この夏話題の大恐竜展 in 横浜が、大人も驚嘆するハイレベルな臨場感!

  • 写真・文:高橋一史
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展覧会の目玉。ほぼ全身で発掘された日本初公開のトリケラトプス化石(本物)骨格。

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トリケラトプスの横に展示されたティラノサウルス。

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日本の兜みたいな面構えのトリケラトプス。

『Sony presents DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~』。
上の写真の恐竜2体が、このイベントの最大の売りである、トリケラトプスとティラノサウルスです。

それではこのメイン展示物をご紹介し終わったところでー、
“極私的なお気に入り展示物ベスト3” へと話を移しましょう!

……って、もう少し全体解説したほうがいいですか??
テレビや新聞で大々的に報道されてますからねえ、そのあたりをご覧いただくほうがいいと思うんですよねえ。
(他力本願)
ざっくりとご説明しますと、

●この恐竜科学博は、ヒューストン自然博物館が所有する貴重なトリケラトプスのほぼ全身化石(命名:レイン)ありきで構成されたもの。
●長い恐竜時代のなかでも、レインが生きていた白亜紀後半のみに絞った内容。
●全身骨格による様々な恐竜の展示がメイン。ただし本物の化石でなく3D技術で復元されたリアルな模型が入り混じる。
(見た目では判別できない)
●SONYプレゼンツだけあって、音響や映像は極めてハイレベル。
●天井が高く会場が広く、ディスプレイも本格的。
●展示解説文は博物学的で子どもに親切ではないが、貸し出される音声ガイドはカジュアルかもしれない。
(試しておらず)

ってところでしょうか。
ここにお届けするのはオープン前日となる2021年7月16日(金)に開催された、メディア向け内覧会の様子。
テレビカメラだらけだわ、“秋元康's エンジェル” アイドルに人が群がってるわ、スーツ着たおっさんだらけだわ(私はスーツ着てないおっさん)のたいへんな賑わい。
写真はすっきりして見えると思いますが、撮るのたいへんでしたからねっ。
全部でびっちり2時間近くかかったい!
(言わんでいいことを言いたい年頃)

……ってことで、最後に恐竜展を見に行ったのが子ども時代で、テレビ番組表で恐竜番組を見つけると録画してしまう程度のプチ恐竜好きな大人による、お気に入りの展示ベスト3をご覧くださいませ。

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<第1位> 大型翼竜

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全長10メートルの大型翼竜の復元模型。

「うっそだろ!? マジか……この巨体が空飛んでたのかっ!」

心の声どころか、たぶん本当にそうつぶやいてしまったすごい奴。
ほら、ティラノサウルスだと過去に実物大模型を見た経験ありますし、トリケラトプスも「そりゃ大きいよね」ってな感想。
でもこんなバカでかい生き物がバサッと空中にいる想像をしたら、まーヤバくて。

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手前にいる人と比較した様子。

いや、いや、これでもぜんぜん迫力が伝わってないです。
現存する空を飛べる世界最大級の生き物が鳥のコンドルと言われますから、別次元の存在。
恐竜博に行ったら必見でございます。

さらに、この展示の目の前の壁(同じエリア)がもうひとつのお気に入り。

<第2位> 壁の映像

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壁の端からティラノサウルスが現れ、

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ゆったりと去っていきます。

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ド迫力、でもちょっとユーモラス。

壁全体がモニタなのか、シルエットの恐竜が動き回ってます!
小ネタ?
確かに展示から展示への移動におけるちょっとした演出なんですけど、「おおっ」とびっくりして何度眺めても飽きません。
展示物への没入感を高めるこういう映像があればこそ、会場全体のムードがアップするのでしょう。

しかも映像はリピートされており、最初はちっちゃな小動物(恐竜?)がちょこちょこと左から右へと走ります。
そのあと右から素早く走る恐竜が通り過ぎたりするうちに、最後にゆっくりと大物が登場。
ストーリーもよく考えられてますし、この映像をつくった人を尊敬します、私は。

<第3位> ミニラ対マトリックス

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ミニラ?

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マトリックス?

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子どものケンカ。

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引き絵。当時の水辺の光景がイメージされたもの。

お気に入り第3位も小ネタということで。
つくり手は誰も「ミニラVSマトリックス」なんて考えちゃいないでしょうが、こういうドラマ性に凝ってるのが恐竜科学博のいいところ。
ほかにも、

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ポスターみたいな舞台展示。

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導線を示す床の足跡。

など楽しさ満載。

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入場してすぐ入口で、映像による簡単な時代背景説明があります。


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エントランス。右側スクリーンが説明映像。

男性のナレーションがベースの短い映像ながら、重低音で広がる音響が完全に映画館クラス。
ここで期待感が一気に増しますから、行ったらお見逃しなく。

映像といえばこの恐竜科学博の売りのひとつに、当時の光景を描いたCGアニメを写す横12×高さ6.8メートルの平面スクリーンシアターがあります。
床が振動し音響はゴージャスで面白い体験ができるものの、恐竜科学博を褒めてばかりじゃなんなんで、チクリ言っときましょうか!

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ソニーご自慢の超高精細LED大画面シアター。

いや、下側の1/4見えねーですって。
子どものトリケラトプスが地面で動き回ってるっぽいけど、なんもわかんねー。

上映開始から遅れて部屋に入った瞬間、「どういうこと?」と思っちゃいましたよ。
ここにいるメディア&イベント関係者の皆さんはスタッフの指示のもとに立ってるはず(たぶん)。
これじゃスクリーン手前の柵にくっついた最前列の方々が、空気読めない人に思えちゃいますわ。
上の写真でカメラは、大人の頭の高さ以上の位置で撮ってますからね。
実際はもっと見えなかったです。
柵を後ろに下げないとイカンですよ。
「子どもは背が低いから」、っても大人と一緒に観ますよね?
入場料取る営業がはじまった現在は、改善されてることを祈りつつ。

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会場のパシフィコ横浜は天井が高くて気持ちいいですね。倉庫っぽさも恐竜骨格の展示とよくマッチしてます。

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詳しく学びたい人もおそらく満足できる資料が満載。

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がぉ〜、がぉ〜、がぉ〜、がぉ〜……。極私的お気に入りのベスト3入り寸前まで行った、番外編のティラノ。

恐竜話となると近年は、羽毛が生えていた、身体の色がカラフルかも、といった新情報をよく耳にしてました。
ティラノサウルスの速度は人間の小走りより遅かった(21年4月の科学誌「王立協会オープンサイエンス」発表)、とか。
でもそんな些細なことよりも、まずは超巨大な生き物が地球を闊歩していた世界があったという揺るぎない事実を実感することがいちばん大切なのだな、と感じましたね。
「地球は一体なにを生み出してきたのだ?」と思ったり。
いまや誰もが環境問題に関心を持つ時代。
地球の歴史にふと思いを馳せると、また違った目線になることにも気づけた恐竜科学博でした。

photo © Kazushi

『Sony presents DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~』

https://dino-science.com/

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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