職場に3人以上友人がいると、人生の満足度が変わる。メンタリストDaiGoが教える「雑談」の重要性

  • 文:メンタリストDaiGo

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メンタリストDaiGoが、科学的見地から話し方のコツについて解説する『超トーク力 心を操る話し方の科学』(メンタリスト DaiGo/CCCメディアハウス)。

本書の第一章「科学的に最強な雑談力『会話スターター』」から、「雑談の重要性」について抜粋してお届けする。

雑談は人と人とのおつきあい親しさを築くはじめの一歩

「雑談の意味ですか?『雑な話だったら、しないでくれる? その間、僕は本を読んでいるから』と思っちゃいますね」 

7、8年ほど前、ビジネス誌の取材で「雑談にはどんな意味があるのでしょう?」と聞かれたとき、私はそう答えました。しかも、ばっさり切った上で「雑談で悩む意味がわからない。間を埋めるような会話をする必要ってあります?」と返したことを覚えています。 

今も個人的には、雑談をするよりも本を読む時間が好きです。でも、「話し方」について学んだことで認識が変わりました。 

研究からも、個人的な経験からも雑談が持つメリットを知り、「雑談で悩む意味がわからない。間を埋めるような会話をする必要ってあります?」と言い切っていたことを反省しています。   

雑談を交わす最大のメリットは、話し相手との親密度を高めるきっかけになることです。言われてみれば当たり前ですが、私たちは言葉を交わすうちに相手と打ち解け、親しくなっていきます。 

つまり、雑談は親しさを築くはじめの一歩となるのです。仕事上つきあう必要があるといった状況でない限り、私たちは相手と話してみて、気が合いそうなら仲よくなっていき、そうでもなければ自然と距離を置くようになります。   

そんな雑談を交わすメリットについて詳しく調べたのが、カナダにあるウィンザー大学の研究です。研究チームはオフィスにあるウォーターサーバーに水を飲みに行ったとき、何気ない雑談をする人としない人が、社内でどのような評価を得ているかを比較しました。 

すると、雑談をする人はしない人に比べて職場での好感度が高く、その人の能力に対する評価も高くなる傾向があったのです。

しかも、業務上重要なプロジェクトのメンバーに採用される確率も上がり、その人が困っているとき、周囲からの助けが得やすいこともわかりました。 この研究では、挨拶から始まるちょっとした雑談が仕事をしていく上で大きなメリットをもたらしていることがわかったのです。

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雑談はお金では買えない価値を生み出してくれる

・周囲の人から好感を持たれ、評価されること
・能力を認められ、信頼を得ていること
・助け合える関係を築いていること   

こうした人間関係の恩恵を社会学や経済学では、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)と呼んでいます。 

ソーシャル・キャピタルは、日頃から積極的に交流を重ねることで生まれる人間関係があってこそ高まるもので、お金では買えません。ただ、こうした人間関係の恩恵を多く得ている人ほど社会的に成功していくことは心理学、行動経済学、社会学などの複数の研究で明らかになっています。つまり、雑談はお金では買えない価値を生み出してくれるのです。   

また、私たちには同じ人に何度も会うと相手に好意を持つという本能が備わっています。これは心理学で「単純接触効果」と呼ばれますが、挨拶をし、雑談を交わすことも単純接触効果が生じる行動の1つです。 

アメリカのノートルダム大学が男女200万人を対象に行った研究で、相手の好意を維持する接触回数、好意が増す接触回数、好意が減る接触回数が明らかになっています。 

分岐点は、15日に1回でした。最低でも15日に1回のペースで接触しないと好意は薄れていき、逆にそれ以上の頻度でコンタクトを取っていると好意が増していったのです。 

ちょっとした立ち話、たまたま一緒になったエレベーターでの雑談、挨拶代わりの短いLINEのやりとりなどが、相手との関係を良好にし、それがソーシャル・キャピタルを高める土台となっていきます。 

ちなみに、お互いに「この人と会いたい」「一緒にいたい」と思い、積極的に共に過ごした時間が200時間を超えると、心を許し合える関係が結ばれることもわかっています。

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挨拶のあとに交わした雑談の内容を覚えている? 

また、別の角度から雑談によって生じる大きなメリットを示すデータもあります。 

2004年にアメリカの世論調査機関であるギャラップ社が500万人という膨大な人数を対象に、「友達が個人に与える幸福度」に関する調査を行いました。 

それによると、職場に少なくとも3人の気心の知れた友達がいるだけで、人生の満足度が96%も上昇し、自分の給料への満足度が200%高まることがわかりました。 

実際に受け取る金額が増えるわけではありませんが、「友達はいない」と感じている同僚よりも、3人の仲間がいる人は圧倒的に自分の待遇に満足できるのです。 

さらに、職場に最高の友達がいると感じている人は、仕事へのモチベーションが大きく上昇し、生産性が高まるというデータも出ています。 

これだけ幸福度を左右する気心の知れた友達を作るきっかけとなるのも、雑談です。

・雑談は、親しさを築くはじめの一歩となる
・雑談は、ソーシャル・キャピタルというお金では買えない価値を生み出してくれる
・雑談は、人生の幸福度を高める気心の知れた友達を作るきっかけとなる   

こうしたメリットを踏まえると、とても「間を埋めるような会話をする必要ってあります?」とは言えません。雑談を積極的にしていったほうがいいのは、明白です。 

とはいえ、「それだけ重要な意味を持つ雑談だから、しっかりと考えて話さなければならない……」と身構える必要はありません。「何を話せばいいかわからない」と戸惑い、「盛り上げるためにがんばらなくては」と意気込むのもやめましょう。雑談は、あくまで雑談です。話し相手との親密度を高めることに成功している人たちも、おもしろい話をしているわけではありません。 

謎かけのようになりますが、雑談で交わされる会話の内容そのものには、ほとんど意味がないからです。 

たとえば、あなたが仲のいい友達と待ち合わせをして会ったときのことを思い出してみてください。「こんにちは。久しぶり」「ホント、久しぶりだね」と挨拶を交わしたあと、どんな雑談を始めたか覚えていますか? そう聞かれて、パッと思い出せる人はほとんどいません。 

久しぶりに会えてうれしかったこと、その後、一緒にランチを食べながら共通の知り合いの結婚話で盛り上がったことは覚えていても、会話の始まりとなったやりとりが強く印象に残ることはまずありません。最初に何を話したか、正確に覚えている人はいないのです。

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雑談と「雑な話」はまったく違う 

これは、日常的に交わされる雑談にも当てはまります。 

たとえば、初めて会う仕事先の人と交わした「はじめまして」の挨拶と緊張感は覚えていても、その後に二度、三度と往復したはずの世間話のことは忘れ、商談に手応えがあったかどうかの印象が強く残ります。 

気になる異性とのデートでも、緊張をほぐす意味では役立った雑談の内容はどこかに消えて、相手の好意を感じとれたやりとりが強く印象に残ります。  

これは、人間の記憶の構造と関係しています。ノーベル賞を受賞した心理学者で行動経済学者のダニエル・カーネマン博士が提唱する「ピーク・エンド・セオリー」は会話にも当てはまり、話が最も盛り上がった(ピーク)のシーンと別れ際や別れたあとの印象(エンド)が、記憶に残るのです。 

商談ならば相手の興味関心、デートならば相手が向けてくれた好意であり、その前後の雑談がピークとなることはありません。   

とはいえ、雑談は会話をスタートさせるときに欠かせない要素ですし、その回数が増すことで親密度も高まっていきます。しかし、雑談そのものがコミュニケーションの主役にはなりません。これが先ほど、「雑談で交わされる会話の内容そのものにはほとんど意味がない」と書いた理由です。 

雑談の狙いは、「相手といい雰囲気のやりとりができた」「お互いに似たところもあって打ち解けた」「話していて気分がよかった」といった印象を残すこと。それができれば、大成功です。   

では、どうすれば雑談で好印象を与えることができるのでしょうか。答えは明確です。 

それは、できるだけ早い段階で、話し相手の感情を動かす問いを投げかけること。 

雑談にありがちな「今日はいい天気ですね」「そうですね」といった天気の話、「家から会社まではどの路線を使っているんですか?」「A駅からB駅に出て、乗り換えて、45分くらいですかね」といった通勤通学の経路の話題では、話し手、聞き手どちらの感情も動きません。 

ただただ、ぼんやりとした情報が行き交い、まさに「雑な話」が続くだけ。もちろん、好印象が残ることもありません。 

そこで、早めに話し相手の心を動かすためにオススメしたいのが、「トゥー・クエッション・テクニック」です。次の項目で詳しくお伝えしていきます。 

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超トーク力 心を操る話し方の科学』 DaiGo著 CCCメディアハウス ¥1540(税込)

【執筆者】メンタリスト DaiGo
著書累計は400万部突破、大学教授、企業顧問、慶応卒 、英国のメンタリズムを日本に初めて紹介。心理学を応用し、ITサービスから遺伝子検査まで開発したりしています。実際は2匹の愛猫と一緒に、月300冊の本を読むただの本の虫。

職場に3人以上友人がいると、人生の満足度が変わる。メンタリストDaiGoが教える「雑談」の重要性

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