
●ディメンション(全長×全幅×全高):4690×1915×1660mm
●エンジン形式:直列4気筒マイルドハイブリッド
●排気量:1968cc
●最高出力:220kW(300ps)@5400rpm
●最大トルク:420Nm@2400〜4800rpm
●駆動方式:全輪駆動
●車両価格:¥7,990,000
●ディメンション(全長×全幅×全高):4510×1995×1970mm

「ボルボ チームラボ かみさまがすまう森」は2021年7月16日から11月7日まで。チケットはおとな1200円(土日祝および8月13日〜16日は1400円)、中高生800円、小学生600円。

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「グラフィティネイチャー 廃墟の湯屋に住む生き物たち、レッドリスト」では生物が平面ながら生きているように動くさまをインタラクティブなデジタル技術で表現
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「小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々」では提供されたお茶の器のなかに花が咲くように映しだされ、それが卓へと広がっていく(同展は2021年11月7日まで開催)
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御船山楽園ホテル敷地内におけるXC60 B6(写真=筆者)